摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
拒食で入院。
よくある話かと思います。
大抵、入院した後、びっくり。衝撃的。
精神科って、こういうところなんだ・・・
自分って、こういう人たちと同じなんだ・・・。
そんなショックを、私は今も鮮明に覚えています。
そして、1番疑問だったのは、「退院する時には、今怖くて食べられないものが、食べられるようになっているのかなぁ?」でした。
「食べられない今」と
「食べられるようになる時」。
その2つの時期は、どんなふうに繋がっていて、
どんな変化があって、「食べられるようになる時」を迎えるのか???
全然、予想もできませんでした。
理由は、入院しても「食べさせられる」ことと、体重が増えるかどうか、だけだったからです。
そして、体重だけが増えて「ハイ、退院」。
心の変化はゼロ。
心の変化はゼロどころか、退院してから、過食開始。
過食開始の後、過食嘔吐も開始。
拒食の入院って、すくなくとも私の場合は、何の意味があったんだろう・・・と今も疑問です。
そして今、同じように疑問や不安を抱えながら、とりあえず通院・入院を続けている方も大勢いらっしゃることと思います。
疑問・不安があってもいいのですが、
それらを、主治医の先生に、ストレートに聞くことが出来ていますか?
食べられないものが、
食べられるようになるまでの道のり。
拒食・過食が回復していくまでの道のり。
こうした道のりが分からないから、
迷路の中をさまよってしまう感覚に陥ってしまうのです。
・・・
冒頭の写真は、私のお気に入りカフェ。
3回目の来店です^^
インスタ映えすぎない、
バランスのいい美味しさ。
美味しいけれど、
摂食障害の頃なら、ぜったい食べなかっただろうなぁ~と思います。
マヨネーズ、無理!
白いパン、無理!
卵は、一体何個使ってあるの?
そんな気持ちばかりで、注文できるものが何もなかっただろうなぁと思います。
今では、直後に甘いココアをたっぷりと(笑)。
美味しかったです^^
食べられなかったものが食べられるようになるまで、たくさんの年月がかかりました。
でも、変化した理由・場面を挙げてみます。
「生きていてもいいかな」と思えた時、食べてもいいかもしれない、と思えた。
きっと、摂食障害を経験したことがない人なら、
「そんな、大げさな・・・」と思うかもしれません。
でも、摂食障害を発症した人なら、きっと似たいような想いをいだいていること思います。
なんで、自分は生きているんだろう?
どうして生きていかないといけないんだろう?
明日も明後日も、毎日毎日苦しいばかりなのに、どうして生まれてきたんだろう?
自分の「生」に対する疑問。
それが不安定になる時。
食べる、という当たり前すぎることが、
上手くいかなくなります。
これは決して、拒食だけではなく、詰め込むように食べ続けてしまう過食も、吐くために食べる過食嘔吐も同じです。
食べることは
生きること。
だから、
生きていてもいいかなぁ・・・と思えた時、
自分という人間でも「食べる」っていうことをやってもいいかもしれない、と思えたのです。
過食で莫大なカロリーを食べているんだから、普段カロリー制限することがムダと気づいた時
レコーディングダイエットのように、
毎日食べたものをキッチリ記録していた時期があります。
そして、毎日毎日カロリー計算。
でも、過食すると、「1日」の枠に書ききれないほどの量を食べてしまう。
だから、制限しても、カロリー計算しても、ドン!と大量に食べてしまうのだから、意味ないかも・・・。
そう思うことは、自暴自棄とも少し違っていて、いい意味での諦めが出てきた時期のように思います。
食べれたり、食べれなかったりを繰り返した後の変化
一旦、許せるようになった食べ物が、
再び食べられなくなること。
何度も何度も経験しています。
気持ちにも波があるように、
食べる事にも必ず波があります。
きっと、何度も何度も食べられたり食べられなくなったりを繰り返しながら、すこーーしずつ「まともな食生活」につながっていったのだと思います。
波があるのは、当然のこと。
経験者としても、カウンセラーとしても、それが分かっています。
回復がめざましいクライアント様にこそ、必ずお伝えする言葉があります。
「出来ない時があっても、それでいいからね!」
カウンセリングで話すことが、
「いい報告」ばかりなんて、あり得ない。
カウンセラーに褒められることだけをモチベーションにするのではなく、
上手く行く時も、上手くいかない時も、「さらけ出せる自分」を作っていってほしい。
カウンセリングでは、
「ダメな自分」「嫌な自分」も出していい、と思える場所でありたい。
カウンセラーとして働く今の私は、本当に心から、
そう願っています。
・・・
回復の道のり。
入院しても、
体重が回復しても、
ある程度、フツーの食生活になっても、
その先、どう回復していくのか、だれも教えてくれないかもしれません。
だからこそ、太った自分が嫌でたまらなかった時期も、赤裸々に書いているのです。
同時に、今の私のコンビニ生活も(笑)。