体重測定前に大量の水を飲んでいました

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

体重測定

通院して
体重計の乗らされて
薬が出て

そんなやり取りが、「治療」とまかり通っているのが現実です。

そんな通院から、入院になると、
ますます「体重第一」が強くなるのかもしれません。

体重第一という治療者の姿勢に
疑問を感じたり
怒りを感じたり
いろいろな感情が沸くことがあることと思います。

その時、
どちらに進むか
何を選んで行くか・・・

今、あなたは、どんな選択の帰路に立っていますか?
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今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

過食嘔吐で入院し、行動療法を行いました。

目標体重は、一応目標は達成しましたが、
週1回の体重測定に大量の水を飲んで臨んでいました。

なので、実際のところ体重は全く足りていません。

周りを騙していること、
目標のために頑張れない自分、など罪悪感や後悔でいっぱいです。

本当のことを打ち明けるべきか、このまま退院するか迷っています。
どうしたらいいでしょう。

ご質問をありがとうございます。

この読者様からご質問いただいていてから
かなり日数が経過しておりますので、個人的には役立たない回答になるかもしれませんが・・・

摂食障害に悩んでいる多くの方が、
同じ悩みを抱えていることと思います。

体重!体重!と言われ続ける治療にイヤになったり
目標体重を一方的に決められることに心が付いていかなくなったり
体重測定があるたびに、ビクビクして、怖くなって、目の盗んで・・・

私が摂食障害だった頃にも
同じようなことをしてきました。

だからこそ、今、心の焦点を当てることの
大切さを痛感しているのです。

そんな想いをこめて、以下の3つから考えていきます。

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1.どうしたいですか?

2.一番信頼できる人って誰だろう?

3.私の後悔「体重よりも、言葉で訴えればよかった」

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1.どうしたいですか?

「どうしたらいい?」
「どうするべきですか?」

こうした声は、カウンセリングでも
全く別の内容でも、とてもよくある声です。

だから、お聞きします。

今、あなたは、どうしたいですか?

「したい」と思うものが
良い悪いという判断ではなくて

あなたが、本心から「したい」「やりたい」と思うことって、
どんなことでしょうか?

そして、摂食障害を治すことも、あなたがホンキでやりたいと思っていることの1つでしょうか?

治るのも、治らないのも、あなたの自由です。

摂食障害が治ることは、
決して、誰からから強制されることではありません。

摂食障害という苦しみをずっと背負ったままでも、
「生きていくことだけ」であれば、可能なのかもしれません。

けれど・・

本当のあなたは、今の悩みや苦しみから解放されて
もっとラクに、
もっと自由に生きていきたいと願っているのではないでしょうか?

ラクになりたいけど、
ラクになってしまうことが怖くて

自由になりたいけど、
自由になった時、どうしたらいいのか分からない自分が怖くて

だから、
ずーっと前から抱えている摂食障害を
今も、ずーっと抱え続けてしまっているのではないでしょうか?

ラクになる方法が分からなくてもいい
自由になった後がイメージ出来なくてもいい

途中の道のりは、
あなたの決心が出来た後、
すこしずつ見つけていけばいいのです。

まずは、あなた自身が本気で治りたいと思えるかどうかです。

治るのも、
治らないのも、
あなた次第なのですから。

しずかに
ゆっくりと
あなたの心に聞いてみましょう。

2.一番信頼できる人って誰だろう?

今回のご質問が湧き上がったのは、
あなた1人では、抱えきれなくなったからではないでしょうか?

ウソをつき続けること
しんどいことですよね。

苦しいことを
選んでしまった自分に後悔しているのではないでしょうか?

だから、1番信頼出来る人を、まずは決めていきましょう。

お母様でしょうか?
ご兄弟でしょうか?
それとも、親友でしょうか?

できれば、家族の1人がいいと思います。

その人に、すべてを打ち明けてみませんか?
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体重をごまかしてしまった事実だけではなく
今の治療への想い
主治医への気持ち
入院している自分に対しての苛立ち
周りの友達と比べた時の焦り・・・etc.

きっと、いろんな気持ちがあるはずです。

早く退院したいと焦りながらも
治ってしまう不安

治った後、まわりからどう思われるのか
どんな仕事をしていくのか
不安でたまらない心

私は、どんな気持ちであっても、
「あなたにとっての真実」を大切にしてほしいと思っています。

正直に、事実を伝えることは、
ものすごく勇気がいることです。

身体が震えるほど怖くて
嫌われることが怖くて

それでも、このままずーっとごまかし続けてしまうことを
あなたは選んでいくのでしょうか?

私は、あなたがあなたの人生から逃げないためにも、
今、伝えるということから逃げないでほしいなぁと思っています。

3.私の後悔「体重よりも、言葉で訴えればよかった」

これは、私の経験談です。

摂食障害になる前から
心理カウンセラーを目指して生きてきたので、
摂食障害が心の病気であること、
親子関係が深くかかわっていることをある程度知っていました。

だからこそ、拒食症と診断されて間もない頃から、
「痩せたい」以外の「何か」を自分の心が訴えている、
その訴える方法の1つとして、「痩せてガリガリの自分」を
使っているんだ、ということがぼんやりと分かっていました。

少しずつ、自分への理解が深まっていくと、
ガマンし続けてきたこと
構ってほしくてたまらないこと
自分に価値を感じない理由・・・

これらが分かってきたように思います。

分かったからと言って、らくになったのではなく、
分かっていけばいくほど、心はどんどん辛くなっていきました。

なぜなら、「分かった」としても、
周りは分かってくれなかったですし、

私が「分かった」ことを、
周りに上手く伝える術を持たなかったからです。

伝え方が分からなくて
痩せる・食べないことを無意識的に選んでいたように思います。

ですが・・・

今から振り返れば、
「痩せ」ではなく、言葉で伝えればよかった、と思います。
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痩せても、痩せても、
誰も心を見てくれませんでした。

「おかしい人」とさえ
思われていました。

そして、痩せていけばいくほど、
自分でもコントロールが効かない恐怖がありました。

だから、最初から、言葉で伝えることに一所懸命になればよかったと思っています。

・・・

今からでも、取り戻していきませんか?

言葉で伝える
言葉を考える

「痩せ」で訴えていても
「痩せ」だけを手に入れても

だれも振り向いてくれないかもしれません。

そして、「痩せ」だけに執着している間に
1番大切な、あなたの人生が過ぎていってしまうのではないでしょうか?

今日という日も
今年という年も
待っていてはくれないのですから。

いつまで、摂食障害をやり続けますか?