摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
「どうして治ろうとしないんでしょうか?」
「娘はこのままでイイって、思っているのでしょうか?」
「治って、遊びに行きたい!とか思わないのでしょうか?」
こうした謎。
多くのお母様方が抱いていることと思います。
でも、その答の多くは、やっぱり家庭にあります。
『治らなくても困っていない環境』
これが、家の中にあって、日常だからです。
だから治る必要なんて、無いのです。
家の中でも、外でも、かもしれません。
摂食障害でも学校に行ける
摂食障害でも仕事は出来る
摂食障害という診断書を出せば、いろんなことが免除される。
摂食障害で働けなくても、衣食住に困っていない。
摂食障害で外出できなくても、全て買って来てもらえる。
摂食障害で人と付き合えなくても、いつも家族が相手してくれる。
摂食障害で社会とのつながりが無くても、24時間スマホで情報が入る・・・etc.
以下にご紹介するのは、摂食障害ではなく、いわゆるニートの事例です。
摂食障害の本では無くても、重なる部分は沢山あると思います。
ある20代の娘さんが、もう2年も風呂場で暮らしていると言って、相談にこられたお母さんがいました。
話を聞くと案の定、お母さんが三度の食事を風呂場に運んでいました。
「なぜ出てこないのでしょうか」と問われるお母さんに、
「食事を持っていくからでしょう」と答えると激怒されました。(略)
お子さんが求めているのは、この苦しい状況を何とかしてほしいという救いです。
それなのに、親御さんは行動の背後にある声が聞こえず、ただ言葉通りに受け止めてしまいます。
こうして奴隷化し、悪循環がはじまるのです。
*『働かない息子・娘に親がすべき35のこと』(泰文堂)
この例は、確かに摂食障害などの病気がない例です。
でも、摂食障害のご家庭でも、同じようなことが起こっているのではないでしょうか?
以前から書いていますが・・・
心に寄り添うことと、
言いなりになることは違います。
「摂食障害だから」という理由で、
何をしてもOKという意味ではありません。
摂食障害は病気です。
病気であって「腫れ物」ではありません。
何も聞けない
何も触れない
何でも買ってきてあげる
摂食障害のお嬢様が、
欲しいものを言葉で言えるようになったり
気持ちを言葉で表現できるようになることは、
回復には不可欠です。
けれど、何もかも、買い与えてイイとは思いません。
与えられるばかりでは、お嬢様自身が動く必要が無くなってしまうのです。
お母様方からの声、
「なぜ、治そうとしないのでしょうか?」
この答の1つに、家の中の「遊園地化」にあると考えます。