拒食・過食の治し方

【過食症】なぜ、菓子パンを食べ始めると止まらないのか?

辞めたいのに辞められない。

*家族が不在の時こそ、過食が起こりやすい

摂食障害専門カウンセリング・中村綾子です。

過食してしまった後、「また食べてしまった」「私の意志が弱いからだ」と、自分を責めて泣いていませんか?

今日は、そんなあなたに少し「実験的な質問」をさせてください。

菓子パンやポテトチップスなら、お腹がいっぱいでも5個、10個と食べ続けられるかもしれません。

では、「焼き魚定食」ならどうでしょう?

ご飯
味噌汁
焼き魚
漬物。

これを「10人前食べてください」と言われて、食べられるでしょうか?

おそらく、どんなに大食いの人でも、過食衝動がある時でも、「焼き魚定食10人前」は無理だと思います。
実はここに、過食を治すための「最大のヒント*が隠されているのです。

なぜ「定食」なら止まるのか?

菓子パンは止まらないのに、焼き魚なら自然と「ごちそうさま」ができる。
この違いは、あなたの意志の強さとは全く関係ありません。

「脳の反応」と「物理的なブレーキ」の違いです。

1. 脳をバグらせない

菓子パンやスナック菓子は、「糖質×脂質」の比率が、脳に強烈な快楽(ドーパミン)を与えるように人工的に計算されています。

一口食べた瞬間、理性が吹き飛び「もっと快楽をくれ!」と脳が暴走モードに入ります。

一方、焼き魚や自然な食材には、この罠がありません。脳は暴走せず、「あ、美味しい。もう十分」という正常な満腹サインを受け取ることができます。

2. 物理的なブレーキ(咀嚼)

魚は骨を取り、身をほぐし、よく噛んで食べる必要があります。

この「面倒くささ」と「噛むリズム」が、過食のスピードを物理的に落とし、脳に満足感を与える時間を稼いでくれるのです。

今、求めているのは「食事」?それとも「快楽」?

厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、過食のスイッチが入っている時、脳が求めているのは、体のための「栄養」ではありません。
不安やストレスを麻痺させるための**「強い快楽物質(ドーパミン源)」**を求めてしまっているのです。

だから、意志の力で止めようとするのは、薬の禁断症状を気合で抑えようとするのと同じくらい、難しくて苦しいことなのです。

脳を安心させる「食べ物」を入れよう

では、どうすればいいのでしょうか?

意志を強くする必要はありません。「脳をバグらせない食材」を味方につければいいのです。

おすすめは「タンパク質(魚、肉、豆、卵)」です。

タンパク質が胃腸に入ると、強力な「満腹ホルモン」が分泌されます。「焼き魚定食」が止まるのは、このホルモンのおかげでもあります。

「食べたい」という衝動が来たら、お菓子に手を伸ばす前に、

* 豆腐や納豆を食べる
* ゆで卵を食べる
* サバ缶やイワシ缶を開ける

そうやって「脳を落ち着かせる材料」を先に入れてみてください。不思議と「もういいかな」と思える瞬間がやってきます。

【過食対策】今日から《食べ方》を変えやめよう

過食してしまうのは、あなたがダメな人間だからではありません。
脳のシステムが、一時的に誤作動を起こしているだけです。

「定食なら10人前は食べられない」。

ほとんどの人の体には、ちゃんと「止まる機能」が備わっています。
その機能を信じて、少しずつ「心と脳を満たす食事」を取り戻していきましょう。

食べ方を見直したい方はこちらの動画をご覧ください
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