摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
「どうしてまた過食してしまったの?」
「意志が弱いんじゃないの?」
そんなふうに感じていうご家族こそ、知っていただきたい内容です。
実は、過食は「本人の努力不足」ではありません。
やめたくてもやめられない背景には、明確な理由が存在します。
そして、摂食障害専門カウンセラーとして断言できます。
これらを解決・改善すれば過食はゼロになります。
⇒【参照】「過食をゼロにできる」と私が断言する理由: 10年以上のカウンセリング経験から
過食がやめられない理由(1) 栄養が足りていない
過食の大きな要因のひとつが、「体が飢えている」という状態。
普段の食事が、サラダやゼロカロリー食品など量はあるけど栄養が乏しいものばかりになっていないでしょうか?
人の体は、エネルギーだけでなく「栄養バランス」が整って初めて満足します。
ビタミン、ミネラル、脂質、たんぱく質。
これらが不足すると、脳は「何か食べたい」と信号を出し続け、結果的に過食につながるのです。
一見、「たくさん食べている」ように見える人でも、実は「栄養失調状態」ということが少なくありません。
ちなみに私自身は、過食時代、体重は今より多かったです。しかし、ひどい貧血でした。ヘモグロビンではなく、血液内科を専門とする医師のもとで、貯蔵鉄(フェリチン)を検査してはじめてわかったのでした。
過食がやめられない理由(2) 過食症の原因に向き合えていない
過食は、ただの「行動」ではなく、「結果」です。
その背景には、何かしらの感情的なストレスや、過去の出来事が隠れていることもあります。
たとえば…
学校や職場でのプレッシャー
家庭内での人間関係
過去の心の傷やトラウマ
ご家族として「食べることばかり気にしている」と見えても、実は「食べること以外の心の問題」を抱えているはずです。
「なぜ過食してしまうのか?」を一緒に考えていくことが、回復への一歩になります。
過食がやめられない理由(3) 環境が合っていないのに無理をしている
過食が続く人の中には、自分に合わない環境でがんばりすぎている方が少なくありません。
たとえば…
大勢の人との付き合いがしんどいのに、断れずに疲れている
興味のない仕事を「辞めちゃいけない」と思い込んでいる
「やらなきゃ」「がんばらなきゃ」という思考が、心身の負担となって表れるのが、過食という形だったりします。
家族が「甘えじゃないか」と感じることも、実は逆に「がんばりすぎているサイン」かもしれません。
お嬢様が苦しんでいるのに、「また食べたの?」と責めてしまいそうになる…
それはご家族として、つらい思いをしている証拠でもあります。
けれど、
「どうせ治らない」
「何度言っても無駄」
「家族は見守るしかない」
とあきらめる前に、まずは今回の3つの理由を思い出してください。
過食は、正しい回復サポートで「過食衝動そのものが起きなくなる」のですから。
まずはご家族から、その一歩を踏み出してみませんか。
▼ご家族の接し方にも役立つセルフケア