摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
摂食障害を抱えるお嬢様と向き合う中で、ご家族は
「どうすればいいのか分からない」
「私が何を変えればいいの?」
と迷い続けていませんか。
私自身も、かつて娘の立場で過食に苦しんでいた時期があります。
その時、母が「ある決断」をしたことが、劇的な回復につながっていきました。
今回はその実体験を、お母様から変わる4ステップの具体例としてご紹介します。
4ステップを簡単におさらいすると、
(1)母の心の変化
(2)母の行動の変化
(3)娘の心の変化
(4)娘の行動の変化
という4ステップを踏んで、摂食障害を自ら治そうという動きにつながる、という流れです。
では、表面的な接し方ではなく、「母の内面が変わる」とはどういうことか――
それを伝えるための、私の完全休養に至った時期をひとつの例として、この4ステップに当てはめて解説していきます。
ステップ① 母の内面の変化:葛藤から、世間体を手放す
当時の母は、世間体を最重視する考え方でした。
だから、私が小学生の時は不登校は許せない人でしたし、私が就職活動に全敗した時も「就職できないなら結婚しろ」と言ってきた人でした。
母は世間体や常識を信じ、「安定」を求めていたのだと思います。
しかし、私の摂食障害は様々な病院に行っても治ることは無く、就職活動も全滅、体調もどんどん悪くなっていく私を見て、
母はこう思ったそうです。
「これまでもイロイロやってきた。でも何も上手くいかなかった。だから、一旦すべてをやめてみよう。」
それはあきらめではなく、一旦リセットという英断でした。
ここが、すべての始まりだったと思います。
ステップ② 母の行動の変化:言葉がかわる
母はある日、私にこう言いました。
「何もしないで、しばらく家にいたら」
母の心が、吹っ切れてくれたからこそ、自然に湧き出た言葉でした。
世間体じゃない
常識じゃない
母の心から湧き上がった言葉で、私は生まれて初めて「心が休める」という経験をしました。
当時、私は20代で過食の真っ最中でした。
治らないまま就職しようとしても、採用されず、全身不調もあって通院も増えていた時期でした。
そんな生活の中で、母からもらった言葉は、私の生活を変えてくれました。
ステップ③ 私の心:はじめて心が解放されました
それまでの私は、休学しても全然休めませんでした。
休学しても「学校に行っていない自分」を責め続け、「何もなくなってしまった…」と思い続けていました。
実際、休学中に摂食障害が回復するどころか、ますます悪化していきました。
(注意:休学がダメなのではなく、休学しても《心の休養》に繋がらなかったことが悪化の理由です)
上記の母の言葉で、私は、生まれて初めて心が休めるようになりました。
20代後半の私に「何もしないで家にいる」ことが許されたのは、とても大きな意味がありました。
普通に働けなくてもいい。
普通の20代が出来なくてもいい。
普通の子じゃなくても、それでいい。
そんな、どうしようもない自分だけれど、「家に居てもいい」と受け入れてくれた。
そう感じたのです。
誰からも責められず、ただ家で過ごす。
それだけの時間が、こんなにも自由で、あたたかくて、《自分》を取り戻すものだとは思ってもいませんでした。
ステップ④私の行動:過食が無くなり、「働きたい」意欲が沸く
完全休養の間、過食が《不要》になりました。
過食を辞めようと頑張っていた時は、無理やりガマンしていたこともありますが、この時期は全く異なりました。
心が休めていたから、過食が《不要》になったのです。
「何もしないで家にいる」ということが許されると、私の中で《安心感》が芽生えました。
すると、何かやりたいという自分の内側からエネルギーが沸いてくるのを感じました。
「就職できないなら、自分で仕事をつくろう」と思い立ち、半年後には教室兼一人暮らしのアパートを借りて、パン教室をオープンしました。
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私がお伝えしたいのは、母の自身が葛藤を乗り越えて、母の内面が変わったからこそ、私は休むことができ、回復に向かえたということです
摂食障害だから病院に行く、20代だから働けなければいけない、という《常識》を一旦リセットしてこそ、本当に「今、必要なこと」が見えてくるのではないでしょうか。
お母様の変化こそ、お嬢様の摂食障害の回復につながる
摂食障害の回復には、お嬢様への接し方を考えるだけではなく、お母様自身の「在り方」「考え方」を整えることも大切です。
それは、お嬢様の摂食障害を直接治してあげることではなく、上記の4ステップを経て、お母様から徐々に変わっていくのです。
その結果として、お嬢様が自らの意志で、「治りたい」「ふつうに食べられるようになりたい」「ちゃんと仕事したい」と動き出すのです。
こうした自らの動きこそ、摂食障害のほんとうの回復ではないでしょうか。
だからこそ、私は摂食障害専門カウンセラーとして、お母様のためのカウンセリングを提供しています。
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