
*「どうして治そうとしないの?」と思えることばかりでは。
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
克服して10数年も経過していますが、やっぱり摂食障害時代のことは結構リアルに覚えています。
受けた治療も
通っていた病院のことも
そして当時の気持ちも。
覚えているからこそ、カウンセリングでは今悩んでいる方に共感できますし、今回のような「当時の気持ち」をブログ記事でお届けすることもできるのです。
今回は克服経験者である私も、摂食障害の頃はやっぱり痩せにしがみついていて、痩せることが生きがいだったというお話です。
痩せることが生きがいになる時
わかるなぁって感じがするんですよ。
私も過去に拒食症だった人間ですから、
その時の感覚というか、想いというか。
考え方というか…
そういうものって結構リアルに残ってますね。
同時に懐かしいと言う感覚が湧きますが。
痩せることが生きがいっていうのは、やはり数字への執着であり、それ以外に自分が自分に価値を見出せない時なんですよね。
以前ブログでも、私が、拒食症で病院への通院を始めた後にどんどん体重が減って、自己最低体重を記録したと言うことをお伝えしました。
それは拒食症で病院に通院しても、
毎回毎回毎回毎回、体重測定ばっかりやってるから、体重への執着がすごく刺激されたんですね。

*「体重がふれば、治るの?」と思いつつも、通院をダラダラ続けてしまいました。
さらに私の場合はですが、自分でなんでここに存在するんだろうっていう気持ちがすごい強かったです。
当時カナダ留学を終えて日本に帰国したばかりですが、本来だったら進学が決まった大学院に向けて入学前に、ワクワクしてるはずだったんです。
しかし、家の中はドタバタすぎて、誰も私のことをかまってくれない…
かまってくれないどころか、「ずっとカナダに1人でやってきたんだから、何でもやれるでしょ!」みたいに家族から思われていたと後から聞かされましたけれど。
急に、実家まるごと引っ越しというものがあり、急に大家族で一緒に住むことになり、現実が受け入れられない状況だったんですよね。
▼叔父(母の弟)が障碍者だったので、母がお世話をするということで、同居に…

*引っ越し時は、兄の結婚直前でした。子ども(私の甥)は数年後に誕生
だからこそ、
なんで自分でここで存在してるんだろう。
そんな自分の【存在価値への疑問】や【居場所の無さ】が、心の拠り所を求めて、痩せること、体重の数字を減らすことに執着していたと思っています。
上記は私の個人的な話でしたが、一般的にもこれはかなり言えます。
食べられないのは、心のSOS
環境が大きく変わるのはいけないと言うわけではないですが…
ある日突然、お嬢様の意思とは違うところで、急に環境が変わってしまったり、
受け入れがたい事実に直面したり、
そういう時に、「ちょっと待って!」と言う心のSOSなんですよね。
「ちょっと待って!」と言う心のSOSで、立ち止まりたいから発信しているのに、周りがそのSOSに気づいていなかったり、表面上は問題なくニコニコ過ごしていたりすることで、心のほうに目がむかない…ということは、とてもよくあるのではないでしょうか。
お嬢様が、心のSOSを発信しているにもかかわらず、周りの人が急に病院に連れて行って、寄ってたかって「体重!体重!体重!体重!」と言ってしまうとますます心のSOSが見えづらくなってしまいます。
心がツライ状況のお嬢様も、どこにいっても体重の話ばかりされて、心の話を聴いてくれないから、体重に執着するしかないという状況に陥るのではないでしょうか。
……
痩せることが生きがいになった状態から抜け出すにはどうするべきか?
こうした時に、「じゃあ、心の問題なのだから、心から治さないと…」と思ってしまいがちですが、実は身体の回復を優先するべきです。
時には嫌でも強制的な栄養摂取を受けるとか、「心の治療を早くはじめたいから、とにかく食べる」というように、お嬢様自身がふっきれて食べ始めるとか。
身体の回復を優先するべき理由は、身体という枠組みがあってこその心だからです。
一般的な人でも、極端にお腹が空いていたら、極端な不足であったり、疲れが溜まっていれば、フツーに頭で考えることができないのです。
拒食症の状態というのは何年にもわたり、体が【飢餓状態】のはずです。
ですから、体飢餓状態中で、考え方や心の状態を回復させようとしても、それは無理な話です。
改めてこちらの【回復する順番】見直してみてくださいね。
【図解】しました↓↓↓
▼拒食症の原因を考えたい方へ