摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害の完治。
ちゃんと説明できますか?
摂食障害の完治という言葉に躍らせれていませんか?
私は、完治したかどうか分かるのは、寿命を迎えた時だと思っています。
詳しく説明します。
■例
摂食障害の発症:15歳
20歳で症状ゼロ
社会生活が安定
約5年、イロイロ治療を続けて、20歳で症状ゼロになったとします
大学も就職も順調なら、安定を確認したら、摂食障害カウンセリングは卒業です。
けれど・・・
女性の平均寿命を約85歳とすると、あと65年あります。
あと65年の人生がどうなるかなんて、誰にも分からないのです。
65年もの長い年月に、何一つ摂食障害の症状が出なければ、
「20歳の時に完治したんだね」と分かります。
でも、「分かった」と言えるのは、残りの65年間を生きた後です。
それが、上記の通り「完治したかどうか分かるのは、寿命を迎えた時」という意味なのです。
それなのに・・・
「摂食障害の完治」という言葉に、振り回されていませんか?
完治する方法
完治させるには
完治する治療法・・・etc.
私は、摂食障害専門カウンセリングとして、完治という言葉は使いません。
代わりに「卒業」と言っています。
回復ゴールを満たし、安定した状態が確認できた時。
それが、「卒業」なのです。
卒業したからと言って、絶対に摂食障害が再発しないとは言い切れません。
現在の私を含め、摂食障害を1度でも発症した人は、全く発症しない人に比べれば、何らかのきかっけで食や体重へのこだわりが再燃するリスクは高いと思っています。
そして、合わない生き方や心身共にムリした状態が続けば、摂食障害に戻ってしまうことは、あり得ると思っています。
だから、私自身もセーブしながら生きているのです。
セーブしながら生きているというと、「やりたいことが出来ないの?」という疑問がわくかもしれません。
決して「やりたいことが出来ない」では無く、身体と心と相談しながら、やりたいことをやっていく、という表現が合っていると思います。
きっと、大病をした経験のある人なら、ある程度はセーブした生活を心がけていると思いますし、それと同じです。
やりたいことのカタチを変えたり
やりたいことの時間帯を変えたり
やりたいことの頻度を減らしたり
やりたいことの量を減らしたり・・・etc.
例えば・・・
私は心理学を活かした仕事につきたかったですが、
スクールカウンセラーというカタチではなく、
現在の摂食障害専門カウンセラーという自営業のカタチに変えました。
ホントは朝から晩まで働いていたいですが、
睡眠時間をできるだけ一定に保つことが、身体へのストレスを減らすことだと考えています。
そのため、仕事の時間帯・頻度を変えたり減らしてりしています。
さらに、性格・クセの1つに「詰め込み過ぎ」の傾向があります。
だから、仕事量を常にチェックして、時には意図的に仕事量を減らしています。
ここでは、カウンセリングという仕事を例にお伝えしました。
遊びでも外出でも休日の過ごし方でも、実際は、いろんなところに取り入れています。
自分で自分の心身に合った状態を作ること。
それが、摂食障害を再発させない生き方だと思うのです。