摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
お母様方にとっては、イタイ話かと思いますが、
とっても重要な話題です。
私の摂食障害専門カウンセリングでは、
半数以上が母親カウンセリングです。
多くの場合、お母様だけが受講されています。
その母親カウンセリングで、とてもよくいただく言葉です。
親が変わるってどういうことですか?
「娘から変わって!と言われるけれど・・・」
「ブログにも、『親が変わることが大事』って書いてあるけど」
「私は、別に病気じゃないし・・・」
で、
「母親の私が『変わる』って、どういうことなんでしょうか?」
こうした声は、とても多いです。
「変わる」ことが必要、という情報は得ていても、
実感までは至っていない状態。
そして、「どういうことですか?」という質問は、
「変わる」よりも、ずーーっと手前の段階にいる、と感じられます。
例えば、パン教室(前職)の時、こんな生徒さんがいました。
「家では、うまくパンが焼けないんです」
教室で見ている限り、
手際も悪くないし、
パンの知識も増えてきているし、
決して、「全然できない」とは思えませんでした。
でも、おうちでのパン作りの工程を1つずつお聞きして、
パンの写メも見せてもらっていると、
理由が分かったのです。
それは、2次発酵のやりすぎでした^^;;
パンが膨らまなかったらどうしよう!?という不安から、
オーブンで焼く直前の発酵を、長くとりすぎていたことが原因でした。
だから、パンの焼きあがりが、ふっくらハリのある仕上がりにならなかったのです。
つまり、
「上手く出来ない」という言葉だけでは、
何が上手くいっていないのかも分からず、
どこをどう変えたらいいのかも分からない状態でした。
それを、教室で1つ1つ振り返っていくと、
何が原因で、
どう改善すればイイのか、
ちゃんと見えていったのです。
・・・
冒頭のお母様方からの言葉も同じです。
「親が変わるって、どういうことですか?」と言っている段階とは、
「パンがうまく出来ない」と言っているのと同じです。
何も分かっていないのですから、
実際の変化が始まるより、ずーっと手前にいるのです。
そもそも、本当に「親が」と思えているのか、
そこがお母様の中で、腑に落ちているのかどうか。
「私、別に病気じゃないし・・・」という逃げの気持ちが潜んでいないか。
「摂食障害の娘さえ、元気になれば・・・」とカンタンに考えてしまっていないか。
母親カウンセリングでは、こうしたお母様自身の気持ちを、
何度も何度も確認していくことを、とても大事にしています。
心が納得していない限り、
【変化のための準備】も整っていきません。
心が納得していない限り、
上手くいかないと、周りに八つ当たりしてしまいがちです。
そして、お母様が「自分が変わる!」という意識が
あるなら、次々と口出しすることは無くなるはずです。