摂食障害はなぜ再発するのですか?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

繰り返す拒食・過食
再発のリスク・・・・。

「摂食障害は治らない」と断言する人もいらっしゃいますが・・・
その理由に、あなたは納得できているでしょうか?

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今回のご質問をご紹介します。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

なぜ摂食障害は再発するんでしょうか。

治し方が間違っていたんでしょうか。

若い時と違い、過食嘔吐再発して半年で、歯が溶けだし、老婆のようです。


*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。

ご質問をありがとうございます。

再発というのは、どの病気でもあり得ることです。
風邪を引いて治っても、また風邪を引く可能性はありますよね。

ただ、摂食障害の再発・入退院の繰り返しは、
身体に大きな負担になるだけでなく、
学校・仕事が続けられなくなるリスクがあります。

再発のリスクをできる限り少なくするための3つの質問は、こちらです。

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1.治療を辞めるタイミングが早すぎませんか?

2.心のパターンを分かっていますか?

3.生き方を変えることは出来ましたか?

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1.治療を辞めるタイミングが早すぎませんか?

コレは、とても残念な場合が多いです。

早過ぎとは、安定を見守る前に、治療を辞めてしまう状態です。

(1)回復途中でやめる

グラフー3

まだ、「途中」です。

ちょっと気分が上がってきて、「ふわふわ」した状態。

なんでも出来そうな気分。
このまま治ってしまいそうな感覚。

この時が、実は1番危ないのです。

万能感に浸っているからです。

あまりにも「ふわふわ」し過ぎていて、
周りの注意が入らない時期でもあります。

回復の道のりが、そのままずーっと続いていきそうな感覚。
ヘンな自信があるのも、この時期です。

グラフ上の点線は、まだまだ未知の世界なのですから。
治療をじっくり続ける必要があるのです。

(2)「治った!」と思った時点でやめる

グラフ―1

一度、うまく行った
一時期、過食の症状が出なかった

だから、「もう治った!」と思ってしまう状態です。

もしかしたら、偶然うまく行っただけかもしれないのに。
もしかしたら、勘違いかもしれないのに。

早く摂食障害を辞めたいから
向き合うことに疲れたから

だから、「治ったこと」にしてしまうのです。

(3)症状が出ないことを確かめた後、やめる

グラフー2

症状が出なくなって、
それでも治療を続ける状態

続けていく中で
安定を確認していく時間。

私は、こうした安定こそ、大切な治療の時期だと思っています。

これまでなら、パニックになっていたのに、今は冷静でいられる理由って何だろう?

イライラしても、過食にならなくなったのは、以前と何が違うの?

人の顔色が気にならなくなって、何が一番ラクかな?

「違い」を自覚し
「理由」を言葉にしていく作業です。

理由が分かるからこそ、似たような状況に陥ったとしても、回復が早いのです。

グラついた気持ちを
素早く自分で立て直せるようになること。

そんなチカラこそ、心の回復なのではないでしょうか?

2.心のパターンを分かっていますか?

例えば、
寝不足が続くと、頭痛がするというパターンがあるとします。その場合、
寝不足の翌日は、早く休んだり
寝不足にならないように、仕事を調整したり

パターンを知り
早めに対処できれば、
頭痛が起こりにくくなります。

これは、心も同じです。

心がザワザワする時
イライラしやすい時

あなた自身のパターンを知っていますか?

パターンを知った上で、
うまく対処する方法を身につけていますか?

対処するとは、
ストレス要因を避けることだったり
誘いを断ることだったり

罪悪感なしで、
うまく対処するコツが身についているでしょうか?

3.生き方を変えることは出来ましたか?


繰り返しお伝えしていることですが…

摂食障害は、心の病気です。

診断を受ける何年も前から
心はSOSを出していたはずです。

摂食障害になる前から
抱き続けてきた心の辛さ

これは、決して何か1つが原因と言い切れるものではなく、あなた自身の生き方そのものではないかと考えます。

よくあるのが…

頑張っている自分が好き
忙しいほうが楽しい
人と比べてばかり
1人の時間を過ごせない
家の中に居場所がない…etc.

摂食障害が本当に治っていくためには、あなた自身の生き方全体を見直すことが必要なのです。

引っ越ししたり
転校・転職したり
それだけで解決する問題ではありません。

あなた自身が
どう生きていくかという問題が、
摂食障害という病気を通して問われているのではないでしょうか?

私は、生き方を大きく変えました。
治るためには、変えるしか方法がなかったのです。

がむしゃら人生から、「たのしい」を最優先する生き方へ

また、摂食障害を通して、努力だけでは手に入らないものがあることを痛感しました。

今、あなたは何を変えていきますか?