太りたくない願望の娘への声かけは?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

高校受験とストレス
就職活動とストレス・・・

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こうした外部からの影響で
大きなストレスを受けてしまうことは
誰にでもあります。

ですが・・・

そうしたストレスが摂食障害の発症まで
つながるかどうかは、別に要因があるからではないでしょうか?

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

16歳の娘ですが、高校受験のストレスから気分の落ち込み、
食欲減退、人が怖いなどの症状が 突然おきまして、精神科にも通っています。

「自分が好きなものを好きなだけ食べたい」と理想を言っていますが、
実際はカロリーを減らして体重が元にもどってしまうような気がして、とても心配です。
 

娘は太りたくない願望が奥底にあるような気がします。

普通にみんなと同じ食事が取れるようになるには、どのような声かけをしたら良いでしょうか?


*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。

ご質問をありがとうございます。

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1.声かけより、意識です!

2.「太りたくない」の根っこ

3.お母様は、「楽しい」ですか?

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1.声かけより、意識です!

母親カウンセリングでもよくいただくご質問ですが・・・

「どう言ったらいいでしょうか?」
「何て言ったら、娘は食べるようになるのでしょうか?」
「コレ、言ってもいいですか?ダメですか?」

こうしたご質問には、
私は「◯◯と言ったらどうですか?」という
具体的アドバイスをお伝えしないようにしています。

なぜなら、お母様が言葉だけを変えても、
娘さんの心は変わらないからです。

言葉だけを変えていることを、
娘さんは瞬時に見抜いています。

今の言葉だけを変えても、
明日には以前と同じ言葉が来ることも、娘さんは分かっています。

必要なのは、言葉よりもお母様の意識が変わることなんです。

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お母様が心から伝えたいことは、何ですか?
娘さんの心により沿うと、どんな気持ちになりますか?

食べたくても食べられない心
食べようとしても怖くなる心

これは・・・

言いたくても言えない心
言おうとしても躊躇してしまう心理

こんなふうに繋がっているんですよね。。。

それなのに、
「どうしたら食べられるか」ばかり、
注目してしまっていませんか?

お母様が食だけを見てる限り
娘さんの心は変わりません。

お母様が食事以外に目を向けていくと、
娘さんの心も自由になっていきます。

お母様が食事よりも、
心の根っこの問題を考えていくことで、
娘さんの摂食障害が、ホントの意味で改善に向かいます。

今、どちらを選びますか?

2.「太りたくない」の根っこ

「娘は太りたくない願望が奥底にある・・・」と記載していただきましたが・・・

「太りたくない」の根っこにあることは
何でしょうか?

高校受験のストレスで食べられなくなった。
これは事実かもしれません。

でも、受験ストレスを、家族に打ち明けることは出来ていましたか?
受験がはじまる前に、何でも話せる親子関係は築いていましたか?

推測ではありますが・・・
受験だから食べられなくなったのではないと思います。

大抵の場合、受験の前から心の中には
イロイロ悩むことを抱えているのです。

それが、受験という引き金(きっかけ)で
発症したにすぎません。

なので、元々「悩みがあった」のです。

お母様は、そこを大切にとらえているでしょうか?

元々「太りたくない願望」だったのではなく、
元々「悩んでいた」のです。

きっと、こうした順番をホントの意味で理解するには、
時間がかかることと思います。

受け入れ難いと感じるお母様こそ、
こんな言葉が多くなります。

「娘は、楽しそうに学校に行っていたんです」
「いつも先生から褒められていました」
「悩んでいる様子なんて、見たこともありません」

これらは、お母様が見てこられた「一面」でしかありません。
でも、命の根源である食を拒否するほどの
「何か」がなければ、拒食症にはなり得ません。

「太りたくない願望」の根っこ。

今すぐ分からなくてもいいんです。
「分からないこと」を、
分かろうとしていますか?

「見えないものを」
見つけていこうとしていますか?

3.お母様は、「楽しい」ですか?

母娘が鏡のように、お互いを表している場合が、とてもよくあります。

「娘は自信がないんです」
「娘は毎日つまらないと言うんです」
「娘が、なんで生きているんだろう・・・と言うんです」

じゃあ、お母様はいかがでしょうか?

お母様は自信がありますか?
お母様も、毎日がつまらないと感じていますか?
お母様も「なんで生きているんだろう?」と悩んでしまうことはありますか?

きっと、これらの問いに戸惑うはずです。

だからこそ、
娘さんに治ってほしいと願うなら、
お母様自身が「楽しい」を取り戻すことです。

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毎日の食事を楽しく召し上がることは出来ていますか?
毎日の家事をイヤイヤではなく、楽しんで出来ていますか?

お母様に出来ることは、
娘さんを直接治すことではありません。

「生きているって、楽しいことだよ」と
伝えていくことではないでしょうか?