摂食障害の家族相談

【カナダ留学と摂食障害】日本人というプレッシャー

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

カナダ留学と摂食障害。

 

◆カナダ留学と摂食障害(全4回)
 
(1)【カナダ留学と摂食障害】「食べる」がだんだん異常になっていった時期
(2)【カナダ留学と摂食障害】胃の不調と出国延期。拒食症とのつながり。
(3)【カナダ留学と摂食障害】日本人というプレッシャー
(4)【カナダ留学と摂食障害】帰国直後の引越しと拒食症の発症
 

 

 

3回目の今回は、日本人というプレッシャーについてお届けします。

自分から英語を話さない限り「どこかのアジアの女の子」になってしまう

これは、最初の1年の交換留学時代、強く強く感じたことです。

 

日本に居た時は・・・
日本語が話せる人と思われることが当たり前でした。。

 

日本で高校生だった時は、
制服に守られていました。

 

何も話さなくても、
日本人で、日本語が分かって、それなりの学校に行っている・・・。

 

日本にいた時は、全く気付いていませんでしたが、「見た目」だけで多くを守られていたのです。

 

でも、交換留学先は、人口1500人の超・田舎!

 

田舎と言っても、広大な土地に家が点在しているので、私がホームステイしていても、隣の人と顔を合わせることは1度もありませんでした。。。。

 

毎日の生活は、ホームステイ先の家の前からスクールバスに乗って登校して、何も分からないまま授業時間を過ごして、再びスクールバスに乗って帰宅。

 

一言もしゃべらない日は、とても良くありました。

 

英語を喋れないから、喋らない。
喋らないから、周りは一体私がどこの国から来たのかも分からない。

 

そんな環境の中で、ひたすら孤独を感じていました。

 

「自分から話さない限り、勘違いされてしまう」

 

そう痛感したのでした。

 

もちろん、超・田舎で、超・保守的な環境の中、日本に興味がある人もほとんどいませんでした。

 

だから、1番仲良くなったのは、以前の卒業写真で一緒に写っていたPaulinaです。
Paulinaは、同じく交換留学生で、エクアドルから来ていました。

 

地元の友人とは、あんまり親密な関係になれませんでした。
でも、この時感じた「自分から話さないと、日本人とさえ分かってもらえない」という想いは、その後の留学生活でも大いに役立っていきました。

日本人はクールで、スマートという価値観

 

コレは、交換留学を経て、カレッジ、そして4年制大学に進学して、ますます強く感じたことです。

 

やっぱり、どこの国でも言えることかと思いますが・・・
優秀な人たちは、いろんなことの興味があるのです!

 

大学でいろんな人たちと話し、友達になっていく中で、本当に日本という国が尊敬され、礼儀正しい国民性が高く評価されていることを肌で感じて来ました。

 

日本人を表す言葉は・・・

 

polite であり、
cool であり、
そして、smart でした。

 

つまり訳すと、

 

日本人は
礼儀正して、
凄くて、
賢い。

 

*この場合のクールは「冷たい」ではなく、褒め言葉です。

 

それを真に受けていた当時、私はホントに強く強く思い込んでいました。

 

見た目も中身もsmartで居なければいけない。

 

スマートなニッポン人。
それがあるべき姿。

 

自分で自分に、強いていました。

 

だから、
勉強しないといけない。
太ってはいけない。

 

10代終わりから20代にかけて、本当にその想いは強くしみこんでいきました。

 

太ることへの恐怖が、だんだん大きなものになっていったのです。

 

以前のブログ記事にも書いていますが、まわりには、とても沢山の肥満体型の人たちがいました。

 

だから、その人たちと「同じ」になってはいけない。
ニッポン人といてsmartで生きて行くんだ!

 

そんな気持ちで、「太ってはいけない」が強くなっていきました。

「日本食はヘルシーなのに、どうして相撲レスラーはあんなに大きいの?」と質問されて・・・

*日本食のイメージはこんな感じ。。。

 

カナダで目にしたのは、とても極端な食生活です。

 

朝、食べない。
昼、野菜スティック。
間食に、激甘マフィン。
夜、肉と少々の野菜。
さらに夜に、チップス・・・etc.

 

以前のブログ記事で、交換留学時代のお昼がジャムサンドだった話を書きましたが、決して珍しいものではありませんでした。

 

留学先の高校では、先生たちの昼食も、かなり乱れたものでした。

 

ポテトチップスだけだったり、
スープだけだったり、
ブラウニーだけだったり。

 

50代教師であっても、そんな感じのお昼ご飯がフツーだったのです。

 

そして、みんながみんな、悩んでいました。

 

「どうしたら痩せられるか!?」って。

 

その矛先は、ニッポン人である私に向けられることが多かったです。

 

Japanese Food は、rice と fish だからヘルシー。

 

朝、何食べているの?
ミソスープは飲むの?
riceは、週何回食べるの?

 

そんな質問は、日常茶飯事でした。

 

さらに・・・

 

「日本食はヘルシーなのに、相撲レスラーは、どうしてあんなに大きいの?!」

 

と聞かれた時には・・・(笑)。

ホントに返答に困りました。

 

・たくさん食べるから。
・1日に2食だから。

 

そんな答だけをどうにか伝えました。
カナダ人にとって「ヘルシー食たべているのに、どうして太ることが出来るのかしら?」と本気で謎だったのだと思います。

 

それくらい、日本食は、ヘルシーという意識が強かったのです。

・・・・

 

「摂食障害になる前って、どんな生活だったの?」
「摂食障害のはじまりって、自分でも分かったのですか?」

 

こうしたご質問を、これまで数多くいただいてきました。

 

そのため、摂食障害かも・・・と思い始めた時期からさかのぼって書いているのが、この【カナダ留学と摂食障害】シリーズです。

 

でも、実際の摂食障害の原因は、もっともっと昔にあったことに気付くのは、拒食症の回復が始まった後でした。

摂食障害の原因。心のシコリが溶けた日。
当時を振り返ってブログ記事にしたものですが、言葉のやり取りは実録です。

 

◆カナダ留学と摂食障害(全4回)
 
(1)【カナダ留学と摂食障害】「食べる」がだんだん異常になっていった時期
(2)【カナダ留学と摂食障害】胃の不調と出国延期。拒食症とのつながり。
(3)【カナダ留学と摂食障害】日本人というプレッシャー
(4)【カナダ留学と摂食障害】帰国直後の引越しと拒食症の発症