摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
「ちょっと食べ始めたから」
「ちょっと嘔吐が減ったから」
「ちょっと笑うようになったから」
「ちょっと学校に行くようになったから」
そこで、【安心】してしまっていませんか?
そして、その後すぐ、症状が急にひどくなっていませんか?
私は、早すぎる安心が、いつもいつも気がかりです。
何年も続いてきた状態が、
今、「ちょっと」変わっただけ。
もちろん、「ちょっと」の変化のために
とても大変な日々だったことと思います。
けれど、「ちょっと」だけなのです。
「ちょっと」なのに、
安心してしまったり
「ちょっと」なのに、
このまま治っていくと楽観視しすぎたり
そんな状態こそ、摂食障害の悪化や慢性化に繋がっているのではないでしょうか?
私が初めて留学したのは、
交換留学の前の1ヶ月の語学研修でした。
まったくのゼロからのスタートでした。
何もかも初めてで新鮮なことばかりでした。
1ヶ月、英語だけで過ごして、
かなり出来るようになったのかも・・・と思い込んでいました。
でも、高校3年生として交換留学が始まった時、
それが思い込みだったと気づかされました。
英語の授業では、いきなりシェークスピア。
何一つ理解できなかったのです^^;;
「出来るようになった」のではなく、
「ちょっとマシ」になっただけだったと痛感しました。
英語という全く新しい言語が、
たった1ヶ月でマスター出来るはずがないのです。
・・・・
摂食障害という病気も、
同じではないでしょうか?
摂食障害という症状がハッキリと表面化するまでに、
きっと何年も苦しんできたはずです。
何かわからないモヤモヤを抱えていたり
楽しくない場面でも、作り笑いを続けていたり
がむしゃらに仕事や勉強をし続けたり
そんな状態が続いた心と体が、
やっと悲鳴をあげているのです。
それが、摂食障害の症状なのです。
だからこそ、今の「ちょっと」した回復だけでは、
まだその先は分からないのではないでしょうか?
まだ、「ちょっと」なのですから^^
安心しすぎて、悪化させるよりも、
回復に、もう少し謙虚に向き合っていきませんか?