摂食障害の家族相談

【拒食症Q&A】心と身体、同時進行の回復はないの?

拒食症をカウンセリングで治す方法と母親ができること

迷ってばかりいるお母様、必見です

摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。

拒食症の回復3ステップをお伝えしています。

ざっくり言えば、

身体の回復

心の回復

生き方を変える

という3ステップです。

*参照ブログ記事:【拒食症の回復ステップ】どのように治るの?体重 VS 心の回復

しかし、拒食症のお嬢様を持つお母様とのカウンセリングでは、

「同時進行の回復はないのでしょうか」

とご質問をいただくことがあります。

正直な答えはYESでありNOです。

理由は「同時進行も無くはない」ですが、「『例えば体重40㎏になった時にどう感じるか?』は、体重40㎏まで増えてみない限り、実際には分からないから」です。

【拒食症】私が体重38kgにこだわり続けてしまった理由
現在、摂食障害専門カウンセラーが拒食症時代の失敗談と後悔と反省ばかりの話です。こんにちは。摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。⇒摂食障害歴7年の様子はこちら前回のブログ記事で、【拒食症と体重】こだわりを無くすために家族ができることをお届け続き>>>

【拒食症の回復】YES(同時進行)の側面

お母様方のおっしゃる通り、回復は『同時進行』の側面も強く持っています。

なぜなら、体重を増やすという身体的アプローチのまさにその瞬間も、お嬢様の『心』は恐怖や不安とたった一人で戦っているからです。

体重が40kgになるのを『待つ』のではなく、その最中で生まれる『今、この瞬間の恐怖』に、ご家族がどう寄り添うか。それが非常に重要です。

ですが、お嬢様ご本人がカウンセリングを拒否されている場合も多いでしょう。

それこそが、専門家による「お母様のためのカウンセリング」の役割です。

当オフィスでは、実に9割以上が『お母様だけ』のカウンセリングです。

拒食症の娘を持つ母親カウンセリング

 

お嬢様がカウンセリングに積極的になれない状態であっても、まずお母様が専門的な関わり方を学び、ご自身の心を安定させる。

その「お母様の変化」を通じて、結果としてお嬢様の心の負担を軽くし、卒業へと導いてきた実績が多数あります。

身体の回復を『土台』とすれば、お母様の安定した関わりこそが、回復を後押しする『サポート力』です。

この2つを同時に行うからこそ、お嬢様の回復を進めることができるのです。

【拒食症の回復】NO(同時進行ではない)の側面

「40kgまで増えてみないと分からない」というのは、「低栄養状態の脳で想像する恐怖」と「栄養が満ちてきた脳で感じる現実」は、全く別物だということに加え、年齢や対人関係・環境も変化していくからです。

生理回復の基準として、よく挙げられる体重が40㎏のため、ここでは体重40㎏を例に記載します。

低栄養の脳

飢餓状態の脳は、不安や恐怖を最大限に増幅させます。

「40kgになったら、自分はとんでもなく太って醜くなり、世界が終わる」という強迫観念に支配されています。
 
これは決して特別なことではなく、健康な人間でも極端にお腹ペコペコだったり、寝不足の日が何日も続いていたら、まともに考えることができなくなったり、イライラしたり、集中力が落ちたりしますよね?
 
拒食症の状態とは、そんな「お腹ペコペコ状態」が何年も続いてる状態なのです。

栄養が満ちた脳

実際に40kgになり、脳に少しエネルギーが満ちてくると、思考の硬直性が少し緩みます。
 
「太るのは怖い。でも、早く学校に行きたい」
「お腹はぽっこりしてるけど、以前より身体が冷えなくなったかも」
 
という、飢餓状態では決して持てなかった現実的な感覚が出てくる可能性があります。

体力の回復がもたらす「心の余裕」

それに加えて、「体力の回復」がもたらす心理的な変化も非常に重要です。
 
低栄養状態の時は、

・「体力が無さ過ぎて動くのがツライ」
・「しっかり眠れない」
・「同級生と同じことをやるだけで疲労困憊になってしまう」

という、『低体重による行動力の低下』が、『さらなるイライラや焦り』を生む悪循環に陥っていることが少なくありません。
 
体重が回復し、身体全体にエネルギーが満ちてくると、こうした悪循環を断ち切れる可能性が出てきます。

実際にカウンセリングでお話を伺っていても、

「以前より疲れにくくなった」
「朝、起きれるようになった」
「友達と遊びに行って、たのしかった」

という身体的な変化が、お嬢様のイライラを減らし、結果として心の安定に直結していくケースは非常に多いです。

これは「意志」の問題ではなく、身体の回復が心の余裕を生み出すという、とても大切な変化なのです

体重40㎏を何歳で達成するか

拒食症からの体重40kg
拒食症の状態から、体重40㎏を何歳で達成するか?という問は、同時に「拒食症の飢餓状態が何年続いたか」という問でもあります。
 
つまり、
拒食症の状態が長期化すればするほど、
 
身体へのダメージ
心へのダメージ
対人関係へのダメージ
 
は、大きくなるからです。
 
体重の数値だけではなく、こうした様々な影響も心の回復にかかわっていきます。

体重回復した後の体重変化は?

病院などで、一時的な体重回復(基準をクリア)したことで褒められたリ、何らかの制限が解除されたりすることがよくあります。
 
しかし、「体重回復した後」のほうが、ずっと大事なことではないでしょうか。
 
体重が安定するか
体重が減るか
体重が増えるか
 
身体の安定があってこそ、心の安定に向けて取り組めるのです。
 
ですから、体重が長期的(最低3ケ月)に安定しないかぎり、身体と心は不安定のままと言えるでしょう

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拒食症から過食・過食嘔吐になって、約7年間も体重の増減に悩んできました。克服後は、30代40代になっても、10年以上、ほぼ一定の体重・体型を維持しています。心と身体が快適と感じられる体重に落ち着くまでの様子を、赤裸々にお伝えします。⇒【拒食続き>>>

体重が回復した時の家族の状況は?

 

拒食症のお嬢様を取り巻くご家族の状況も、日々変化していることと思います。

・兄弟の受験
・祖父母の介護がはじまる
・ご両親の不仲、離婚…etc.

 

こうした変化は身体にも心にも影響していきます。

 

環境が安定していない時に、身体の回復を頑張ろうと思えなかったり、体重が回復しても「治らなければよかった」という気持ちが沸いたり、してしまいがちです。

体重が回復した時の同級生の状況

前述の「体重40㎏を何歳で達成するか」にも重なりますが、同級生だった人たちが、どんな状況に居るのかも、心と身体の回復に影響します。

 

・受験で頑張っている/ぴりぴりしている
・就職活動に悩菜んでいる/やりたいことに向かっている
・結婚して幸せそう/結婚する・しないの選択に悩む
・出産してかわいい赤ちゃんに恵まれている/育児ノイローゼに陥ってしまう…etc.

 

身体の回復に時間がかかればかかるほど、「同級生から置いていかれてしまった」という気持ちは大きくなり、結果として心の回復がますます難しくなります。

 

ですから、カウンセリングでも繰り返しお伝えしていることですが、やはり「1日も早く治ること」が必要なのです。

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そして、「1日も早く治る」ためには、ご家族、特にお母様の安定した関わり方が不可欠です。

しかし、日々のお嬢様の言動に一喜一憂し、お母様ご自身が「本当にこの対応で合っているの?」と不安になることも多いでしょう。

私の無料メルマガでは、ブログでは書ききれない「お母様の具体的な声かけ事例」や、「回復を早めるご家族の共通点」について、より詳しく解説しています。

まずはお母様が「正しい知識」で心を安定させることが、お嬢様の回復への一番の近道です。

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