摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
家にいるから、過食嘔吐してしまう。
過食嘔吐するのは、家でイライラするせい。
・・・だから、一人暮らしでストレスなく暮らしたい!!!
そんな言い分に、ご家族の心が揺れ動いていませんか?
決断する前に、どうか冷静に考えてみてください。
摂食障害とは病気です。
どんな病気でも、病気真っ最中の状態で、一人暮らしを開始するひとがいるでしょうか?
私は、摂食障害の最中の一人暮らしは、基本的には反対です。
私の失敗談も含めて、「過食嘔吐の一人暮らし」についてかんがえていきます。
過食嘔吐の一人暮らしは、リスクが大きい
過食嘔吐は、わざわざ沢山食べて、わざわざ意図的に嘔吐する行為です。
だから、身体へのダメージがとても大きいです。
一人暮らしになってしまうと、もし、倒れてしまっても誰も気づいてくれる人がいません。
だから、過食嘔吐の一人暮らしはとてもキケンなのです!
さらに、過食したい!という衝動に、ブレーキをかけてくれる人が誰もいません。
これも、衝動的な行動が激しい場合、とてもキケンです!
私自身は・・・
摂食障害の最中、一人暮らしをしていた時期があります。
でも、失敗だったと心底思っています。
ある日・・・過食に走った帰り道、交通事故に遭いました。
実家住まいの頃から、過食衝動は夜(または早朝)に多くありました。
過食そのものは、両親はまったく反対しませんでしたし、過食して怒られることもありませんでした。
ですが、「外が暗くなってから、買いに行くのはダメ」でした。
これは、母からかなりかなり厳しく言われ続けていました。
そのルールを無視して、過食衝動に駆られてコンビニに走ったこともあります。
その度に怒られ、バトルがあり、「外が暗くなってから、買いに行くのはダメ」と繰り返し言われ続けていました。
なので・・・ある程度は、実家暮らしの最中は、「夜に買いにいけれない・行かない」が出来ていました。
けれど、一人暮らしを始めた途端、だれもそんなルールを言う人も見ている人もいないのです。
だから、超・早朝、真っ暗の中、自転車を走らせてコンビニに行ってしまいました。。。。
一人暮らししていた地域は、かなり田舎でした。
田舎なので、街頭もまばら。
良く見えない中、すごい勢いで自転車を走らせ・・・ガッシャーン。。。
自転車ごと、倒れたのでした。。。
そのまま救急車で運ばれたのです。
命に別状はない程度でしたが、自転車のカゴが割れ、手のひらは肉が見えるほどケガをしました。
さらに顔にもアザが出来ました。。。
「過食しようなんて、悪いことしたから、バチが当たったんだ・・・」
病院のベッドで、自分でこう言ったのを覚えています。
荷物として、ベッド脇に置かれていたコンビニの袋は、過食衝動のまま買ったたくさんの食べ物が入っていました。
完全に溶け切ったアイスクリーム。
ぶよぶよになったカップを外から触っていました。
何やっているんだろう。。。
ぜんぶ、ムダ。
ぜんぶ、病院の人たちに見られたかもしれない。
なんて、思われたんだろう。。。
すごーく恥ずかしいような悲しいような、やりきれない気持ちになりました。
でも、しばらく経つと、やっぱり過食の生活に戻ってしまうのでした。
一人暮らしより、週末ホテル暮らし
これは、当時の主治医からの提案でした。
仮に、ホテルを1泊1万円とする。
週1回なら、月4万円。
それなら一人暮らしをするより、安い。
これは、いいアイデアだと思いました。
当時、何回かホテル泊まりをしていました。
私は、現在のカウンセリングでも、どうしても一人暮らししたい!という方には、とりあえずホテルに泊まってみる、ということをオススメしています。
実家から離れること。
実家以外の場所で、どんな気持ちになるか、じっくり観察すること。
でも、忘れないでいてください。
私は、家以外の場所のトイレを使って、嘔吐することは良くないと思っています。
外では過食嘔吐しない。
これを守れるかどうか、自問自答してからホテル泊まりを検討してみてくださいね。
https://m-d-counseling.com/3pre/
摂食障害は家族で抱える問題だからこそ、一緒に暮らしながら治そう
摂食障害とは、心の病気です。
家族の問題として捉える、心の病気です。
摂食障害は、何世代にも渡って、ムリや我慢を重ねてきたご家族に多くみられます。
他のご家族メンバーは発症しなかったかもしれませんが、1番弱い立場で1番家族想いの子が、摂食障害を発症するケースが多いと言われています。
だから、摂食障害のお嬢様ひとりの問題ではありません。
家族で抱えるとは、家族で向き合うこと。
家族で向き合うとは、文字通り向き合って話すこと。
顔を突き合わせて、正面を向いて、毎日話していますか?
摂食障害のお嬢様 VS ご両親
摂食障害のお嬢様 VS お母様
といった「VS お嬢様」といった関係で考えがちですが・・・
ホントに「家族として」と考えるなら、もっと前段階から考えていく必要があります。
前段階とは、お嬢様の前。
つまり、ご両親。
ご夫婦の関係から変えていくことなのです。
そこをきちんと理解してほしいからこそ、摂食障害のただしい治り方を書籍でお伝えしています。。
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家族が変わると、過食嘔吐が不要になる理由
摂食障害なのは娘なのに、母親がカウンセリングを受けるんですか?
私がカウンセリングを受けて、娘がどう変わるんですか?
家族が変化したことが、娘につたわるのでしょうか?
母親がカウンセリングに今一歩、迷っていらしゃる方の中には、こうした疑問を抱えている方がいらっしゃいます。
私は、お母様から変化が始まることこそ、摂食障害が治りやすい「家づくり」だと思っています。
お母様の変化が次第にお嬢様につたわっていくと…
治すことに積極的ではなかったお嬢様が、自分から「こんな生活イヤだ!」「ちゃんと治したい!」と言い始めるのです。
これは、決して特別なことではありません。
「人」として、元々持っていた「もっと良くなりたい」という気持ちが、外に出てきただけなのです。
「人」は、大抵の場合、成長の過程で歩くようになります。
歩くようになると、自分だけのチカラで歩くことが楽しくなります。
歩けるようになると、もっと違う場所に行ってみたくなります。
歩けるようになると、もっと早く歩いてみたくなります。
それが「人」なのです。
食べるということは、「人」として当たり前のこと。
摂食障害の発症により、一時的にうまくいかなくなった時期があったとしても、「より良くなりたい」「取り戻したい」という気持ちは、必ず戻ってくるのです。
取り戻すためには、安心・安全が必要なのです。
安心・安全の対人関係。
安心・安全ない場所。
それらを「家」の中に取り戻していくことこそ、お母様の役割ではないでしょうか?
中学生・高校生の娘を持つお母様から多くご相談いただいています。
治る方法を一緒に考えていきませんか?