摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
娘が治そうとしないんです!
娘が病院を拒否するんです!
娘が病気のままでいたいと言うんです!
こうした声は、お母様方からとてもよくあります。
たしかに、娘さんを目の前に、とてもツライ状況かとは思いますが・・・
忘れがちなことを、見直していくチャンスでもあります。
ご質問をご紹介します。
*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。
心療内科のカウンセリングを嫌がる娘には、
病院には行く気になるまで待っていてよいでしょうか?
ご質問をありがとうございます。
メールの文章だけのご質問なので、
すべては分からないですが・・・
文面から推測すると、
ちょっと勘違いもあるかなぁと思います。
勘違いについての解説を含め、以下の3つから考えていきます。
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1.心療内科って、何をするところ?
2.カウンセリングが「合わない」場合とは
3.お母様にできること、やり尽しましたか?
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1.心療内科って、何をするところ?
摂食障害は、心の病気だから、
「心」って書いてある、心療内科に行こう!
心療内科の先生なら、きっと優しく話を聴いてくれるはず!
学校から紹介された心療内科なら、
安心なはず!
そんな期待を抱いて、「心療内科!心療内科!」と
思っていないでしょうか?
たしかに、心療内科という言葉は
精神科よりずっと敷居が低い印象があると思います。
また、心療内科というイメージは、
とても優しく穏やかかもしれません。
ですが・・・
実際の中身を知っていますか?
心療内科の中身は、かなり千差万別です。
心療内科だから、「内科」ばかりの経歴の医師だったり、
薬中心で、「話を聴く」が無かったり
たくさんの患者で待ち時間だけでぐったりしたり
心というのは名ばかりで、体重測定だけが「治療」だったり
いろーーーんな心療内科があります。
私は、10回転院しています。
大抵のクリニックは、精神科と心療内科の両方を記載しています。
また、◯◯科・◯△科・心療内科といったように、
心療内科「も」診れる、という意味していることもあります。
また、「心療内科=カウンセリング」ではありません。
心療内科の中には、カウンセラーが常勤している場合もありますが、
すべてのクリニックにカウンセラーが居るとは限りません。
心療内科に行ったら、
カウンセリングを受けれる、というのも違いますし、
カウンセリングを受けるには
心療内科に行かなければ・・・というのも違いますし、
心療内科に行ったからといって、
カウンセリングが必要と判断されるとは限りませんよね^^;;
だからこそ、
受診前の準備は、とても大切なのです。
そして、あなた自身が、「心療内科」に何を求めて、
どんな治療者と出会いたいのか、書き出していきませんか?
2.カウンセリングが「合わない」場合とは
カウンセリングという言葉の響きは、
かなり魅力的だと思いますが・・・
カウンセリングが「合わない場合」もあることは
ご存知でしょうか?
カウンセリングのやり方が合わない場合と
カウンセリング自体が合わないタイミングがあります。
■カウンセリングのやり方が合わない場合
これは、カウンセリングの流派ともいうべき「やり方」についてです。
1人ひとりのカウンセラーは、
異なった考え方を持っています。
勉強してきた背景も異なります。
何より、摂食障害をどう理解しているかは、大きく違います。
そのため、カウンセリングのやり方は千差万別です。
・日常的な問題解決で、短期治療を目指したり
・幼少期からの親子関係のやり直しを家族ぐるみで取り組んだり
・絵画や遊びを取り入れて、心の問題と向き合ったり・・・etc.
これらは、カウンセリングを受けるあなた自身が、
事前にしらべ、吟味し、自分に合うか合わないかを見極めていく必要があります。
だからこそ、「カウンセリング」という一括りにしてしまうことに
リスクを感じるのです。
ちなみに私が行っているカウンセリングは、
家族関係から摂食障害という病気の発症を捉えてます。
摂食障害に悩んでいる状態は、
これまでの無理な頑張りの結果であり、
無理な頑張りをしなければいけない「何か」があったことと考えます。
そのため、家族関係の改善こそが、症状の回復につながり、
また社会適応にもつながっていくと考えています。
■カウンセリング自体が合わない場合
これは、心身の状況とカウンセリングのタイミングです。
よく言われるのは、
低体重すぎる場合です。
低体重で命がキケンな時に、
心とじっくり向き合っていく余裕はありません。
命がキケンであれば、否応なしに
命を救う治療が優先される必要があるのです。
だからこそ、「カウンセリングさえ受ければ!」という
考え方を、見直していきませんか?
3.お母様にできること、やり尽しましたか?
「娘を、病院につれていかなければ!」
「病気なのに、治りたくないなんて!」
「入院になってもいいの!?」
家の中で、毎日のようにこんな母娘バトルが飛び交っていませんか?
それなのに、摂食障害の娘さんは一向に動こうとしない・・・
よくあるパターンです^^;;
だからこそ、お母様自身が動くタイミングなのです。
家族の中で、たった1人、本気で取り組む人がいれば、
かならず何かが変わり始めます。
お母様が、その1人になってください。
お母様は、摂食障害という病気では無いかもしれません。
けれど、何らかの「生き辛さ」を抱えていないでしょうか?
お母様は、食べることは自由かもしれません。
けれど、誰にも話せない苦しみで、心が押しつぶされそうになっていませんか?
だから、お母様自身が、治療者と出会ってみてください。
お母様が、話すことでラクになる経験を重ねていくこと。
お母様自身が、自らの生き方と向き合い、見つめ直していくこと。
これは、決して1人だけで出来る作業ではありません。
だから、治療者(医師・カウンセラー)が必要なのです。
何から始めたらいいか迷ったら、こちらの記事をどうぞ。