誰かに教えて欲しかった「摂食障害の治り方」

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

誰かに教えて欲しかった「摂食障害の治り方」。

きっと、私が、摂食障害真っ最中に「誰かに教えて欲しかった●●」を書き出すと、キリがないほど挙げられるのかもしれません。

摂食障害の頃、何を食べていたか
過食の量や内容
過食の時間
過食している時の気持ち
「ぽっちゃりしたね」と言われた時の気持ち
治ったあとの生活
治ったあとの体型
治った後の仕事
治った後の体力
治るまでの体型・体重変化
治るまでに行った病院
治るまでに考えたこと
治るまでに諦めそうになった経験
治るまでに親とケンカした回数
何から治っていって、最後まで苦しむモノ
ジーパンのサイズが大きくなる時の気持ち・・・etc.

受験生なら合格体験記を読むのに、摂食障害には「治った人の記録」がない。

ネット検索ばかりしてしまう気持ち。
摂食障害の頃も、今も、私はわかる気がします。

理由は、「治った人の経験談・記録」が身近にないからです。

中学生の時、塾に通っていました。
その塾から卒業したセンパイたちの合格体験記は、毎年1冊の本になって、手渡されました。

悩んだ時
上手くいかなかった時
成績が思うようにあがらなかった時
モチベーションが落ちた時

いつもいつも合格体験記を開き、何人もの体験談を読んで、自分を奮い立たせていました。
それが、気持ちの立て直しやモチベーションアップにつながっていました。

でも、摂食障害の「治った人の記録」は、あんまり見つからないですよね。
だから「誰かに教えて欲しかったこと」なのです。

受験生なら、「受験を経験した人」が先生なのに、摂食障害には、「1度も摂食障害になったことがない医師」が先生になってしまう。

これも、よく考えればフシギな話です。

受験生が通う塾・予備校には、受験を経験した人が「先生」と呼ばれる人です。

同じ学校を受験したわけではないかもしれません。
もちろん、年代が違うので、受験制度も異なるかもしれません。
学んでいる内容も異なるかもしれません。

けれど・・・「受験という経験」は同じなのです。
経験者だからこそ、親近感があり「分かってくれる」ことがたくさんあるのです。

一方で、摂食障害はちがいます。

「1度も摂食障害になったことがない医師・カウンセラー」が、あなたの担当になることがあります。

低体重に悩んだ経験はないけれど、たべるのが怖いという感覚も経験がないけれど、「食べて体重を増やすこと」が治療と言われたり。

心のモヤモヤ・イライラが過食に直結する経験も、それがどんなふうに緩和したかという経験もないけれど、「お薬を飲みなさい」と指導したり。

フシギですよねー。
フシギなことだと気づいていますか?

受験生なら、合格した後、卒業した後・・・を思い描くのに、摂食障害の「治った後」は未知の世界でした。

摂食障害の治りたくない を、これで理解できるかもしれません。

受験なら
合格したら、こんな大学生活を楽しみたい、こんな資格が取りたい、卒業したらこんな仕事がしたい、

とワクワクした未来を思い描くことができます。

こうした未来を思い描くことが、勉強へのモチベーションにもつながります。

一方で、摂食障害に「治ったら●●したい」というワクワクした未来はあるのでしょうか?

ワクワクする未来を、だれか見せてくれているのでしょうか?

きっと、未知の世界であり、分からないからこそ不安でいっぱいになるんですよねー。

今の食べる・食べないで悩むこと、体型について一喜一憂する状態から逃れたい、でも、逃れた先に、どんな未来があるのか。

それが、全く分からない状況ではないでしょうか?

だから、不安。
だから、治りたくない。

そう思うのも、私は当然だと思っています。

私も教えて欲しかったけれど、誰からも教えてもらうことが出来ませんでした。

でも、今の私が教えてあげる!なんておこがましいことを言うつもりはありません。

教えてあげる!ことは出来なくても、あなたが見たい・知りたい世界が、メールだけで垣間見れたら、それは少しだけあなたの心の中に希望が増えていくかもしれません。

治るって、いいことだよ^^

摂食障害メールマガジンが、そんな「希望」の1つになれたらいいなぁと思っています。
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