私の過食嘔吐。痩せるための嘔吐から回復まで。

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

昨日のブログ記事では、私の過食嘔吐がはじまったきっかけや当時の様子などをお伝えしました(くわしくはこちら)。

今回は、過食嘔吐が原因で、身体がキケンな状態になった経験や、「痩せる」ことが期待外れに終わったり、痩せる以外の目的で嘔吐していた頃のお話をお届けします。

さらに、過食嘔吐の衝動そのものが、なくなっていき回復していった様子もお伝えしていきます。

過食嘔吐が原因で、大量吐血

以前のブログにも書いていますが・・・突然、大量吐血して命があぶなかったことがあります。。。

通院中だったのは、大学病院精神科。

そこでは、拒食で体重が少ない頃、命のキケンを何度も何度も言われていました。

けれど、一旦過食が始まり、過食嘔吐もしていると、、、

「食べているのだからいい」

といった対応でした。

特に、過食による体重増加への葛藤も、過食嘔吐についてのリスク説明も、何もありませんでした。

そして、ある日。

いつも通り、母と大学病院に通院して、帰宅した直後です。

なんとなく、お腹が空いて、冷蔵庫にあったリンゴを取り出しました。
ソファに座って、パクパクと食べていると、、、むせました。

フツーに、咳き込むように、むせました。

ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ。。。
気持ち悪い!!

そう思った瞬間、リビングからトイレに向かおうとしました。
でも、間に合わず。。。

途中の廊下でいきなりの嘔吐。

それが、真っ赤。。。
血の海。。。

真っ赤な海の中に、リンゴの破片が、ポツンポツン、ポツン・・・と。
たしか、すごい勢いの吐血が、2回あったと思います。

ちょうど、アニメなどでゴジラが口から火を噴くシーンがあるかと思いますが、私の大量吐血は、まさにそんな感じでした。

その後、救急隊員の人が来て、嘔吐物の一部をビニール袋に入れて、母と救急隊員の人が話している声が聞こえて。。。

それから意識が無くなりました。

気が付いたら、何人もの医師に囲まれて、胃カメラを受けている最中でした。

母は医師から怒られたそうです。

・なぜ、1時間もかかる病院に来たのか
・もう少しで輸血が必要な状態だった

と。

大量吐血の原因は、過食嘔吐と言われました。

過食嘔吐によって、食べ物が逆流する際に、胃に圧力がかかる。
胃と食道の境目が、切れて吐血になった。

との説明だったと思います。

胃カメラのクリップ(?)でキズを閉じて、終了。
その日、そのまま帰宅しました。

でも、理由はわかりませんが、その後の記憶が、ほとんどありません。

過食嘔吐が原因で、逆流性食道炎

復学したばかりの頃です。

まだまだ過食嘔吐がたびたびありました。

摂食障害の通院とは別に、胃の不調などの理由で、ふだんとちがう総合病院の内科(消化器内科?)を受診。

そこで、胃カメラを受けました。
結果、逆流性食道炎。

「吐くのを辞めるしかない」

と言われました。

言い渡された治療法は、

入院して1週間絶食で点滴治療

でした。。。。

大学院に復学したばかり
自分の発表も目前に控えたタイミング
ふたたび休んだら教授たちからの信頼をさらに失ってしまう。。。

そんな気持ちが一気に沸いて、パニック状態に。

言い渡された入院をせず、服薬・通院だけで逆流性食道炎を治療しました。

たしか、その後も何度も逆流性食道炎の診断は受けていたと思います。

吐いても痩せないという気づき

だんだん、気づいてきました。

嘔吐しているはずなのに、体重が減っていかない。
嘔吐しても、なぜか体重が増えていく。

すごくショックでした。

でも、数字はウソをつかない。

それだけは分かっていました。

受け入れるというよりも、「もぉ、自分は痩せられないんだ・・・吐いてもダメなんだ・・・」という絶望に近かったと思います。

痩せる以外の目的で嘔吐していた理由

一般的に「過食嘔吐」というのが1つの単語になっていますが・・・
私の場合、ふつうに食べて嘔吐する、ということも多かったです。

特に、上記の「嘔吐しても痩せることはムリ」という悲しい現実に気づいてからは、「ふつうに食べて、嘔吐」が多くなったように思います。

理由は、気持ちを吐き出すため。

気持ちを吐き出したい想いにかられる時、勢いでコンビニに走って、その勢いのまま食べて、嘔吐。

こんな生活イヤ!
だれも分かってくれない!
どうして上手くいかないの!?

そんな「想い」を「吐く」ための、嘔吐だったと思います。

過食嘔吐から「ふつうの人になりたい」という意識

回復が始まりつつある時、いろんなことに直面していきました。

もちろん、直面したことはツライことばかり。

・なんで、普通の人のように働けないんだろう?
・なんで、普通に食べられないんだろう?
・なんで、普通に「美味しい!」「食べ過ぎたー!」って笑えないんだろう?

摂食障害になる前は、普通のことが、普通に出来ることが、当たり前でした。
当たり前過ぎたからこそ、特に何も思っていませんでした。

でも、摂食障害という病気を発症して、過食嘔吐をしている自分はそんな「当たり前」の「普通」とは、別世界に住んでいるような感じがしました。

治ろうと思っても、ツライことばかりの現実。
それでも私は、「普通」になりたかったです。

この頃、自分の中でハッキリと沸いた考え方があります。

普通の人基準で考える、ということ。

どんな時も「普通の人だったらどうするか?」と自分に問いかけてみるのです。

・仕事を辞めたいと思っても、普通の人だったら、過食嘔吐はしないよね。
・嫌なことがあって、やけ食いはしても、普通の人だったら、自分で吐くことは無いよね。
・胃腸風邪で、どうしようもなく吐くことはあっても、自分から食べて、自分で吐くことは、普通の人だったらやらないよね。

そんなふうに、

・普通の人だったらどうするか?と問いかける
・普通の人だったら、●●する(しない)と自分で回答する
・普通の人の行動を、自分もえらぶ。

ということを、意識的に繰り返していきました。

想いはたった1つ。
普通の人になりたい。

回復して、スゴイ人になりたいのではなく、周りから「すごいねー!」と誉められたいのでもなく、ただただ「普通の人」になりたかったのです。

美味しい!って食べて
お腹いっぱいになったら、食べるのを辞めて。
時には「食べ過ぎたー!」と笑って。

ただただ、それだけの日々を、取り戻したかったのです。

自分で生活を変えたことで、過食嘔吐が不要に

結局、回復したのは生き方を変えたからです。

完全休養は、母が変わってくれたことで、心から休める生活が手に入りました。
これは、回復が劇的に進んだ時期です。

でも、完全休養だけでは、社会生活は出来ていません。

私は、誰からも雇われない、どこの企業にも勤めない、という生き方を、自分自身のためにえらびました。だから、過食嘔吐からも、摂食障害からも回復できたのです。

振り返れば・・・

幼いころから、集団生活がニガテでした。
「みんなでチカラを合わせて!」という言葉がキライでした。
「クラス一丸となって取り組む」という言葉に、ひとり冷めていました。

当時はひとりになってしまうことに、自分をせめて、「大勢の人とワイワイできない自分」をダメな自分とずっと思ってきました。

けれど・・・

自営業になってみると、まわりにはたくさんの自営業者がいました。

もちろん、大人数でも上手くいく人や、会社員として功績をあげた後に、自営業を選択した人もいます。

それぞれに、それぞれの想いがあって、それぞれの仕事に対する気持ちがある。

それでいいんだ。。。

そう思ったのです。

だから、

誰も分かってくれない!
自分なんてイヤだ!

という気持ちそのものが無くなったので、わざわざ過食嘔吐をするという衝動が、ぜんぜん起こらなくなったのです。

摂食障害の回復は、生き方を変えること。

回復のための「生き方を変えるサポート」こそ、摂食障害専門カウンセリングなのです^^
初回からオンライン対応になりました!