摂食障害の姉が弟に食べさせ、暴れまわる

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

姉妹・兄弟への支配。

摂食障害の娘さんが、
年下の弟・妹にやってしまうことが、とても多いです。

ご家族は、姉妹・兄弟の関係だけに注目してしまいがちですが。。。
その多くは、親子関係を見直すことで、
かなり改善に向かうことが期待できます。

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今回いただきましたご質問を、
ご紹介させていただきます。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

摂食障害の姉(小6)が、弟(小2)に山ほどのお菓子や油っこいものを作って食べさせています。

逆らうと暴れ回って、手のつけようがありません。

弟とは半年ぐらい前までは普通に暮らしていたのですが、この状態が続くなら別居も考えています。

姉は弟を妬んでいる様子です。どうしたら弟とまたら仲良くできるでしょうか?

ご質問をありがとうございます。

こうした「食べさせる」は、
摂食障害の娘さんからお母様や年下の弟・妹に
起こることがとても多いです。

よくある事だからと言って、
このまま続ければ、治っていくものではありません。

続けてしまうと、摂食障害自体の悪化だけでなく、
実際は娘さん自身も、ますます家の中での居場所を失っていくかもしれません。

どうか、少しでも早く対策とよき治療者と出会ってみてください。
私は、以下の3つから考えていきます。

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1.食以外の心の叫びを聴いていますか?

2.「仲良くして!」よりも「仲良くしたい関係」に

3.ダメなものは、「ダメ!」と言えていますか?
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1.食以外の心の叫びを聴いていますか?

「弟に食べさせる」
「暴れまわる」

毎日繰り返される行動・・・。
ご家族にとっては、とても激しくとても疲弊していることと思います。

摂食障害の娘さんの行動があまりにも激しいため、
ついつい、行動を抑え込むことばかりに目が向いていませんか?

けれど・・・

そこが、娘さんが逆上する理由かもしれません。

なぜなら、ホントに求めていることは「食」ではないからです。

構ってほしい気持ち
寂しい気持ち
分かってほしい気持ち・・・etc.

いろんな気持ちが混ざり合って
重なり合って
何年も積み重なって

心の中にドロドロした
言い表せないような辛さがあるのではないでしょうか?

だから・・・「食」ではないのです。

お母様は、食以外の娘さんの心の叫びを聴いていますか?

「妬んでいる」なら、
妬む理由を考えていますか?

「妬んでいる」なら、
摂食障害の娘さんが、「妬まなければいけないほどの出来事」があったのかもしれません。

「妬んでいる」なら、
妬むしか、「甘えたい」という気持ちを出せる方法が無かったのかもしれません。

「妬んでいる」なら、
誰かに妬まれて、どうしていいのか分からなくなっているのかもしれません・・・etc.

挙げればキリがないほど、
考えることは、たくさんあります。

「食」だけに目が向いていると、
ますます悪化する可能性があります。

なぜなら、摂食障害の娘さんが訴えているのは、
「食」でないからです。

「食」ではない時に、
ご家族が「食」ばかりに目を向けていると、
そこに大きなズレが生じます。

だから、ますますキレてしまうことが考えられるのです。

目先の行動にふりまわされず
食だけに目を奪われず
じっくりきちんと向き合っていきませんか?

2.「仲良くして!」よりも「仲良くしたい関係」に

仲よくすることは、強制できるものではありません。
摂食障害の娘さんが「仲良くしたいなぁ」と思える関係つくりが、先に必要です。

そのためには、別居が役立つでしょうか?

私の個人的な意見でいえば、
あまりオススメできません。

どんな時も「特別扱いしない」。

これが、摂食障害の早期回復のコツではないでしょうか?

姉弟だから、
小学生だから、
両親と一緒に暮らすのが「ふつう」。

家で治すと決めたのなら、
「ふつう」の中で、
今、できることを探していくことが必要なのではないでしょうか?

娘さんは、まだ小学生です。
そして、半年前まで、弟さんとも仲良く暮らせていたのです。

大切な事実、
回復にも役立てていきませんか?

3.ダメなものは、「ダメ!」と言えていますか?

これは、ご家族の役割です。

ダメなものは、「ダメ!」とハッキリ言えていますか?

食べさせ、弟を苦しめることは、
ダメな行為です。

それを、毅然とした態度で、
「ダメ!」と言えていますか?

実際は、「ダメ」というよりも、
ご家族全体がオロオロしてしまっていませんか?

「言って、摂食障害が悪化したら困るから」
「言って、娘が食べなくなったら・・・」

伝えることに、恐怖があるとは思います。
けれど、「恐れ」からの言葉ではなく、「愛」からの言葉なのです。

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娘さんの回復をホンキで願うから
娘さんの心を分かりたいから
娘さんの将来を応援したいから

だから、「食べさせるのは、回復につながらない」。
だから、「食べさせるのは、ダメ」。

毅然とした態度で、淡々と。
繰り返し、繰り返し、何度も何度も、何度でも。

頭ごなしに怒鳴りつけるのではなく、
かならず、毎回説明していきましょう。

ここにお母様のホンキが試されているのです。
根負けして、「もう好きにしなさい!」と叫んでしまったり
オロオロして、娘さんの目の前で泣きだしてしまったり
弟さんのほうが可哀そうに思えて、「一緒に暮らせないから!」と言ってしまったり・・・etc.

摂食障害の娘さんにとっては、
どれも、「見捨てられた」と受け取りやすい状況です。

だからこそ、「見捨てていないんだよ」「大事な娘なんだよ」と
愛を持って、繰り返し伝えていくことが必要なのです。

・・・

いかがでしょうか?

ここに記載したアドバイスは、
これまでの接し方と180度違うことだったかもしれません。

これまで治らなかったのなら、
「これまで」と「これから」を変えてみること。

それは、とても勇気がいることです。

でも、今の状況を変えていくには、
その勇気を最大限活用すること。

今の状況を抜け出したいなら、
必ず治るという信念を持ちつづけること。

治って、やりたいこと。
治って、行きたいこと。

お母様の中で、
思い描いた未来はありますか?

ご家族全員が、
ありきたりのTV番組を観て笑っている姿。

ご家族みんなで、
旅行を楽しんでいる姿。

そんなに遠くない未来に、
それが、再び戻ってくるのですから。

今、勇気を出して変わること、
どうか恐れないでいてくださいね^^

治っていくと、お母様にもこんな自由が手に入るのですから