*UVicキャンパスにて
摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害の回復と仕事。
これらを、バラバラに考えてしまう人が多いです。
実際、病院での治療は、やっぱり症状がメインです。
症状がある・なし、
体重が何kg。
これらに注目しがちですが、、、注目し過ぎるとより一層上手くいかないです。
さらに、症状が無くなることだけをゴールにしてしまうと、「治っただけの人」になってしまいます。
摂食障害の症状がゼロになっても、「タダの人」です。
もっともっと大事なのは、その先の人生を「どう生きていくか?」ではないでしょうか?
だから、このブログでもカウンセリングでも「生き方」を何よりも大切にしています。
私のカナダ旅を振り返りながら、治ることと・働くことについて考えてみます。
今回、深く深く思ったこと。
それは・・・
摂食障害が治ったから、カナダに来れた。
カウンセラーに戻ったから、カナダに戻って来れた。
です。
カナダでスクールカウンセラーになることを夢見て、単身留学を開始した17歳の時。「カナダの大学で心理学を学ぶこと」が、漠然とした夢であり目標でした。
実際、第一志望のビクトリア大学に進んで、心理学を専攻して、将来はカウンセラーになるんだ・・・という想いは確固たるものになっていきました。
「治っただけ」では、カナダに行くことは出来なかった理由
*思い出の図書館^^
パン教室時代(前職)、カナダに行こうと思ったことは1度もありませんでした。
もちろん、体調が安定していなかったということも理由の1つですが・・・
1番大きな理由は、
心理学とは全く関係のない仕事についていたから です。
心理学が大好きだった自分。
心理学で生きていくんだと言っていた自分。
カウンセラーになることを応援してくれた大学時代の先生たち。
そんな過去の自分も、応援者たちも、裏切っているような生き方。。。
後ろめたさが、とても大きくのしかかっていました。
だから、その後どんなに体調が安定しても、「治っただけ」では、カナダに行くことは出来なかったと思っています。
カウンセラーに戻ったから、カナダに行くことが出来た理由
これは本当に大きいです。
当初目指していたスクールカウンセラーとはカタチを変えましたが、カウンセラーという仕事に戻ってこれたことはとても大きな意味があります。
必死に勉強していた留学時代の自分にも
思い出がいっぱいつまった大学のキャンパスにも、
懐かしい街並みにも
「ただいまーーー!!!」
そんな気持ちがこみ上げてきました。
あの時、心理学にハマって本当によかった。
留学時代、カウンセラーになるんだと思い続けてよかった。
大好きな町で、大学に行けれてよかった。
大学のキャンパスに足を踏み入れた時、次々と当時の想いや感謝が沸いてきました。
実際には、大学内で特に誰とも話すことはありませんでした。
でも、「場所」と「今の私」の再会。
「場所」に「今の私」が、挨拶するように。
「場所」に「今の私」が、「カウンセラーとして働いているよ」と報告するように。
「場所」に「今の私」が、ここで過ごさせてくれてありがとう、と感謝を伝えるように。
ただ、それだけが嬉しかったです。
今、摂食障害で「仕事なんて出来ない」と思っているあなたへ
*これもキャンパス内の1枚。
摂食障害のはげしい症状が治まった後、実はもっともっと悩んでいませんか?
はげしい症状が治まって、
体型もふつうになって、
外からは元気そうに見えてしまう。。。
でも、
気力が沸かない。
働くのが怖い。
実は、摂食障害の1番ツライ時期とは、「症状が治まった後、現実的な問題にぶつかった時」なのです。
心が落ち着いたからといって、自然に「合う仕事」に出会えるわけではありません。
心が落ち着いても、嫌なことには必ず遭遇します。
心が元気でも、「仕事」をはじめてみない限り、ホントに元気になったと言えるかどうかは分かりません。
これが、当オフィスがお伝えする摂食障害の回復ゴールの1つ。
「安定した社会生活が、半年以上続くこと」
を挙げている理由です。
仕事、小さく始めましょう。
いきなり、正社員ではなく、
いきなり、「スゴイ!」と言われる仕事でもなく。
もしかしたら、プライドが傷つくような簡単なアルバイトかもしれません。
もしかしたら、給料と言えないほどの少額の収入にしかならないかもしれません。
でも、摂食障害の回復は一歩一歩なのです。
今の仕事を生涯続ける必要なんて無いのですから。
一歩進んで、
症状が出ない事を確認して、
また次に一歩を踏み出す。
タイミングもペースも、
専門家と話し合いながら、確実な道を選んでください。
私は、そんな仕事への相談こそ、摂食障害の最大のサポートだと思っています。くわしくはこちら。