初の心療内科。母の反応「食べられないと、即、摂食障害!?」

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

今回のブログ記事は、摂食障害という言葉そのものに、とまどっているご家族に向けて書いています。

今は、カウンセラーとして、当たり前のように摂食障害という言葉を使っていますが・・・
私自身が、うまれてはじめて診断された時は、やっぱり気持ち的にはイロイロありました。

私以上に、母にとっては大きなショックだったようです。
今回も「母に聞いてみましたシリーズ」として、過去の気持ちを振り返ってもらいました。

母の気持ち:初めて摂食障害と聞かされた時

婦人科クリニックで、教えられた心療内科へ行った時。初めて摂食障害と聞かされたけれど、実感がわかなかったと思う。

食べられないから、即、摂食障害?

拒食症という言葉は知っていたと思うけど、我が娘がそんな病気だなんて、受け入れられなかったと思う。

食べられなくなっていたことは分かっていても、拒食症と診断されるとは、思ってもいなかった。

ましてこれが、治るまでに何年も、かかる病気とは、思ってもいなかった。

*メールの文章をそのまま記載しました。

はじめて心療内科を受診するまでの経緯

このブログには、これまでも経緯を書いたことがありますが、改めて整理します。

◆カナダ留学中

ホームステイ時のかくれ食い、無月経、胃潰瘍(?)など体調不良はいろいろありました。

◆帰国

秋の大学院入試を終えたあたりから、食べられない・フラフラする・だるい等の症状で、近所の内科に行き、そこから胃腸科を紹介され、地下鉄で通っていました。

また、近所の内科の指示で、24時間心電図をつけて、徐脈という診断はありました。

無月経も続いていたので、年明けに、婦人科クリニックを受診。

「低体重だから、薬を出せない」と言われ、心療内科の紹介状を渡されました。

この時、「摂食障害だと思う」という言葉があったか無かったのか・・・記憶が曖昧です。

でも、「薬が出せない」ということが、実は良心的・誠実な対応であり、医師として適切な判断だったのですが、、、私には、「せっかく受診したのに、薬をだしてもらえなかった。よく分からない病院に行くように言われてしまった」と怒りにも似た気持ちが沸いていました.

紹介状があるのだから、すぐに受診できるだろうと軽く考えていました。

でも、初診予約はかなり先になることに。
急なキャンセルが出るかもしれないから・・・・という提案で、毎日クリニックに電話をかけ、当初の予約より少しだけ早くに受診することになりました。

拒食症と知っていたけど、「ちがう」と思い続けていた私

私は・・・知っていたのです。。。

元々、心理学はとても興味のある学問でした。
なので、親子関係に関する本は、高校時代からよく読んでいました。

カナダの大学でも心理学を専攻していましたし、中でも健康心理学という授業は取っていました。
その授業の中でも、摂食障害・拒食症・過食症といった言葉は、学んでいました。

生理がないことも。
体重が少ないことも。

分かっていました。

でも・・・

食べたくないのではなく、食べたいのに食べられなかったのです。
だから、自分はちがう!と思っていました。

そして、カナダという言葉も文化もまったく違う環境に身を置いていたので、次元のちがうストレスがあるのだから、生理くらい止まっても仕方ないんじゃない?と思っていました。

それよりも、「なぜか、食べられない」という状態だけを、なんとかしたいと思い、胃腸科に通っていたのです。

自分はちがう、と思い続けていたけれど、生まれてはじめて心療内科に行って、「拒食症」と言われてしまった。。。

ショックというより
「やっぱり」という気持ちでもなく、
衝撃的でもなく
「・・・・」という感じだったように思います。

覚えている限りでは、病名はわかっていたことなので、そこまでの気持ちのリアクションは無かったのです。

それよりも、目の前の医師が、「心療内科」という医師で、心療内科という場所に行ったら、帰り道には気分はすっかり明るくなって、食べられるようになっているんじゃないか・・・という期待がありました。

ですが、実際は、目の前の医師は、ぜんぜんそういった感じでもなく、私はその医師の診察のほうが、ずっとずっと衝撃的だったのです。

母と私の気持ちの共通点:治るまでに何年もかかるの!?

これは、ほんとうに共通しています。
心理学の授業では、摂食障害という言葉は学んでも、「治り方」「回復プロセス」「当事者の声」なんて、1度も学んだことは無かったのですから。

摂食障害なんだ。。。
拒食症なんだ。。。
体重増えないと、入院っていわれちゃった。。。

で???

そんな感じでしたね(笑)。

何がどうなるのか。
何をどうすればいいのか。
何がどうなって、どう変わっていって、どうなった状態で「摂食障害が治った」と言われるのか。

「治った」とは、自分で感じるものなのか、主治医から「治りました」と言われるものなのか。

今の「食べたいのに食べられない」から、どんな道のりをたどって変わっていくのか、そのために今日という日をどうしたらいいのか・・・

漠然とした気分というより、なんだかぼーっとした感じでした。

ぼーっとした感じだった一方で、摂食障害がそれほど長く続くと思っていませんでした。
その証拠に、引っ越し後、どうやって通院するか?を考えたことがありませんでした。

我が家は、その診察から約半年後、引っ越すことが決まっていました。
同じ愛知県内でも、生まれ育った名古屋ではなく、かなり田舎のほうに引っ越したのです。

そこから、最初の心療内科クリニックまで通うとしたら、2時間ちかくかかるのかもしれませんが・・・アクセスを調べることも無く、ただただ、「ぼーっとした感じ」だったのです。

今だから言える!

摂食障害が回復に向かう道のり。
何が、どう変化していくのか?を、くわしく解説しています!