【ご家族向け】摂食障害の共依存が長期化を招くことに気づいていますか?

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害の共依存が慢性化につながる。
これは母親カウンセリングを通して、とても痛感していることです(母親カウンセリングとは)。。

共依存について考える時、まずは、我が家が共依存や合わせすぎにならなかった理由は何か、考えてみました。

このテーマで書くにあたり、改めて母に聞いてみたり、当時のことを思い出したりしてみました。

私の場合、摂食障害真っ最中の頃、食べることにとても波がありました。

ある時には許せた食べ物も、
急に「食べられないもの」に変わったり。

「過食対策」として取り組んでいたことが、
実は過食を酷くさせていたり。

私の食事の波や気分の波は、一緒に住んでいた家族を、やっぱり振り回していたと思います。

また休学中や無職の時代は、家の中で過ごす時間がほとんどでした。
でも、親子で一緒に外出することは稀でした。

我が家が「合わせすぎ」「共依存」にならなかった理由は、以下の2つが挙げられます。

・家族のほうから、「合わせない」と断言されたこと
・私のほうが、「友達と会いたい」という欲求があったこと

具体的な場面3つをご紹介します。

(1)毎朝の和菓子「コレ、毎日食べるの?」

*画像は、イメージです^^;;

つい最近、デパ地下を歩いていたら、
1つの和菓子が目に入りました。

小さくて
紫色の和紙みたいな紙で包まれていて、
ちょこんとした可愛らしい見た目。

「あ~、これだな」

遠くから見つめて、
その場を去りました。

その和菓子こそ、私が過食時期に毎朝食べていたものだったのです。

当時の私は、夜中に過食することが多かったです。

夜一人でコンビニ行ったらダメという母と、
過食衝動にかられる私。

数え切れないほどぶつかりました。

同時に、過食続きで体重が増えていく自分も
どうしようもなくイヤでした。

「朝に甘いものを食べたら、甘いもの欲求が減るかもしれない」

これは、当時の単なる「思いつき」です。
夜の過食を無くしたい!と思い立ちました。

そして、実行していたのが、

朝ごはんの後に、高級和菓子を1個食べること、でした。

母が名古屋駅に行く度に、日持ちのする和菓子をいくつか買ってきてくれました。

小さくて
ちょっと美味しくて
賞味期限が長くて・・

こうしたお菓子がいつも家にある状態が、
私は嬉しかったです。

けれど・・・

しばらく続いたある日、母から言われました。

「コレ、毎日食べるの?」

で、大バトル。

過食を治そうと一生懸命やっているのに!
最初は「いいよ!」と言っていたのに!
なんで、もっと協力してくれないの!?

母の言い分は、

他の家族は誰も食べていないし、
毎日食べたら、それなりの金額だし、
名古屋駅のお店にも頻繁に行けれないし、

一体いつまで毎日食べ続けるの?

そんなことを言われました。

いつもながら、私の怒りはすぐに沸点に達し、大バトルを繰り広げていきました。

けれど、同時に分かっていたことがあります。
願っていた「過食対策」にはならなかったことを。

朝に和菓子を食べても
夜になるとソワソワして
結局は過食。。。

今から思えば、心の問題なのだから当然です。
当時は「食だけ」で解決しようと思っていたんですよね^^;;

もちろん、上記の大バトルの後ですが、私のほうも、渋々ながらも「過食対策になっていない事実」を認めるしかありませんでした。

そして、「朝の和菓子」はかなり短期間で終わったのでした。

(2)「高いんだけど・・・」と言われたタンパク質

摂食障害真っ最中の頃、食に波がありました。

食べられたものが、急にダメになったり、
たまにならOKという食べ物が増えたり。。。

そんな波を繰り返している中、
ある時期、「ほとんどのタンパク質系が食べられない時期」がありました。

そこで、アドバイスを受けて、代用策として食べていたのが、

エビ・タコ・イカ・ホタテ等、「なんとなくヘルシー」の食べ物でした。

ちくわ・はんぺん等も、常備して、ちょこちょこ食べるようにしていました。

夕飯のメインとして、ホタテの刺身が、当時の私にとって「1番食べやすいもの」でした。

最初は、母も「食べられるなら」という気持ちで用意してくれていました。
怠くてたまらない身体が少しでもラクになるなら・・・という想いは、親子共にあったと思います。

でも・・・

それが続くと、こう言われました。

「高いんだけど・・・」

で、大バトル。

お馴染みすぎるパターンですが、やっぱりバトルに発展していきました。

「食べるならイイって言ったじゃん!」
「買ってくれるって言ったじゃん!」
「値段のこと言わないって言ったじゃん!」

そんな反発をしていました。

でも・・・

私の中でも頻繁に同じ物を食べることに飽きていました。

最初の頃は「美味しい!」と思っていても、段々イヤになって、お刺身さえも避けたい気持ちも沸いていました。。。

だから、バトルの後、「いつもお刺身」という食事は終わりになりました。

(3)母娘のお出かけよりも、友達とランチ

これは多くのクライアント様と我が家に違いを感じる1つです。

摂食障害のお嬢様とお母様が、かなり頻繁にランチしたり、お茶したり、お買い物したり・・・ということを見聞きしています。

そもそも、中学生以上であれば、頻繁に親子一緒に外出しますか?

我が家の場合・・・ほぼゼロでした。

母と私が2人でお出かけすることよりも、私は友達と会いたかったです。

拒食の時も、
完全休養の時期も、
復学した後も、

いつも友人に逐一報告して
ちょっと気分が良ければ、「あそぼ―」とメールしていました。

特に拒食時代にも、毎週ランチに行っていた友人がいました。

お寿司ランチを食べに行っても、シャリ(米)のほとんどを残す私。
汚い食べ方しか出来なかった私。

カフェランチに行っても、注文時に「除いてほしい食べ物」を真っ先に店員さんに伝えた私。

きっと、拒食の私と一緒にいることで、イヤな場面も沢山あったことと思います。

それでも、友人はこう言ってくれました。

「綾子ちゃんとランチ出来て嬉しい!」

日本に帰国してから初めて出来た友人だったので、私も本当に嬉しかったです。

こうした友人との繋がりが、当時の私にはいつもありました。
だから、我が家は共依存のリスクが回避できたのだと思います。

ご家族から、摂食障害の共依存を脱出していくために。

今、あなたのお家はどうですか?

「摂食障害だから」を全てに利用するご本人と
「摂食障害だから」と、全てに「いいよ」と言ってしまうご家族。

そんな合わせすぎ・共依存の関係を続けてしまっていないでしょうか?

合わせすぎ・共依存の関係が長ければ長いほど、それらを断ち切ることが、難しくなります。

ご家族のほうから、断ち切ろうとすると、とても大きな反発を買うことになるかもしれません。


それでも、ご家族から「変わる」を始めてください。

摂食障害で居続けてしまうと、摂食障害でも「困らない状態」になってしまいます。
摂食障害でも、ご家族が何でもやってくれると、「治らなくてもいいや」という気持ちが沸いてしまいます。

だからこそ、
1日も早く摂食障害から卒業するために
1日も早く、ご家族が共依存から脱してください。
まずは、こちらの2冊の本をお読みいただくことをオススメします!