摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
カナダ留学と摂食障害。
これまでの記事は、こちらです。
・【カナダ留学と摂食障害】「食べる」がだんだん異常になっていった時期
・【カナダ留学と摂食障害】胃の不調と出国延期。拒食症とのつながり。
・【カナダ留学と摂食障害】日本人というプレッシャー
・【カナダ留学と摂食障害】引越しと拒食症の発症
第5回目の今日は、交換留学時代から大学卒業までの間、カナダで出会ったカウンセラーたちの紹介です。
同時に、カウンセラーたちから学んだ「働き方」「考え方」です。
そもそも・・・カナダ留学を決意したのは、中学生の時です。
カナダでスクールカウンセラーになることが当時の夢でした。
中学生の私の頭の中は、こんな感じでした。
カナダの大学で心理学を学ぶ!
*実際は、カナダでは大卒ではカウンセラーとして仕事は出来ないのですが、中学生の私には知る由もありませんでした。。。
↓
日本の大学受験は不要。
カナダの大学に行く準備がしたい
↓
受験生の時期に、カナダに行ってしまおう!
準備も兼ねることが出来る!
↓
高校3年時から、留学しよう!
交換留学という単位移行できる方法を発見。
↓
交換留学へ(その後、日本の高校卒業、カレッジ、4年制大学編入・卒業)
流れはこんな感じです。
まず日本にいる限り、当時はカウンセラーという職種の人に会ったことがありませんでした。
そのため、カウンセラーに会える!というだけで、留学開始時はワクワクしていました(笑)。
同時に、カウンセラーっていろんな種類(専門分野)があるんだ・・と知ったのは、ある意味ショックでもありました。
ガイダンス・カウンセラーと心理カウンセラーの違い
*交換留学は、星印のマニトバ州
交換留学先の公立高校は、かなり田舎町でした。
とてもとても田舎で、小規模な学校でしたが、カウンセラーは常勤でした。
カウンセリングルームがあり、いつもそこにいました。
その場所を見るだけでも、すべてが初めてだった私にとって、とても嬉しいことでした。
でも、悩み相談室ではありませんでした。
授業の取り方や、
大学進学に必要な問い合わせなど。
想像していた悩み相談を受付してくれるカウンセラーとは違い、ちょっとがっかりでした。
その後、進学したカレッジでもほぼ同じでした。
複数のカウンセラーが常勤していました。
それぞれ個室を持ち、予約制でカウンセリングを行ってしました。
でも、結局、相談できることは授業の取り方がメインでした。
ただ、そうした相談をしていたので、私が出国延期した時に連絡を取ることが出来たのも、こうしたカウンセラーでした(当時の話)
勉強方法を教えてくれるのもカウンセラーでした。
これは、大学に進学した後に出会ったカウンセラーのお話です。
もともと生物系がニガテなのですが(笑)、さらに困っていたのが生物系の心理学。
脳の仕組み
血液の仕組み
記憶について
病気の名前
薬の名前・・etc.
こうした専門用語が、もちろん全て英語!
もともとニガテ&興味なしの上に、かなり厳しい先生だったので、テストもほとんど全て記述。
何が、どうなって、こういう現象になるのか・・といったことを、すべて自分の言葉で説明する、というのがテストのほとんどでした。
さらに鬱っぽい状態の時期でもあったので、勉強しても勉強してもテストの成績には全然反映されず、さらに気持ちは落ち込み・・・という負のループ。
そんな時、救われたのが、study skills (勉強方法・学習技術)を得意としたカウンセラーへの相談でした!
本当にびっくり!!!
日本だと、何から何まで「学校の先生」の役割ですよね?
授業を教えるのも先生。
勉強方法を教えるのも先生。
カナダの大学であっても、勉強方法について相談できないわけではないと思います。
でも、勉強方法に特化したカウンセラーがいるのです!
これは、本当に驚きました!
まず、教科書を持参するように指示されました。
カウンセリングが開始すると、まず教科書を手渡して、「いきなり全て読んだらダメ」と言われました。「章のまとめ」のページから、用語だけを読んで、全体像をなんとなく把握して・・・
というふうに超・具体的アドバイス!!!
本当にびっくり。
自分の教科書を使って、
カウンセラーから勉強方法を教えてもらうなんて。。。。
なんでも、専門家に頼ること。
それぞれの専門があること。
上記のように「学校の先生」に何でも相談してしまうのは1つの例ですが日本人は「なんでも屋さん」になりがちですよね。。。
困っていることの専門家を、それぞれ頼っていくことで、最終的にはベストな結果につながる!
そう実感しました。
そのおかげで、私の成績も持ち直し、無事卒業することが出来たのでした!
期末試験の直前に、プールに行く!?
これ、カルチャーショックです(笑い話でもありますが)。
大学の期末試験は、午前・午後・夜という3つの時間帯がありました。
大学側が決めるスケジュールなので、希望は一切言うことができません。
私が1番キライだったのは、夜。
どの時間帯であっても、1回の試験は3時間です。
夜の時間帯だと、夜6時から夜9時です!!!
夜遅く帰宅すること、バスが無くなったらどうしようという不安もありました。
でも、それ以上に不安だったのは、「日中の過ごし方」です!
朝起きて、勉強して、それから・・・???
夜6時まで、気持ちが保てない・・という悩みがありました。
これもカウンセリングで相談しました。
すると、こんなアドバイスがかえってきました。
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朝起きて、
ちょっと復習して。
お昼になって、、
もしあなたが、スイミングが好きなら、プールに行くといいわね。
ちょっと泳いで、リラックスしたら、はい、あなたは準備OKよ。
———————-
試験直前に、プール!!!????
カナダ人のこういう考え方、好きです(笑)。
日本人の先生なら、絶対あり得ないと思います。
プールなんて、絶対ないでしょうし、リラックスよりも、「直前までいかに勉強するか!?」という話になるかと思います。
だから、笑える。。。
実際、プールには行かなかったのですが(笑)、こうしたアドバイスで「詰め込むこと」はベストじゃないんだなと感じました。
誇りを持ってカウンセラーとして働く姿
「働き方」も大きく影響を受けています。
日本を出発するまで、カウンセラーという人に会ったことが無かったというのは上記の通りです。
なので、カナダ留学時代、大学で働く女性カウンセラーの姿は、本当に憧れました。
カウンセリングオフィスという独立した建物があって、それぞれのカウンセラーが、個室を持ち、家族写真などを飾って、「自分の空間」にしていました。
誇りを持って働く姿。
女性として働く姿。
大学時代、診断を受ける機会はなかったですが、不安が強く、このカウンセラーと定期的に会っていました。
カウンセラーと会うたびに、落ちていた気持ちが変わり、またやる気が戻ってきました。
カウンセリングオフィスで、たくさん泣いても、オフィスを出ることには元気になれました。
時には、リラックス方法をまとめたヒント集のようなプリントをもらいました。
カウンセリングってすごい。
カウンセラーってすごい。
だから、私もカウンセラーになろう。
大学時代、勉強もホント大変でした。
祖母の他界もあり、気持ちが集中できないことも多々ありました。
日本に帰国した後の不安も、大きかったです。
でも、カウンセラーとして働く姿を身近で見ることが出来たのは、本当に貴重な経験でした。
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こうしたカウンセラーとの出会いがあったので、摂食障害を発症してから転院を続けたのかもしれません。
いつか
どこかで、
カナダで出会ったような専門家に出会えるかもしれない。
そんな期待を捨てきれなかったのだと思います。
実際、転院し続けても上手くいきませんでした。
でも、求め続けて探し続けること自体、意味があったと思っています。
転院を繰り返していた私と、母のホンネ。
今だから言えること。