摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
お嬢様の摂食障害は、実は、お母さまの変化がお嬢様の回復のカギを握っています。
今回は、摂食障害専門カウンセラーとして多数の母親カウンセリングをおこなってきた経験から、お母さまから始める摂食障害回復の4ステップをご紹介します。
1. お母さまの《心》が変わる
まず大切なのは、お母さまの心の変化です。
・摂食障害の原因への気づき
・娘の心が伝えようとしていることへの理解
・自身のこだわりや世間体への執着に気づく
今、お嬢様の食事量や体重ばかりに振り回されていませんか?
もちろん、命がキケンになるほどの拒食症の状態であれば、食事や体重に目が向いてしまうことも必要なことかもしれません。
しかし、本当に大事なのは、摂食障害(拒食症・過食症)は食事の病気ではなく、「心の病気」である、という理解です。
「心の病気」として表れるまでの年月に、どんなことをお嬢様が伝えたかったのか、どんな時に分かって欲しかったのか、拒食症・過食症という症状を通して、「今、伝えたいこと」は何なのか…
こうした事柄を深く深く掘り下げ、あらゆる角度から検討していくことが、お母様自身が「心と向き合う作業」です。
「心と向き合う作業」は、ちょっと考えたらスグ終わる、というものではありません。
長く苦しい時間であることは間違いありません。
そんな時間から逃げずに向き合い続けることができるか否か、もしかすると、お嬢様から問われていることかもしれません。
2. お母さまの《行動》が変わる
心の変化は自然と行動の変化につながります。
・娘への接し方が自然に分かるように
・特別扱いをやめることへの恐れがなくなる
・夫婦のコミュニケーション改善
心が変わっていない段階で、行動だけを変えようとすると、矛盾が生じます。
感じやすいお嬢様には、お母様の中で沸いている矛盾がすぐに伝わります。
ですから…
「娘に何て言えばいいですか?」というご質問・ご相談を永遠にいただきますが、こうしたご質問を抱く自体、まだ「行動が変わる」段階にきていない、といえます。
3. お嬢様の《心》が変わる
お母さまの変化は、お嬢様の心にも影響を与えます。家の中の空気が変わるからです。
・「摂食障害を治したい」という気持ちの芽生える
・「治ってもいいかな」という前向きな考えが沸く
・休んでもいいかなぁ…と思えるようになる
お母様方から、「カウンセリングで学んだことを娘に言ってもいいですか?言ったほうがいいですか?」というご質問を非常によくいただきます。
カウンセラーとしての答は、「お母様が言いたいですか?言いたいなら、言ってもいいですけど」です。
本当にお母様が変われば、おのずとお嬢様には伝わっていくものです。
そもそも、「学んだことを言わなくては…」と、「自分が娘に教えなくては…」という姿勢こそ要注意です。
優秀で繊細なお嬢様に、わざわざ教えなくても充分ご存知のはずですから。
4. お嬢様の《行動》が変わる
次に、お嬢様の行動にも変化が現れはじめます。
・自分から病院やカウンセリングを探し始める
・過剰な運動や無理な生活習慣をやめる
・言葉での感情表現が増える、NOと言いはじめる
本当の意味では、摂食障害の最中は心も体もツライですし、早く治りたいと思っています。
しかし「治ることの不安」や「変わることの恐怖」が大きく、自分から治りたいと言い出したり動き出したりすることが難しい時間が長いのです。
お母様の変化から、心の氷がすこーーーーーーしずつ溶けていき、「治ってもいいかなぁ…」と恐る恐る一歩を踏み出す…そんなあゆみなのです。
【摂食障害:母親カウンセリング】4ステップのまとめ
お母様の変化からお嬢さまの変化がはじまるまでの4ステップを解説しました。
お母様の心
↓
お母様の行動
↓
お嬢様の心
↓
お嬢様の行動
食事・体重ばかりに目が向いてしまっているお母様こそ、この4ステップをいつも思い出していただければと思っています。
今回のブログ記事では、心と行動の変化がわかりやすいように「4ステップ」としてご紹介しましたが、実際はグラデーションのように変化していきますし、行ったり来たりする方も多くいらっしゃいます。
カンタンには解決できない摂食障害ですが、お母さまの変化が娘の回復への第一歩となります。
時間は待ってくれませんので、1日も早く回復するために、お母様から行動をはじめましょう。手遅れになってからでは、遅いですから。
オンラインですので、世界中どこからでも受講できます。
全国各地にお住まいの方だけではなく、海外(北米・東南アジア)にお住まいの方からもご利用いただいています。