摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
カナダ留学時代、あらゆるものが「人工的」でした。
無脂肪のチーズ、無脂肪のベーコン・・・。
そして、冷凍のミックスベジタブルにまで、カロリー表示がありました。
それなのに、まわりは10代の頃から肥満の子が本当に多かったんです。
だから、カロリーという基準をどう信じたらいいのか、分からなくなりました。
それでも、私自身が摂食障害真っ最中だったころ、やっぱりカロリー計算をしていた時期があります。
拒食真っ最中の時も。
体重が増えて嫌でたまらなかった時も。
でも、2つの事実に気づいていきました。
1.入院中、1ヶ月で2kgしか増えなかった事実
2.ジムに週3日以上、通っても痩せなかった事実
これらは、別々の時期です。
「1」は、拒食で低体重のため、大学病院に入院していた時の経験です。歩くと言っても、病棟内をウロウロするだけでした。
病院食だけでは全然増えなかったので、エンシュア+アイスクリームで、食事以外に1000キロカロリー摂食を言い渡されていました。
それでも、1月で2㎏増なんです。
そして、「2」は、体重を減らしたくてたまらなかった時期です。
運動習慣のない私が、週3日もジムにいくのは、かなり大変でした。
ストレスにもなっていました。
けれど、痩せるにはそれしかないと思い込んで、通っていました。
でも・・・まったく痩せることができませんでした。
・・・・
食べるにしても、運動で消費するにしても、カロリーに縛られている生活って、ホントはつらいんですよね。
「これ食べたら、〇キロカロリー」
「30分歩いても、まだ全然消費できない」
過食した後なんて、どれだけ動きつづければいいの?!と消費の少なさに自暴自棄になっていく。。。
だから、辞めました。
いつ頃からか、食べ物のカロリー計算することも、消費カロリーをはかることも。
すごく勇気のいることでした。
カロリーを気にしなくなったら、無限に太ってしまうんじゃないか。
カロリーが分からないと、余計に食べることが怖くなるんじゃないか・・・etc.
そんな不安が押し寄せてきましたが、それでも辞めようと決めました。
カロリーという数値に疲れ果てていたから。
やめてみたら、意外なことに気づいたのです。
『食べ物を数値だけでみていたこと。』
それは、私自身が拒否し続けてきた「体重だけの治療」と同じだったのではないか・・・。
例えば、リンゴも、本当は〇キロカロリーになるために、実ったわけじゃないんですよね。
リンゴは、真っ赤に熟して、おいしさを届けてくれる果物だったはず。
けれど、私がみていたものは、「リンゴそのもの」ではなく、「カロリーという数値」。
本気でそう気づいてから、少しずつ心がラクになっていきました。
不思議なことに、体重が安定していきました。
食べ物も人も、数値じゃない。
そう気づいてから、食べることが楽しくなりました。
それが、今の私の結論です。
「食べていいんだよ」と、私はお伝えしたいのです。