【拒食症】「太るのがコワイ」「体重が増えるのが怖い」はどうやって治っていくのか?


国家資格・公認心理師を持つ唯一の摂食障害専門カウンセラー
中村綾子です。
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私は20代の頃に拒食と診断されました。

拒食、過食、過食嘔吐を経て、計7年で摂食障害を克服し、現在は摂食障害専門カウンセラーとしてお仕事をしています。

今回はお母様方からよくいただくご質問を取り上げます。

拒食症の気持ちが理解できない・・・というご家族の方は、ぜひ参考にしてください。

拒食症:「太るのがコワイ」「体重が増えるのが怖い」とは?

なぜ、怖いか。

とにかく、怖いのです。

摂食障害の克服経験者として
摂食障害専門カウンセラーとして
最大の説明が「とにかく怖い」に尽きます。。。

「とにかく怖い」をより分解して考えると

・太ると自分が自分でなくなってしまう(気がする)

・太るとどんどん太って巨体になってしまう(気がする)

・すでに自分はすごく太っているのに、これ以上太るなんてムリ(と思ってしまう)

・他にいいところ(長所)が無いから、せめて痩せていないと自分なんて誰からも相手にされなくなってしまう(という思い込み)

こうした「太るのが怖い理由」をあげていけば、キリがないほど書くことはできます。

しかし、その多くは

・気がする
・思ってしまう
・思い込んでいる

ことであって、実際とは異なる場合が多いです(実際の身体はガリガリに痩せているのに、「すごく太っている」と思い込んでいるなど)。

「太るのがコワイ」が治っていくプロセス

では、どうやって「太るのがコワイ」が治っていくのか?

これは、慣れ&諦めです。

順番を勘違いしている方が多いですが、「太るのがコワイ」が解消されてから、食べられるようになるのではなく、体重が増えてからシブシブ「太るのがコワイ」が解消と言うより諦めるしかなくなる、という順番です。

つまり

(1)なんらかで体重が増える

(2)その体重でいることに慣れる・諦めるしかなくなる

(3)太っても仕方がないと思うようになる

という順番です。

こうして(1)~(3)と記載すると、スグに(3)に到達してスグ治るように感じるかもしれませんが・・・

頑として食べない・制限している状態が何年も続いている場合、(1)自体が始まりません。

(2)の諦め・慣れを徹底的に拒否する場合、無茶なダイエットに走り、減量を試みる場合が多いです。

さらに(2)から(3)もスムーズではなく、体重が増えたからこそ自暴自棄になったり、他の症状が激しくなったりすることが多いです。

そのため、(1)~(3)は、専門家のアドバイスを受けながら何年もかけて変わっていくプロセスとお考えいただければと思っています。

よくあるご家族の対応:「太るんじゃなくて健康になるんだよ」はNG言葉!

「太るのがコワイ」という拒食症のお嬢様には、何て言ったらいいか?

とてもよくあるご質問ですが…

ご家族の対応で1番NGなのが

「太るんじゃなくて健康になるんだよ!」

などの正論で説得しようとする言葉です。

ここ大切なことなので、繰り返します。

正論で
説得が
ダメなのです。

ちなみに「太るんじゃなくて健康になるんだよ」はウチの母の言葉です(笑)。

リアルにダメな言葉ですね(笑)。
そういう母は若いころからずっと肥満体型。。。

拒食症の「太るのがコワイ」については、正論で対峙しない・説得しないことが大切です!!!

その代わりに、

・命がキケンな体重なら、入院治療
・命がキケンではない体重なら、家でふつうの食事を用意する(食べるか食べないかは本人次第)

ふつうの食事とは、1日3食。
一人分ずつの盛り付けです。

ちょうど、アニメのサザエさん一家が食卓を囲んだ時に出てくるような食事です。
ご飯+みそ汁+おかず。

それを毎日、拒食症のお嬢様が食べても食べなくても出し続ける。

拒食症のお嬢様が「太るのがコワイ」とどんなに大騒ぎしていても、ご家族がオロオロしないことです。

ぜひ、ご家族こそ摂食障害のただしい知識を身に付けていきましょう!

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