【摂食障害と昼夜逆転】直すべき?直さなくていい?


拒食症・過食症の場合、生活リズムが大幅に乱れてしまうことがよくあります。ご家族が今すぐできることをまとめました。

摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。

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母親カウンセリングで非常によくあるのが

・昼夜逆転していて、夜中ずっとガタガタ音がしているんです
・朝、無理やりにでも起こしたほうがいいでしょうか?
・食事の支度は、娘のリズムに合わせて用意しないといけないのでしょうか

といった声です。

⇒母親カウンセリングはこちら

「人」も動物ですので、昼夜逆転はしないほうがいいです。

しかし、摂食障害の方の多くがなぜ昼夜逆転の生活になってしまうのか、ただしい理解をしていくことが最優先です。

その上で、摂食障害の回復段階に合わせて

・昼夜逆転を今すぐ直さないといけない場合
・昼夜逆転を直さなくていい場合

があります。

摂食障害の接し方は、常にお嬢様の回復段階に合わせることがとても大切です。それぞれについて解説します。

拒食症:昼夜逆転になりやすい理由


ひとことで言うと…

身体が飢餓状態だから、眠れないのです。

食事量が少ないのに、運動強迫している場合だけではありません。

食事量が少なくて、普通の生活している場合も、まちがいなく身体の中はマイナスです。

例えば、

普通の高校生が10食べて10活動するのに
拒食症のお嬢様が3食べて、同じように10活動したら

毎日「マイナス7」ですよね???
毎日毎日マイナスを蓄積し続けているので、毎日毎日、飢餓状態を悪化させているのです。

飢餓状態なので、はげしい緊張感の中で生きています。

緊張感や興奮状態にあるので、眠れないのです。

拒食症の場合、こうした飢餓状態で眠れず、昼夜逆転になりやすいと言えます。

過食症:昼夜逆転になりやすい理由

過食症の場合は、カロリー過多であっても、栄養バランスの摂れた食事をしている場合は少ないので、栄養不足には陥っているかもしれません。

多くの過食症の方は、真夜中に過食しているからです。

食べている時間だけ、眠るのが遅くなります。
お腹が苦しいほど食べていれば、過食直後にスグ眠ることが難しくなります。

そのため、過食症の方も昼夜逆転になりやすいです。

私の場合:不眠症と過食

眠れないと不安で不安でたまりませんでした。
不安をかき消すように食べ始める…そして、当然、過食になる。

この繰り返しでした。

しかも、処方された薬も複数飲んでいたので、食べ始めてから薬が効き始め、異様な眠気が襲ってくる…ということがよくありました。
⇒【動画】摂食障害と薬

摂食障害ご家族の対応:回復段階に合わせて「接し方」を変えよう


摂食障害のお嬢様の状態は、日々変化します。

ご家族は、そうした変化が

・悪化なのか
・回復なのか
・停滞なのか

を見極めていくことが必要です。

さらに、学校・仕事に復帰を目指す段階か否かによっても接し方が異なります。

昼夜逆転を今すぐ直さないといけない場合

これは、学校・仕事に復帰する時期を控えている場合です。

昼夜逆転を直して、ふつうの生活リズムが定着する必要がありますから、最低でも1ケ月前、理想は3ケ月以上の余裕を持って、「昼夜逆転を直す」ことに取り組みましょう。

例えば、休学して学校に復学するタイミングなどです。

言うまでもなく、学校に復帰するなら、摂食障害の症状ゼロ(過食衝動なし、体重は普通、生理も自然回復…etc.)が大前提です。

昼夜逆転を直さなくていい場合

これは、完全休養の時期です。

好きな時に寝て
好きな時に食べて

もう何もしないでいい。

摂食障害のご本人様もご家族様も、心底こうしたお気持ちになったのなら、一時的に昼夜逆転のまま生活してもいいと思います。

実際には、心がホントに休養できていると、自然に「だいたい普通の生活リズム」になっていくようです。

やはり「人」として「動物」として、普通のリズムに戻るんですね。

完全休養の話はこちら↓↓↓

【#3】完全休養で、私の摂食障害が劇的に回復に向かった話
摂食障害も「病気」ですから、身体の病気同様に「休養なくして回復なし」です。