摂食障害の家族相談

【Q&A】20歳の摂食障害の娘に、どこまでお金の援助するか

 

摂食障害と親との同居。生活費はいつまで親が出すのか、習い事は必要か

*治療代以外の出費は、慎重に吟味しましょう。

 

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害だから働けない。

私のカウンセリングでは、
休むことを積極的に勧めているので、
働けない=ダメとは思っていません。

ですが・・・

 

治ろうともしない姿勢や
悪化の一途をたどる生活のまま
親からの援助だけを受け続けるのは
問題かもしれません。

 

◆メルマガ読者さまからのご質問◆

学校を卒業し、20歳になった娘に、どこまでお金の面倒を見てやるのが良いか、私自身決めかねてます。

親と同居しているうちは

生活費
レッスン代
交通費
舞台にかかる費用
医療費
携帯電話代・・・etc.

家族により様々でしょうが、どうやって決めているのかなぁと思ってしまいます。

 

自立出来ない娘が1番辛いとは思いますが
綾子さんならどんなアドバイスされますか?

 

*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。

ご質問をありがとうございます。

 

まず、「自立出来ない娘が1番辛い」と記載いただきましたが…そうとも限りません。つまり、摂食障害でいつづけて、実家で養ってもらい続けることのメリットを大いに感じている場合もあります。

 

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1.摂食障害のお嬢様を、「いつまで」ご実家で養うと、ご両親で決めましたか?

これ、忘れがちです。
時には、軽視されがちです。

 

お母さまがフルタイムのお仕事をお持ちでも、
専業主婦であっても、
お金の出どころは、ご両親2人からと考えます。

そのため、
いつまで
どこまで
お金を援助し続けるかは、
ご両親で、徹底的に話し合うことが必要なのではないでしょうか?

 

一旦、決定したら揺らがないことです。

娘さんが何を言っても
お父様だけ・お母様だけに
言ってきても
方針を変えないことが大切なのではないでしょうか?

 

ちなみに、私はパン教室を始めるまで、ずーっと親の援助で暮らしていました。

 

塾のアルバイトの収入もわずかでしたが、自分で自分のことをまかなう、という意識に欠けた人間でした。。。

 

でも、母からはキッパリ言われていました。

 

「いつまでも親は元気でいないんだから」
「これから先、どうするか、自分で考えなさいよ!」

 

だから、どうにかしないといけないという気持ちは常にありました。

 

学生という立場から離れてから
時間が経ってしまった私には
ふつうの就職はかなり困難でした。

 

そのため、自営業という道しかなかったのです。
それがパン教室をやることでした。

2.摂食障害のお嬢様は、治そうと行動していますか?習い事は必要?

冒頭にも書いていますが・・・

 

治ろうとせずに過活動だけを続けていくのは、問題だと思います。

 

悪化するばかりです。

 

ご質問の中で気になる「お金の援助」は、

・レッスン代
・交通費
・舞台にかかる費用

です。

働けないほどの病状にも関わらず、「レッスン」には通っていらっしゃる…ということでしょうか?

 

それとも、社会復帰の一歩としての習い事を始められたのでしょうか?
でも、「舞台」という言葉からも、習い始めたばかりではない様子ですが…。

 

さらに「学校を卒業し…」と記載されているので、とりあえず、学校生活は無事続けることができたと解釈すれば、「社会復帰のための第一歩としての習い事」という意味合いも考えにくいですが。

 

お金を援助する/援助しないという金銭的な問題だけではなく、「どうやって治っていくか」というスケジュール作成を、親子で取り組んでいくことをお勧めします。

 

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3.お母様は摂食障害のただしい知識を学びましたか?

「やっぱり本人が、その気にならないと」
「私は、摂食障害じゃないし」
「親が出来ることって、特に無いですよね」

こんなふうに、お母様がどこか逃げ腰になっていませんか?

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残念ながら、摂食障害のお嬢様だけのカウンセリングでは、なかなか効果があがらない場合があります。

 

それは、治ろうとするお嬢様のスピードに、お母様の理解が同じスピードでついてきていない場合です。

 

摂食障害を「娘の問題」だけでなく、「我が家の問題」として考えているでしょうか?

 

摂食障害を「食・体重の問題」ではなく、生き方の問題と捉えているでしょうか?

 

摂食障害の不安を、自分の生きている不安と考えているでしょうか?

 

私は、母親カウンセリングを通して、残念に感じることが度々あります。

 

それは、お母様が今一歩、本気になれていない場面です。

 

摂食障害の回復には、
お母様とお嬢様、
それぞれの成長が必要です。

 

だれかのせいにするのではなく、引き受ける覚悟を持ってほしいのです。

 

お嬢様は、本音ではお母様を1番頼りにしているのですから^^

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