摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害を分かってもらえない。
こうした声はとても多いですが、
その理由の1つが治るのも怖いだと思います。
摂食障害真っ最中の時期にも見られますが、
回復に近づいていく時こそ、大きくなる2つの恐怖があります。
このまま治らなかったらどうしよう?という恐怖
治ってしまったらどうしよう?という恐怖。
後者の恐怖こそ、理解されない部分です。
治ってしまったら、
仕事しないといけない。
治ってしまったら、
前みたいに勉強しないといけない。
治ってしまったら、
「明るい自分」に戻らないといけない・・・etc.
こうした不安から、治ることが怖くなってしまうのです。
その恐怖は、社会生活から離れた年数が長ければ長いほど、
大きくなると思います。
そして、症状が急激に出てきます。
「過食しなくても、いいかな~」と思えていた過食が、
連日連夜、続くようになったり。
「太っても、しょーがないか」と思えていたのに、
「何もかも食べるのが怖い」とおびえるようになったり。
ほんの少し前までは、
ちょっと上向きだったのに、
もうすぐ治るかと思ったのに
あと少しで学校・仕事に行けれそうだったのに・・
急に、症状が爆発!
このタイミングこそ、慎重に過ごすことが大切なのです。
治りかけると、
治ってしまうことに恐怖が沸いて
「摂食障害の自分」というアイデンティティーが
崩れ落ちそうで、
意識的・無意識敵に、
「摂食障害の自分」を引き戻そうとしてしまう。。。
摂食障害が、治るのも、治らないのも怖いのです。
これは、ほとんどの摂食障害の方が、
回復の途中で経験することだと思います。
治りたいと願ってきたはずなのに、
治るのが怖くなって足がすくんでしまう。
でも、ここが勝負どころなのです。
怖いという気持ちから
回復を諦めるのか
怖いけれど、それでも回復に向かっていくのか
大きな分かれ道なのです。
こうした大きな分かれ道を、
回復につなげていくための3つのコツを、こう考えます。
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(1)通るべき道という自覚
(2)周りが動揺しない
(3)「ホントに治りたい?」と問いただす
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(1)通るべき道という自覚
私が、まずお伝えしたいのは、
「治るのが怖い」と言ってもいいです。
治るのが怖くなること
以前より治ることに積極的になれなくなる時期
私もちゃんと経験しています。
だから、「治るのも、治らないのも怖い」心境は、
通る道なのです。
(2)周りが動揺しない
コレ、私が最も気がかりなことです。
上記の「症状の爆発」で、ご家族が動揺し、
ご家族が、「悪化した!」と大騒ぎしてしまうデメリットを感じています。
その時々の症状が「悪化」なのか、「通過点」なのか。
これを、冷静に見極めることが不可欠です。
だからこそ、ご家族にも治療者が必要なのです。
「通過点」であれば、
ご家族が今できることを見つけていきましょう。
それは、叱咤激励や慰めでは無いはずです。
見放すのではなく
無視するのではなく
信じて放つ。
今、お母様は出来ていますか?
(3)「ホントに治りたい?」と問いただす
私は、
治るのも自由
治らないのも自由
と思っています。
治るのが怖いという気持ちが沸いた時こそ、
「ホントに治りたい?」と自分に問いただしてみて欲しいのです。
摂食障害が長いほど、「不安定という安定」で
やり過ごしてしまっている方が多いと思います。
治るということは、たとえ一時的であっても、
安定を取り壊す作業だからです。
だから、怖くて当然。
でも、カンタンではありません。
怖い、でも「治りたい」と思えるかどうか、
ぜひご自身に問いただしてみてくださいね^^
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怖いって言ってもいい。
私は、言えること自体、回復につながると思っています。
いつもいつも前向きに積極的になれなくていいのです。