体重より「体重への考え方」を変えるコツ

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

体重と体重計
カロリーと食事

どこまで体重は増えるのか
どうしたら痩せるのか
何を食べたらいいのか

そんなことばかりネット検索していませんか?

理想体重になることが、摂食障害が「治ったこと」ではありません。
体重だけが目標値に達しても、心が自動的に変わることはありません。

摂食障害が心の病気である以上、
やっぱり心なのです。

「体重●kg」よりも大事なこと。
それは、体重についての考え方です。
さらには、自分についての考え方にもつながるかもしれません。

私が、摂食障害の頃を振り返っておもうこと。

「何を一体悩んでいたんだろう?」

です(笑)。

体重が今より5kgほど多かった時、
人生が終わりだと思っていました。

こんなに太っているから服が着れない
こんな体型だから、恥ずかしい
みんなは痩せているのに、私だけ太っている・・・etc.

来る日も来る日も
本当に悩んでいました。

でも、たった5kgなのです。

ノーメイクで
髪の毛もボサボサ。

太ったからサイズの違う服を選ぶことが恥ずかしい。
これまでのサイズを捨てるのも捨てられない。

美容院にも「今、何してるの?」と聞かれるのが怖くて、
足が遠のき、似合う髪型相談なんて、恥ずかしくて出来ませんでした。

体重!体重!体重!
痩せなきゃ、痩せなきゃ、痩せなきゃ!

そんな気持ちばかりに1点集中してしまっていたので、
他のことが無頓着・無関心でした。

繰り返しますが・・・
たった5kgなのです。

服のデザインによって違いはあると思いますが・・・
着れる服が何もないほど太っていたわけではありません。

それほど太っていないのに、
「自分は太っている」と思い込み、
「この体型だから何もかもダメ」と思い込んでしまう状態。
カウンセリングでも、とても多いです。

今でもとてもよく覚えている場面があります。

まだまだ拒食だった私が友人と買い物に行った時のことです。
友人は楽しそうに、いろんな服を手に取って店員さんともニコニコお喋りをしていました。

そして、友人が1着をえらび、試着室から出てきた時、こう言っていました。

「ちょっとキツイ」

フツーに言っていました。
店員さんも、デザインの説明をしたり、似たような服を勧めたりはしていましたが、
いたってフツーの対応。

友人も店員さんも、フツーの会話でしたが、二人共楽しそうだったのです!

当時の私には、ホントに信じられない光景でした。

試着したものを「キツイ」と感じることも、
きついから「キツイ」と伝えることも、
別の服を提案されることも、

摂食障害で太っている自分が気になって仕方がなかった私にとっては、
どれもこれも恥ずかしくて嫌で怖くてたまらないことでした。

でも、友人も店員さんも、フツーに会話して、ニコニコ楽しそうだったのです。
すぐ傍にいた私だけが、「自分だったら・・・」と考えてゾッとしていました。

つまり・・・

試着した服が合わないこともフツー。
「キツイ」と感じることもフツー。
ちがう服を提案されることもフツー。

友人も全然気にしている様子は無かったですし、
楽しい買い物の雰囲気が伝わってきました。

摂食障害だった私には、その様子が信じられませんでした。
羨ましい以上に、別世界の出来事でした。

・・・

痩せなきゃ!痩せなきゃ!
そう思ってる時、他のことが見えなくなってしまいます。

見えなくなっている事こそ、実は大事なことが多いです。
体重以上に大事な「生き方」、考えていますか?
私が個人的に応援しているコト。