摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
・拒食から過食になってきた方
・食べても食べても止まらない方
・どんどん増える体重に怖くなっている方
に向けて役立つ情報をお届けします!
よく「回復期の過食」とよく言われますが・・・
この言葉の整理から開始したいと思います。
そもそも、「回復期の過食」とは?
まず、医学的な用語ではありません。
きっと多くの拒食症の方が経験しているであろう「状態」を意味しています。
カンタンに言えば、
・食べても食べても止まらくなり、体重だけがどんどん増えて(回復して)いく時期
です。
あくまで「回復」としているのは、体重だけです。
拒食症の心や摂食障害そのものが回復しているとは言い難い状態です。
そこは、要注意です!
拒食だけの時期って、ホント人によってさまざまですが・・・「食べないようにしている状態」というより、
・食べたいと思えない
・食べようと思えない
・食べることに興味がない
という状態になる方もいます。
ですが、一旦「何か」が切れて、始まると急激に食べるようになる場合が多いです。
・急に、バイキング(食べ放題)に行きたいと言い出したり
・急に、ケーキをいくつも食べたり
・急に、ずっと避けてきた脂っぽいものをどんどん食べたり
ご家族としてはびっくりするかもしれませんが・・・
ほめたり、禁止したり、そのどちらもしないほうがいいと思っています。
何より戸惑っているのは、摂食障害のご本人であり、身体と心の回復スピードの差が大きくなって、とても苦しい時期だからです。
2.「回復期の過食」は、イイですか?
上記の通り、たくさん食べるようになったからと言って、ご家族が「ほめない」ことが大事だと思っています。
過食は、症状です。
症状に
否定も
肯定も
NGです。
よくたとえ話でお伝えするのが、「発熱と同じ」ということです。
熱が出た!
という時に、
すごいね!とほめることもありません。
熱をどんどん出して!ということもありません。
ただ、熱が出ている。
それだけです。
熱が出ているので、病院に行くはずです。
「回復期の過食」であっても、接し方としては同じです。
回復期の過食も、肯定しない。良しとしない。
これが、ホントに大事です!
もし、過食が始まったばかりなら、そのまま過食症に移行していくのか、すぐに過食は治るのか。
治まるとしたら、どうしたらいいのか。
こうした正しい知識を持ってこそ、「回復期の過食」にも正しく対応ができると思うのです。
正しい知識の1つが、「治った」と言える基準を知ることではないでしょうか?
3.摂食障害が治るって、どういうこと?
摂食障害が「治った」といえる基準。
これが、いろんな本を読んでもハッキリしないことだと思います。
経験者の私からみれば、「?」とギモンが沸くような言葉も多々あります。
そこで、これまでにもブログでご紹介していますが、私は「治った基準」として、以下のように卒業を定義しています。
・症状ゼロ
・学校・仕事を安定して続けられること
この両方が半年以上続いて、はじめて卒業になります。
症状ゼロという意味は、どんどんたくさん食べることではありません。
適度においしく食べて、お腹いっぱいになったら、「ごちそうさま」が出来て、その後の活動に集中できる状態です。また、体重も痩せすぎ・太りすぎではない状態です。
もちろん、薬の服薬なしで生理が回復し、周期的に来ていることも含まれます。
そして、学校・仕事ということも、とても大事にしています。
対人関係のストレスがある状態でも、摂食障害の症状が出ないこと。
これが、ホントの回復と言えます。
「治った状態」「卒業」をハッキリさせるからこそ、「今の状態」をどうとらえるか見えてくることと思います。
・・・
摂食障害は治る病気です。
治ることが当たり前の病気です。
でも、
待つだけでは治りません。
自然治癒もありません。
正しい知識と正しい行動が必要なのです。
今通院中の方も、セカンドオピニオンとしてご相談いただいています。
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