治ることは妥協と諦め

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

治ること
変わること

「何をどうしたらいいか分かりません」

そんな声はとても多いですが、

実際は、

・分かっていても、分かろうとしない
・知っているけど、自分には当てはまらないと思っている
・分かっているけど、認めたくない・・・etc.

という状態の方がほとんどです。

認めるって、怖いことだから。
認めると、自分が自分では無くなってしまう気がするから。
「自分はちがう!」という優越感を手放すのが怖いから。
分かってしまうと、「摂食障害」を認めないといけなくなるから・・・etc.

摂食障害で、ずーっと学校も仕事も上手くいかないにも関わらず、
大きなプライドを捨てきれず、
自分は「スゴイ人」だから、スゴイことをしないといけないと思い込み、
悩んでいることも
苦しいことも、
認められないし、誰にもいえない・・・。

こういうパターンにハマってしまう人たちは、実はとても多いのです。

でも・・・

私は摂食障害が治るためには、妥協と諦めが必要だと思っています。

これまでの考え方を変えるとは、
これまでやりたかったことを諦める。

これまでの考え方を変えていくことは、
これまで目指していたものを妥協する。

変わるとは、何かを捨てること。
取り入れるとは、何かを諦めること。

同時に2つは出来ないし、両立できないこともたくさんあるのです。

・・・

私自身が、摂食障害の頃、1番諦めたことがあります。

それは、バリバリ働くこと。

心理学の道を諦めた後、
就職活動している時でした。

心理系に進めないのなら、
英語を使って、海外と日本を行き来して、
バリバリ働きたい!

人から「スゴイ!」って言われる働き方をして
「スゴイ!」って言われるような収入を手に入れたい。

今から振り返ると恥ずかしいばかりですが、
当時は、そんな想いで就職活動していました。

でも、ムリだったのです。

自分が、自分以上の人になろうとしていたから。

バリバリ働くことを諦めること。
それは、とてもとても痛いことでした。

何のために勉強してきたんだろう?
何のために留学してきたんだろう?
何のために治るんだろう?
何のために生きているんだろう?

「妥協と諦めが必要」なんて、摂食障害の頃の私も思っていませんでした。
だれも教えてくれなかったから。

でも、バリバリ働くことを目指せば目指すほど、心が苦しくなっていったことも事実でした。

だから、諦める。

摂食障害の回復は、何か1つで劇的に変わることはありません。
でも、こうした「妥協と諦め」が必要と気づいたこと、さらに「バリバリ働く」ということを手放したことは、私の摂食障害の回復にとって大きな出来事だったように思っています。

治るきっかけを探し求めているあなたへ。