摂食障害の家族相談

摂食障害でも困ってない?その裏にある「家族の経済力」の真実


摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。

 

「家族のゆくえは金しだい」

 

まだ読み始めたばっかりの本ですが、1日も早くシェアしたくてこの記事を書いています。

 

ここまでお金の事についてはっきりときっぱりと言い切ってくれるカウンセラーでなかなかいらっしゃらないんじゃないかなと思いつつ、私がこれまで考えてきたことがクリアに説明されていることに快感すら感じました。

 

まだ冒頭部分のところを読んだだけですが、ちょっとだけ引用させていただきます。

………

親が一定程度の経済力をもち子どもをその恩恵にあずからせたから、依存症になったと言える

親の経済力が原因と言っているわけではないが、必要条件であることは間違いない。私たち援助者は、お金を出し続ける親のことをイネーブラー(enabler)と呼び、依存症の助長者と捉えたのである。

………

これを読むと、摂食障害って、依存症なの?という疑問が沸くでしょうし、お金の問題というと過食代だけを思いつくかもしれません。

 

まず、摂食障害も食行動に依存している状態と考えるため、依存症とあまり変わりがないと考えています。

 

ここで言うお金は、過食がエスカレートして高額になって困ると言う声もありますから、過食代も該当します。

 

⇒【動画】過食代:家族はどこまで負担するのか

 

しかし、過食だけではなく、拒食症でもこだわりの食品で食費が高額になっていったり、入院や退院を繰り返してことで、医療費がかさんだり、また学校が続かなくなって転校したり…

 

様々な治療費やそれらにまつわるお金で、出費は増え続けているのではないでしょうか。

 

摂食障害でも、こまっていない現実

 

私は、摂食障害専門カウンセラーとして、お母様のカウンセリングを中心に行っていますが…

 

よくお伝えすることがあります。

 

「摂食障害でも、お嬢様は困っていないんですよ。」

 

私の言葉にお母様方はそれぞれ様々な反応をされますね。

 

すぐに抵抗を示す方
ポカーンとする方
あーわかる…といった表情になる方…

 

「こんなに病院に行ってても、娘が困っていないと言うんですか」

 

と言った【驚き】とも【反発】とも取れるような発言をされる方もいらっしゃいますが…

 

確かに、入院治療などで体重を増やされる治療は苦痛を伴うものでしょうが、お嬢様自身が入院費用の支払いに苦慮する事は無いですよね。多くの場合。

 

入院中にあれが欲しいと言えば、買って持ってきてくれる家族がいて、
外出許可が出れば、迎えに来てくれる家族がいて、
退院が決まれば、その打ち合わせのために主治医と面談してくれる家族がいて
もちろん、入院費用の会計を心配することもない

 

といった【お金の心配】がないままです。

 

入院して退院して、そしてやっぱり退院しても、家の中でうまくいかなくて、また入院するかしないかで揉めることはあっても、そこにお金と言うキーワードはあまり出てこないことが多いようです。

 

【拒食症の経験談】入院しても、「治そう」と本気になれなかった理由はお金でした…

これは、過去に拒食症で入院経験のある、私自身のことを振り返っても当てはまるように思います。

 

1ヵ月入院がとても高額だったと話を繰り返し書いていますが(参照記事)、

 

ある意味、その金額をスルーしてきました。

 

理由は、私の財布から高額な入院費を払ったわけでは無いからです。

 

本当にそこが1番の理由だと思います。

 

もし、アラフォーの今、同じ金額を自分で支払わなければならなかったら、二度と入院しない方法を必死で考えるはずです。

 

体重増やすためだけの治療に苦痛を伴いながら入院生活を送った上で、支払いたい金額ではないからです。

 

だからこそ、二度と入院しないために、どうすればいいかを必死で検索したり調べたり、人に聞いたりするはずなのです。

 

でも、20代で拒食症だったときには、そんな事は大して考えませんでしたし、退院した後も大して改善はしていませんでした。

 

なぜなら、お金に困っていなかったからです。

 

先日のYouTubeで、私が治そうと思ったきっかけについて取り上げました。これもこの本の話と重なるんです。

 

私が治そうと思ったきっかけは、我が家のお金がピンチになる…と言うタイミングだったからです

 

「どうしてうちの娘の摂食障害は治らないの?」というお母様へ

今、お嬢様の摂食障害がどうして治らないんだろう、どうやったら治るんだろうと、頭を悩ませてるお母さまも多いかもしれません。

 

しかし、この本でも示唆されている通り、ご家族の経済力が摂食障害を続けるための必要条件になっていないでしょうか。

 

大切なのは、生活に困るほどの困窮状態だから、お金を出せないではなく、お金はあるけど出さないというブレない軸を持った接し方ではないでしょうか?

 

心を鬼すると言う表現がありますが、私は鬼ではなく、

 

【深い愛情】

【本物の愛情】

 

といった愛があるからこそ毅然とした態度で「(お金は)あるけど出さない」と一貫性を持った接し方ができるものだと思います。

 

今、お母様の接し方にぶれない軸はありますか?

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北米や東南アジアなど、海外在住の方からもお申込みをいただいています。

 

大切なのは、「このままではいけない」という気持ちから、お母様が一歩を踏み出すことです。

 

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