看護師になりたいけど、将来が不安。働けるの???

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

将来の仕事
将来の不安

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これは、摂食障害で悩んでいる方には
共通の悩みかもしれません。

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

高校で担任の先生とお母さんとで二者面談がありました。

私の将来の夢は看護師になることです。
入院時に、たくさんの看護師さんを見て、「あー私もこの人達みたいになりたい!!」って、
思うようになりました。

でも、面談で、「今の状況では看護系の学校は厳しいから、
ほかの進路も考えた方がいい」って、担任の先生が言ったみたいです。

これから先のことが不安でたまりません。
退院してから、また食べる量が減ってきてしまっています。
頑張ろうとは思っても…こわいって気持ちに負けてしまいます。

将来、私は働くことができるのでしょうか??

ご質問をありがとうございます。

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1.「将来」よりも「今」を考える

2.摂食障害の「むつかしい職業」とは?

3.完全休養は取れましたか?

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1.「将来」よりも「今」を考える

学生さんの場合は、
たしかに焦りも大きくなりますよね。

まわりが受験するから
まわりが進学するから
まわりが・・・etc.

もちろん、学生さんだけではなく、
何歳になっても、お友達との比較は終わることのない問題かもしれません。

けれど・・・

「今」を考えていますか?

今、食べるのが怖い気持ち
今、治るのが怖い気持ち
今、不安な気持ち・・・etc.

一般的な人は、こうした気持ちが無い状態で、
「将来、どんな仕事につこう?」と考えているのです。

今、そんなに苦しいのなら、
今の苦しみを解決・改善していくことに
エネルギーを注ぐのが優先ではないでしょうか?

決して、摂食障害の方や、摂食障害に悩んでいる方の家が
貧しいという意味ではありませんが・・・

【衣食住足りて礼節を知る】という言葉があります。

着るもの
食べるもの
住むところ

これらが、満たされることによって礼儀を知る、という意味ですよね?

食べたいものを食べられるようになること。
そのために心が治っていくこと。

食べて、フツーの体型になって、
「着るもの」も年齢相応になっていくこと。

住む家があっても、
心の居場所がない状態から、
「自分」というものを安心して出せる環境になっていくこと。

これが、「将来の仕事」の前に必要なことではないでしょうか?

2.摂食障害の「むつかしい職業」とは?

とても多くの方が、
同じような悩みを抱えていらっしゃるようです。

決して断言することは出来ませんが、
私の個人的な意見では、以下の3種類のお仕事は、
摂食障害に悩んでいる方にとっても、「むつかしい職業」と考えています。

・医療系
・食・栄養系
・心理系

摂食障害から完全に卒業できていない時期に、
こうした職業についてしまうと、

自分の病気と
相手(他人)の病気が混在してしまったり、

必要以上に相手に深くかかわってしまったり
自分と相手との間の境界線がなくなってしまったり

さらに、病気を「学ぶ」ことが
自分の病気について、ずーっと考えて続けることになって
よりしんどくなってしまうことも多々あります。

私自身は、カウンセラーになることを決めたのは、
小学校5~6年生の頃でした。

けれど、大学院で臨床心理を勉強していたのは、
摂食障害真っ最中の時でした。

だから、本当に本当に苦しかったです。

大学院には、付属の相談室での実習がありました。
その相談の発表を聴いている時、当然、摂食障害の相談事例もありました。

甘いものを大量に食べてしまうという過食の話。
その時、臨床心理士でもあるベテラン教授は、

「カレーとか、煮物とか、甘口にしたらいいんじゃないの?
それで、甘いものの欲求が満たされるかもしれないし」

と言っていました。

私は、絶句。

『過食の衝動というものを分かっていない!』
そんな怒りでいっぱいになりました。

けれど、今から思えば、
その怒りこそ、自分の過食が重なり過ぎていたのです。

相手と、自分の区別が分からなくなってしまう状態。
相手の気持ちを、自分のことのように感じ入ってしまう状態。

だから、臨床心理の勉強を深めていくことは、
とてもしんどい作業でした。

3.完全休養は取れましたか?

入院した時、休めましたか?

私が知る限り、摂食障害の入院とは、
「体重を増やす入院」になっていると思います。

食べて増やして
◯kgになったら、退院。
退院したら、すぐ学校。

それで、心は治っていくでしょうか?
一層、食べることばかりに気持ちが向かってしまっていませんか?

私が、焦ってばかりで
過食がどんどん酷くなっていった頃、
当時の主治医がこう言いました。

「ゆったりしていれば、大抵のことは出来る」

当時は、信じられませんでした。
けれど、今は、ホントその通りだと思います。

ゆったりしている時こそ、
本来の力が1番発揮されるのです。

心が追い詰められて、苦しい時、
空回りばかりで何も上手くいかないのです。

今、休めていますか?
入院は、あなたにとって「休養」になっていましたか?

ずーっと辛かったのだから、
ずーっと頑張ってきたのだから、

もう、やーめた!

そんなふうにふっ切れた時、
はじめて完全休養のスタート地点に立てるのではないでしょうか?

「休めない」という方は、コレの棚卸し、やってみてくださいね!