
*摂食障害だからといって、家族でお金の話をスルーしていませんか?
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
うちの子、自分から治そうとしないんです。
何回も入退院を繰り返しているのに…
友達とも会えなくなったのに、早く治りたいと思わないのかしら…
という悩みを抱えていませんか?
摂食障害のお嬢様を持つお母様方は、毎日様々な葛藤と向き合っていらっしゃることと思います。
お嬢様の回復を心から願いながらも、そのきっかけがどこにあるのか、途方に暮れることもあるかもしれません。
今回ご紹介するのは、私自身の経験談です。
治ったきかっけではなく、もっと手前の「治そうと思ったきっかけ」です。
経験談:治そうと思ったのは父の定年退職

*お金が降ってくるわけではないのですが、自然発生するような感覚でした…。
拒食症と診断されてから病院を転々としてきました。
入院もしました。
薬も沢山処方されていました。
約5年が経過していた当時、20代で見た目は普通に見えながらも、
就職活動に全敗で無職
単発的な過食
毎日の不眠
通院は継続中
という状況でした。
そんな中、父が定年退職したのです。
「ウチには外からお金が入ってこなくなる」という現実を突きつけられました。

*心の中がシーンとしました。衝撃的な気づき。
この時、初めて気づいたのです。
「見た目ふつうの自分が、今一番働けるし、働くべき人なのではないか…」
「一体、自分は何をやっているんだろう」
経済的な危機感が、自身の状況を見つめ直し、回復への強い意志を持つきっかけとなったのでした。
摂食障害:治るきっかけより、「治そう」と思えるきっかけが大事。
お母様方から非常に多くのご相談をいただいています。
「どうやって治ったのですか?」
「治ったきっかけは何ですか?」
「うちの娘も、きっかけが見つかれば…」
というお声の数々です。
しかし、勘違いしないでください。
そもそも、お嬢様は今自分から「治そう」と動き出しているでしょうか?
きっと、まだ動き出していないはずです。
動きだしていないのなら、「治そうと思えるきっかけ」が、まず必要なのではないでしょうか?
「治そう」と思えるきっかけは、家族のアプローチから
上記の通り、私の場合は、父の定年退職という現実が、「治そうと思えたきっかけ」でした。
これも、
・「お父さんは、●月に会社を退職する」と宣言された
・その後の生活についての話を聞かされた
という、「家族からの話」があったからこそ、「治そうと思えたきっかけ」につながったのでした。
一方で、摂食障害が長期化してしまうご家庭に多いのは、
・お金のことを口にしない
・将来の心配を親子でスルーしている
・摂食障害のことにも触れない
・過食代を治療費だと勘違いしている…etc.
といった「表面的に平穏な関わり」です。
きちんと話し合うなら、
・どんな年齢でも
・どんな症状でも
・どんな家族構成でも
話し合うことにより、「摂食障害を治そうと思うきっかけ」につなげることは可能です。
ぜひご家族で、経済的な事情も赤裸々に何度でも話し合っていきましょう。
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