摂食障害の家族相談

【拒食症】体重を「受け入れる」べきなのか?

摂食障害の目標体重を設定することは、メリットデメリットの両方があると思っています。

 

私個人の意見としては、「命がキケン&ぜったい入院という体重」の【下限】だけ決めておくことでもいいのでは…と思いますが、主治医の先生次第ですから。

 

拒食症の体重のこだわりについて、いくつものブログ記事を書いてきましたが…

 

治療場面でよく使われる言葉をご紹介します。

 

体重を受け入れましょう

です。

 

しかし、

 

体重を受け入れる方法
体重を受け入れるために必要なこと
体重を受け入れた後の変化

 

などについて教えてくれることは、ほとんどありません。

 

そもそも、体重とは「受け入れるもの」なのでしょうか?

 

私自身の克服経験とカウンセリング経験を併せて考えても、「受け入れたこと」も無ければ、「受け入れたから治った人」にお会いしたこともありません。

 

そこで、今回のブログ記事では、なぜ「受け入れる」という言葉が使われるのか、「受け入れるか否か」を考えずに拒食症を回復させる方法についてお届けします。

拒食症:なぜ、「体重を受け入れましょう」と言われるのか

ひとことで言うなら…

 

経験者じゃないから、です。

 

体重が増えて増えて、怖くてたまらない気持ちも
体重が減ってフラフラするけれど、もっと減らしたい気持ちが沸く感覚も
食べ物を目の前に、じーっと悩んでしまう時間も

 

かなり独特な心理です。

 

独特なので、やはり摂食障害の経験者ではないと、「分からない」ことは多々あるはずです。

 

分からないので、「体重さえ受け入れることができれば回復に向かう」という考え方を持っている治療者が多いようです。

 

経験者であり、摂食障害専門カウンセリング歴10年の私には、「受け入れるとか、受け入れないとか、そういうモノじゃないのに」って思いますが。

拒食症の回復:体重を受け入れるよりも、効果的なこと

治りたいという気持ちがなかなか沸かない方も、沸かない時期もあると思いますが…

 

やはり「治って●●したい」という気持ちが強い方は治りやすい印象です。

 

しかし、もっと回復に効果的で回復に向かうのは、「治らないと生きていけない状況に追い込まれた時」です。

 

これは、前向きな「やりたいこと」よりも、「ヤバイ!」という強い感情が伴うので、効果的です。

 

プライバシーの関係上、これまでのクライアント様の様子を公表できないので、ブログ読者さまには伝わりづらいかもしれませんが…

 

私個人の例でいえば、父が定年退職する時です。

 

我が家は、基本的には

父:サラリーマン
母:専業主婦

として生活してきました。

 

つまり、収入は父の給料のみ。
うちの両親は昔の人ですから、副業とか投資とか、そういうものに一切興味はありませんでした。

 

毎月、給料が入って、その給料で家族4人(父母兄私)が生活する、というパターンでした。

 

でも、父が退職する。。。

 

あ、外からお金が入ってこなくなるんだ…
え?私、どうなるんだろう?

 

(当時)20代なのに、友達はみんな働いているのに、私は家にいるだけ…
え?これからどうなるの?

 

これまで病院に行っても、友達とご飯といっても、(親から)お金をもらっていたけれど…
え?この先どうなるの?

 

もしかして、働けるのは私しかいない!?

 

と思ったのでした。

 

これが「治らないとヤバイ!」とほぼ初めて痛感した時でした。
拒食症の診断から5年ほど経過していました。。。

拒食症:体重だけで、人生はいきていけない

誤解してほしくないですが…

私はカウンセラーとして体重は、【必要】と考えています。

 

ふつうの体力を持ち
ふつうに生理が来て…

 

という身体のためにも、【ふつうの体重】は必要だと考えます。

 

ただし、個人差が大きいですし、心と身体が密接に関係していることを考えれば、「体力と気力」もつながっています。

 

心の回復が進んでいない場合は、気力が沸かないので、「体力だけある」という状態にはなり得ないです。

 

しかし…

 

体重だけ「ふつう」であっても、

 

やりたいことがない
友達がいない
生活リズムが乱れている
仕事が続かない
コミュニケーションが苦手…etc.

 

ということがあれば、これからの「人生」を生きていくのは難しいのではないでしょうか。

 

そもそも、「何のために治るのか、何のために体重が必要なのか」も分からなくなると思います。

 

ですから…

 

体重は必要。
でも、体重だけでは生きていけないので、「やりたいこと」を見つけられる心の回復が超・重要

 

と考えます。

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