摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
私のカウンセリングにお越しになっているのは、9割以上がお母様だけの「母親カウンセリング」です。
その母親カウンセリングでは、よくこんな声をいただきます。
・・・・
摂食障害なのは娘なのに、どうして母親が変わらないといけないんですか?
母親が変わることで、どうやって娘の回復につながるんですか?
そもそも、「親が変わる」って何をどうすることですか?
・・・
変わろうと思って、わざわざカウンセリングにお越しになっている方でも、こうした質問をいただくのですから。
まだまだ動き始めていない方にとっては、分からないことだらけかもしれません。
摂食障害についての考え方は、治療者によって様々です。
少なくとも私が考える回復のパターンですが、以下の2パターンを考えています。
・・・・
(1)お母様から変化が始まるパターン
(2)摂食障害のご本人から変化が始まるパターン
・・・・
お母様自身から、いろんな本やブログを検索して読み漁っている場合は、ほぼ間違いなく「(1)お母様から変化が始まるパターン」です。
つまり、このブログ・メルマガをお母様が読んでいる時点で(1)です。
なぜなら・・・
行動しているということは、お母様自身の中に、すでに問題意識がある、ということだからです。
何かを変えなくてはいけない
自分が変わらないといけない
ちゃんと理解したい
そんな意欲があるからこそ、積極的に調べる・検索する、という行動が始まっているのです。
(1)お母様から変化が始まるパターン
お母様の価値観が変わる
↓
これまでのこだわり・苦しさに気づく
↓
お母様の心が自由になる
↓
お母様の行動が変わる
↓
家の中の空気が変わる
↓
摂食障害のお嬢様に伝わっていく
↓
摂食障害のお嬢様の心の変化が始まる
↓
摂食障害のお嬢様の行動の変化が始まる
母親カウンセリングにお越しになる方の年齢層は、40代~60代です。
お母様の「価値観を変える」とは、40年~60年抱き続けてきたモノを180度変える、ということです。
だから、長期戦です。そして簡単なことではありません。
お母様自身が、カウンセリングを通して、自身の価値観と対峙し、時にもがき苦しむような葛藤を経て、これまでの価値観から新しい価値観に「上書き」していくプロセスなのです。
さらに、上記には「摂食障害のお嬢様の行動の変化が始まる」と記載しました。
変化の始まったからといって、明日すべてが治っているわけではありません。変化の始まりから、摂食障害の卒業まで、どれくらいの時間が必要なのか、冷静に考えていますか?
(2)摂食障害のご本人から変化が始まるパターン
これは、上記の終盤の2つと同じです。
摂食障害のご本人の心の変化が始まる
↓
摂食障害のご本人の行動の変化が始まる
これだけ見ると、カンタンそうに見えるかと思います。
お母様方からは、
「そっちのほうが早そう」
「親が変わるよりイイんじゃないの?」
「やっぱり、本人が変わらないと!」
という声も聞こえてきそうですが。
実際は、【相当大変】です。
いろんな条件がそろっていることが必要だと考えます。
・発症から1~2年以内
・治りたいという「やる気」
・治療のための経済的安定
・家族以外の心の支えになる人の存在
・社会生活の安定・・・etc,
学生の方であれば、「経済的安定」だけはご両親頼み、という場合も含まれます。
ご両親が積極的に治療に関わることも無いけれど、治療を受けることには賛成、という程度の理解だけはあるという意味でもあります。
つまり、
摂食障害の発症からあまり時間が経っておらず、
学校・仕事も上手くいっていて
友人関係も良好で
友人・彼氏・旦那様に摂食障害を含めた相談が出来て
「治りたい!」というやる気満々の方。
これが、(2)のパターンで治っていく方の典型です。
摂食障害専門カウンセリングにお越しになっている方の中にも、これまでの卒業クライアント様の中にも、(2)のパターンで治っていかれる方は、確かにいらっしゃいます。
しかし、ご本人のチカラだけで回復していくことは、相当むつかしいことだとお考えください。
発症年齢が幼ければ幼いほど、摂食障害の回復には、ご家族のサポートが必要です。
摂食障害だと分かりつつも、休めない状況が続いていれば、回復はむつかしく、より長い時間が必要になります。
・・・
今回は2つのパターンについてお伝えしてきましたが、
結局は、誰からでもイイのです。
誰が1番最初に変わるかは問題ではありません。
誰でもイイので、「変わり始めること」が1番大事なのです。
変わり始めるために、今ブログを読んでいるあなた自身から行動を始めてみてください。
まずは、動画で学んでいただくことをオススメしています。
【動画】摂食障害:接し方