摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
拒食症・過食症の回復は、ゴールや期限を決めて取り組むことが大切だと考えます。
そのために回復スケジュールをつくることをお薦めしています。
しかし…
「スケジュールなんて立てられません」
「そんなこと考えたこともありません」
という声を多くいただくます。
確かに、医療機関でも回復のスケジュールを一緒に考えるという視点は、あまり一般的ではありません。
でも私は、とても大切なことだと考えています。
なぜなら、「回復の流れを見える化」することで、ようやく現実と向き合えるからです。
日常的にスケジュール作成を活用しているはず
少し違う例で考えてみましょう。
たとえば、名古屋に住んでいる私が、東京で朝9時スタートのセミナーに参加したいとします。
スケジュールを逆算してみると…
* 8時までに東京駅到着
* 6時には名古屋を新幹線で出発
* 5時には家を出る
* 4時か、それより前に起きないといけない…!
と、びっくりするような早起きスケジュールになります。
ここで「えっ、朝4時起き?」と感情が動きますよね。すると、考えるようになるんです。
「そこまでして行きたいのかな?」
「前日に泊まればラクじゃない?」
「せっかくなら、東京で友人にも会いたいな」──
そう、“見える化”したことで、現実的な対策や、楽しみに変える工夫が浮かぶのです。
摂食障害の回復スケジュールの考え方
摂食障害の回復も、これと同じです。
例えば「高校卒業までに●●を目指す」と決めたとき、
「●月までに、どんな状態になっている必要があるのか?」
「体の面・心の面、どちらもどんな段階に進んでいたいのか?」
実際に書き出してみると、
「今のペースでは厳しいかも」
「先に人間関係の見直しが必要だな」
など、次の一手が見えてきます。
「娘の摂食障害、いつ治るの?」と不安なお母様
こうした回復スケジュール作成のメリットを聞いても、やはり、
「そもそも、うちの娘が、いつ良くなるのかなんて、全く想像がつかない」
「病院では『焦らなくていい』と言われるだけで、どこに向かっているのかわからない」
そんなお母様の声を、私はこれまで何度も聞いてきました。
だからこそ、まずは紙とペンを持って、未来を書き出してみましょう。
見える化は、お子さんのためだけでなく、お母様ご自身の「今、取り組むべきこと」が見えてくるはずです。
具体的なスケジュールの立て方については、動画でも解説しています。
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