摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
母親カウンセリングでよく質問させていただくことがあります。
「お母様が、困ることって何ですか?」
娘の過食が、ひどくなって。
娘が落ち込んで
娘が部屋から出てこなくなって
娘がクチをきかなくなって
こうした状況を、とても詳細に語ってくださるお母様方は多いですが。。。
母親カウンセリングでは、大抵の場合、私はじっと待っています。
時には何か月も、そのままお話をお聞きしています。
けれど、どんなに待っても主語が「私」に変わっていかない時、
カウンセリングではこう切り返します。
「その状況の中で、お母様自身が実際に困っていることって、何ですか?」
はっ!と気づく方も
「え?」とびっくりされる方も
「だから、娘が・・・!」と繰り返す方も
いろんなお母さまがいらっしゃいますが・・・
私が気づいてほしいのは、悩みを混在してしまっている状況です。
お母様が困っているのは、「摂食障害そのもの」では無いはずです。
たくさんの質問を重ねながらお話をお聞きしていると
・過食している娘をみているのがツライ
・自分の子育てを全否定された気持ちになる
・外で問題を起こさないかヒヤヒヤしている
・毎朝、また1日が始まるのか・・・と憂鬱になる
・キレると怖いから、「言いなり」を続けてしまう自分に自己嫌悪
・夫が全然協力してくれないから、私一人で頑張っている
・逃げ出したくなる
・「何やっているんだろう」って思いながらも変えられない
・優等生だった娘が転落していく姿を受け入れられない
・いつまで続くんだろう?と不安で押しつぶされそう・・・etc.
そんな言葉があふれだすのです。
きっとどんなお母様でも、
どれか1つには当てはまりますよね?!
もしかしたら、どれもこれも、今のお母様の悩みかもしれません。
それでイイのです。
こうしたことに悩んでいるのだから、
そのまま言葉にしていったらいいのです^^
「摂食障害の娘が・・・」という言葉を借りることなく、
「私が●●でツライです」。
意識的に言葉を変えていくことで、
お母様の中で、娘さんを責めてしまう気持ちが和らいでいきます。
意識的に、「私が」という言葉を使っていくことで、
主体的に取り組めるようになっていきます。
だから、変化が始まるのです。
母親カウンセリングのみで行っていく場合、
長い長いプロセスの後に、摂食障害の娘さんの変化が始まるのです。
その長いプロセスは、
お母様自身が主体になることで、初めてスタート地点に立てるのです。