こんにちは。
開業カウンセラー中村綾子です。
私が摂食障害専門カウンセリングを始める前の自宅パン教室についてシリーズでお届けしています。
第3回目の今日は自宅パン教室を辞めたことで失ったもの、です。
自営業ですので、事業自体をやめる「廃業」です。
一般的に「失う」はよくない意味で捉えられがちですが、実は大きなメリットがありました。
これまでの2つの記事は以下のリンクからお読みください。
・(1)パン教室を辞めた理由
・(2)辞める方法
・辞めたことで失ったもの (← 今ココ)
・辞めた後~カウンセラーとして再出発するまで
自宅パン教室を廃業して失ったもの
失ったものは沢山ありますし、失うことがとても怖かったです。
自宅パン教室をしていた場所を失う
賃貸アパートで許可を得て「自宅+教室」として使っていました。
しかし、廃業と同時に無職・無収入になったので、アパートも解約して実家に引っ越しました。
アパートを退去する時はバタバタしていたので、それほど感傷に浸ることはありませんでしたが、やはり「アパート無し=実家暮らし」という辛さが後からやってきました。
仕事ストレスを失う(=いい変化)
もちろんパン作りは今でも好きですし、小学生時代からの趣味の1つです。
しかし、「仕事としてパン作りをする」ことは未知の経験でした。個人事業主としての働き方やパン教室経営について学ぶという視点が無かったので、何もかも手探りでした。
手探りだったからこそ
・集客方法が分からず、チラシを作成して自転車で配りに行く
・生徒さんに合わせすぎて、自分の生活リズムがグチャグチャに(夕飯が23時など)
・身を粉にして働いても、利益が乏しい…
という心身ともにストレスがとても大きかったです。
パン教室を廃業したことで、こうした仕事ストレスから解放されました。
拒食症も過食症も不眠も失う(=解消・克服する)
パン教室を辞めた途端、眠れるようになりました。同時に、仕事ストレスからも解放されたので、夜中の過食が一切なくなりました。
今から振り返れば、自宅パン教室をしている最中に摂食障害そのものは回復していたのだと思います。
しかし、自宅パン教室という「ひとりブラック化」した働き方によって、
・身体の疲弊
・心のストレス
・不規則な食事時間
などが重なり、過食や不眠が起こっていたのではないかと考えられます。
*これは、摂食障害のクライアント様にもお伝えしていることですが、ハードな仕事でストレスを抱えている場合は、一旦、完全に離れてみないと、「どこからどこまでが、仕事の影響なのか」「どこからが、摂食障害の症状なのか」が分からないです。ある程度、ストレス源がわかっている場合は、一旦離れてから、摂食障害の重症度を判断することをオススメしています。
私の話に戻ると…
パン教室をやめて、実家で過ごしていると、夜中の過食もなく、夜はぐっすり眠れて、久しぶりに人間らしい生活に戻っていきました。
「仕事を辞める」は、新しい出発点
一般的に(特に日本では)、何か1つのことをずーっと長期間続けることが良しとされていて、「辞める」ことに否定的な意見が多いようです。
しかし、合わない仕事を続けることで、心身のストレスを抱えてたり、自分の気持ちにウソをついて生活していくことは、「人」としてもったいないことだと考えます。
私の場合は、自宅パン教室をやめて、自分がほんとうにやりたいカウンセリングという仕事に再出発することでした。
次回は、カウンセラーとしての再出発についてお届けします。