摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害になったことは、悪いことじゃない。
私は今、、自分の摂食障害を振り返って、
心からそう思っています。
なぜなら、苦しいままの生き方を変えることが出来たのも摂食障害のおかげだからです。
摂食障害に悩み、あれほどまでに悪戦苦闘した日々がなければ、
「生き方を変える」という超・難題に取り組まなかったはずです。
でも、この想いは、摂食障害真っ最中の頃から持ち続けていたものではありません。
回復の手ごたえを感じるようになってきてから、
少しずつ湧き上がってきたものです。
決して、摂食障害という病気を
一生懸命前向きにとらえようと努めたのではなく、
回復と同時に、自然と湧き上がってきた心の変化であり、
考え方の変化でした。
こうした「自然の流れ」とは真逆に、
「無理やり」な方々が、とても多くいらっしゃるように感じています。
無理やり前向きな発言をしたり
無理やり明るく振舞ったり
無理やり誉め言葉を並べたり・・・
そんな時【母娘のズレ】が伝わってきます。
摂食障害真っ最中の娘さんが、
合わない環境の中で苦しんでいるのに
お母様が「今、いろんなことを学んでいるのね!」と言ってしまったり、
食以外の症状としての強迫運動なのに
「運動するなんて、元気になった証拠!」
別のこだわりが強くなっているのに、
「摂食の症状を忘れるほど、治ってきたのね!」
過食で苦しんでいる時に
「拒食で食べないより、ずっと健康的!」
どれもこれも【母娘のズレ】なのです。
もちろん、物事のいい面・悪い面がある中で、
いい面を見つけて、大切にしていくことは、イイと思っています。
けれど・・
頑張って前向きでいることで、
見落としているモノに気づいているでしょうか?
それは、
【歩調を合わせる】ということです。
苦しいということ
心が苦しいと訴えていること
それらに気づこうとしないまま、
前向き発言ばかり続けていませんか?
過剰な前向き発言を浴びると、
ホントに苦しい胸の内を話せなくなるかもしれません。
摂食障害の回復がどんどん進んでいると【錯覚】すると、
もっと大きな落とし穴にはまってしまうかもしれません。
大切なのは、現状をきちんと把握することです。
そして、頑張って前向きになるのではなく、
無理やり誉めることでもなく
今ここの【在り方】を大切にすることではないでしょうか?
【在り方】とは、存在そのものです。
決して、上辺だけの言葉を並べるのではなく
言葉の「正解」を求めるのではなく
ただ、ここの居るということ。
全体の雰囲気なのです。