名古屋市・刈谷市
拒食症の母娘が笑顔になるカウンセリング
中村綾子です。
カウンセリング場面でよくある言葉です。
「摂食障害の原因って何?」
「何にも悩みがないのに、過食嘔吐してしまうんです」
「ダイエットしていないのに、食べるのが怖くなるなんて・・・」
こうした「原因をしりたい気持ち」が沸くのは、ふつうの感情ですよね。
何かあったら、「なんで?」と思うのと同じです。
一般的には、「摂食障害の原因探しは不要」という考え方が有力みたいです。
けれど、こうした「なんで?」を無視し続けることで、あなたは納得できますか?
「目先だけの対応」をしていくことが、本当の意味で「摂食障害が治る」ことでしょうか?
摂食障害は、決して、昨日今日に始まったことではありません。
急に食べられなくなっても、1晩で10kgも落ちることはありません。
食べ過ぎても、それが毎日続くことは、「当たり前」ではありません。
だから、本当は、何かがあるんです。
そうした症状が始まるずっと前から。
決して、「コレ」と1つに断定できるものではありません。
〇〇が悪いと、どこかに犯人がいることでもありません。
けれど、いろいろなことが積み重なって、心が限界に達したから、「症状」として表れたんです。
もう無理だよ。
辛すぎだよ。
これ以上イヤだよ。
そんな心のメッセージが、言葉ではなく、「食べること」に出ているのが摂食障害ではないでしょうか?
摂食障害の原因が「全く思いつかない!」という場合、以下の3つのことが考えられます。
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1.原因を見つけるだけのエネルギーが無い
2.原因に気づくことを避けている
3.ホントに何も原因がない
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「1.見つけるだけのエネルギーが無い状態」は、特に拒食の超・低体重の時期に当てはまります。
身体共に、そこまで考える状態にないんですよね。
この場合、回復が始まると同時に、少しずつ分かっていくことと思います。
*私自身は、まさにこのパターンでした。
「2.気づくことを避けている」のは、気持ちにフタをしている状態です。
気づかないほうが、ラク。
そして、気づくことが怖いから、ずっとずっと避けてしまう。
けれど、「気づかない=原因が無い」では、ありません。
この「避けている状態」が続けば続くほど、摂食障害は長期化してしまうかもしれません。
ただし、長年放置してきたことに、気づくことはとてもエネルギーがいることです。
そのため、一時的な症状の悪化というリスクもあります。
「3.ホントに原因がない」ことも、一応リストにいれましたが、私自身は、ちょっと腑に落ちないです。
発症から数か月で治るような、ごくごく軽い摂食障害であれば、「単なるダイエットのやり過ぎ」もあり得るのかもしれません。
・・・
今回は、摂食障害の原因について考えてみました。
原因がすぐには分からないこともあります。
また、分かったところで、解決方法がすぐには見つからないこともあります。
くれぐれも、原因探しだけに全力を注ぐのは、やめていきましょう。
ぼんやりと原因を考えながらも、今できることを1つ1つ見つけていくこと。
それが、「治る」に繋がっていくのです。
揺れ動く気持ちがあってもいい。
だからこそ、寄り添うって大事ではないでしょうか?