ケアする側がケアされていない現実。大学院時代に観たドキュメント番組が衝撃的でした。
開業カウンセラー中村綾子です。
国家資格・公認心理師です。
電子書籍10冊目を出版しました!
『開業カウンセラー メンタルヘルス』です。
*アマゾンのページから目次をご覧いただけます。
*シェア歓迎です!
カウンセラー側のメンタルは、大丈夫?
カウンセラーはクライアント様の深刻なお悩みを聴く仕事ですが…カウンセラー側のメンタルについてあまり多く語られていません。
むしろ、クールに問題のないように過ごすことが求められている印象があります。
・カウンセラーとして経験を積んでいるから、クライアント様の話にのみこまれない
・クライアント様とは距離を取って話を聴く訓練ができている
・スーパーバイズで適切な指導を受けている
といった声は、素晴らしいものです。
しかし…まだまだ未熟なカウンセラーや開業カウンセラーにとっては、1対1で深刻なお悩みを聴き続けるカウンセリングが、カウンセラー側の心にずっしりと重たくのしかかったり、仕事そもののに疲れてしまったりすることもあるのではないでしょうか?
ドキュメンタリー番組の衝撃:ケアする側がケアされていない現実
大学院時代、偶然TVで観たドキュメンタリー番組の衝撃が、今回の出版のきっかけになりました。
福祉関係のお仕事をされていた40~50代女性。
そのお仕事での活躍ぶりが取材された後、夜6時、職場を出て自転車に乗るシーンがありました。
向かった先は、学習塾。
本業だけでは食べていけないから、夜授業を担当していました。
その後、急いで帰宅して夜9時、ひとりで留守番していた中学生くらいの息子さんと二人で夕飯。
シングルマザーとのことでした。
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ケアする側がケアされていない現実。
なんだかなぁ~と思ったのです。当時20代の大学院生でしたが。
本業で一生懸命働いても、それだけでは食べていけないの?
丸1日仕事した後に、塾講師までやるの?
毎日、夕飯をそんな遅くに食べるの?
というのが、正直な感想でした。
これは雇用されている働き方ですし、カウンセラーとして仕事ではありません。
しかし、カウンセラーとして働いている方の中にも、今も同じような状況の方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
開業しても、「やり方」によっては、あまり変わらない現実にハマってしまいリスクもあります。
ですから、今回の『開業カウンセラー メンタルヘルス』では、癒しや精神論ではなく、メンタルを支えるお金の話や働き方に重点を置いてお伝えしています。
大学院時代の衝撃:カウンセラーの働き方
この時の衝撃が、今の開業という働き方にもつながっていますが…
臨床心理士を目指して入学した大学院で知ったことは、
・スクールカウンセラーは公務員ではないらしい
・スクールカウンセラー1本では食べていけない
・そもそも、心理職のほとんどは非常勤の仕事ばかり
・いくつもの職場を掛け持ちして働くのがフツー
・短期間で転職するものフツー
という働き方でした。
入学前のリサーチ不足といえばそれまでですが…2005年当時、今ほどネット上に情報も無く、よくわからないまま「臨床心理士への道」が始まったのでした。
*中退なので、臨床心理士試験の受験資格にならず・・・
カウンセラーは、もっと自由になっていい。
私たちは、人間です。
感情のある人間ですし、カウンセリングという仕事で生活していく人間です。
ですから、
感情の起伏があってもいいと思っていますし、生活していく上で「働き方」をもっと自由に選んでいいと思っています。
日本では何かと「この道一筋」という精神論が評価されがちですが、「働き方」の軌道修正を何度してもいいと思っています。
私が、開業した後にも何度も軌道修正してきましたし、コロナ禍で軌道修正せざる得なかった部分もあります。
・時間割を決めたこと
・「週3日だけ、働く」に至った理由
・「ゆとりの30分」を厳守しているわけ…etc.
こうした変化は、決して否定されるものではなく、むしろ自分にとって「働き方の最適化」につなげられるものだと考えます。
ぜひ、開業する/しないに関わらず、カウンセラーとして働き方や自身のメンタルに悩んでいる方は、手に取っていただけると嬉しいです。