摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
お母様方が、どう答えていいかわからない言葉。
きっと沢山あると思います。
その一つが体重・体型に関することではないでしょうか?
拒食からの体重回復。
お母様としては、うれしいのが本音。
でも、目の前のお嬢様は大パニック。
過食が止まらず、どんどん体型が変わっていく。
お母様としては「太るのがイヤなら、食べるのガマンしたら?」と思いがち。
でも、目の前のお嬢様は「過食がやめられない!これ以上太ったら学校に行けれない!」と大パニック。
そういう時、お母様方もパニックになっていきますよね。。。
「一体、どう言えばいいのよ!?」って。
今回は1つの例として、以下の言葉で考えていきます。
■例
太っちゃったどうしよう
まずは、間違った対応例です。
「一緒にウォーキングしたら、痩せるよ」
「もっとバランスよく食べるようにしたら?」
「学校が始まれば動くし、痩せるんじゃない?」
「そんなに太っていないよ」
「健康的になってイイと思うけど」
あるあるですよね^^;;
摂食障害のお嬢様との会話での大前提は、
・言葉はセリフではないこと。
・お母様の心から自然に湧き出る言葉がベストな言葉
です。
模範解答というものは無いのですが、
カウンセリングでお伝えできるポイントは2つあります。
(1)言葉の中で注目するところ
(2)何を訴えているのかを理解する
大抵の場合、これらを取り違えてしまうので、会話がズレてしまいます。
その結果、大喧嘩に発展したり、何もしゃべらなくなったり。
(1)言葉の中で注目するところ
上記の言葉を前半・後半に分解します。
前半:「太っちゃった」
後半:「どうしよう」
間違った対応例として挙げたのは、前半の「太っちゃった」に注目してしまっています。
でも、太ったのはお嬢様自身であって、お母様の問題ではありません。
同時に、お嬢様も、お母様の問題だと言っているわけではありません。
なので、本来注目するべき言葉は、後半の「どうしよう」なのです。
(2)何を訴えているのかを理解する
注目する言葉が「どうしよう」と分かった後の注意点です。
お母様が「痩せさせることは出来ない」とハッキリ認識しておくことです。
脂肪吸引なんて出来ないです。
それもお嬢様もご存じです。
だからこそ、「何を訴えているか」を理解していくことが大事なのです。
訴えていることは、「太った」ではありません。
「どうしよう」であり、
「どうしらいいか分からなくて困っている」
「このまま太り続けたらどうしよう」
「こんなに太って、友達になんて言われるんだろう?」
「これから何を食べたらいいのか分からない」
「太るなんて嫌、治らなくていいから、痩せていたい」
こうしたあらゆる気持ちです。
恐怖・不安・動揺・・・を訴えているのです。
いかがでしたか?
会話というものは、ナマモノです。
ナマモノだからこそ、その場その場の対応がとても大切になっていきます。
「分かってもらえた!」と思う時、お嬢様自身で「変わりたい」という気持ちが芽生え始めるのではないでしょうか?
ご家族の役割
治療者の役割
それぞれが、それぞれの役割を担っていくことこそ、摂食障害のお嬢様の心にも「安心」が生まれるのではないでしょうか?
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