摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
過食が止まらなくて悩んでいた時、やってみた方法をご紹介します。
当時、愛読していたダイエット雑誌がありました。
痩せたいのに、甘いものが辞めらない。
そんなカワイイ女子のカワイイ悩み。
その雑誌には、解決策として、以下の方法が記載されていました。
■ダイエット雑誌から得た方法
1.食べたいものを全て書き出す
2.書いたものの中から1つずつ食べていく
3.異常な食欲がおさまる
記憶が一部曖昧ですが、
大体こんな内容でした。
カワイイ女子のカワイイお悩みと、自分の目の色を変えて詰め込む過食は、別次元でした。
自覚はあったものの、とりあえず試してみました。
1.食べたいものを全て書き出す
その雑誌には、付録で書き込み式ノートがついていました。
そのノートを使って書いていくと、、、
・リンゴたくさん
・甘いもの
・甘いもの
・甘いもの
・鮭たくさん
*名前を覚えていない部分は「甘いもの」と記載しました。
衝撃的でした。
1番最初に書いたものが「リンゴたくさん」。
拒食の時も、過食の時も、リンゴを食べることはOKでした。
でも、「制限の上で、OKだった食べ物」だったのです。
今なら、リンゴくらい好きなだけ食べればいいのに・・・と思いますが・・・
太ることが何がなんでも嫌だった当時、
「リンゴは1日1個まで」という制限があったのです。
だから、いざ食べたいものを書いてみよう!と書きだした時、真っ先にリンゴ・・・
そして、甘いものも書いていたものの、さらに衝撃的だったのは「鮭たくさん」。
当時の私が意味したいのは、塩鮭です。
焼き魚。
ただ、それだけを、たくさん食べたい。
そんな欲求が自分の中にあったこと。
そこに驚いたのです。
なぜなら、過食が止まらなくて悩んでいた時には、
・自分って、なんて甘い物が好きなんだろう?
・自分って、こんな高カロリーのものばかり食べている
・自分って、食べたいものが際限なくたくさんある・・・etc.
と思っていたからです。
食べたいものを書き出すと、
実はヘルシーな食べ物でさえ、制限ばかりしている自分に気が付きました。
2.書いたものの中から1つずつ食べていく
当時のダイエット雑誌に従うと・・・
食べたいものリストの中から、1つずつ食べていきましょう、ということでした。
でも・・・結論から言うと、できませんでした。
理由は、やっぱり許せなかったからです。
リンゴでも塩鮭でも、「たくさん」食べることは許せない。
甘いものは、普通の時に普通に食べることを許せない。
結局、書いて衝撃を受けて終了になりました。
3.異常な食欲がおさまる
雑誌には、1つずつ食べて自分を満たしていくと、異常な食欲がおさまる、と記載されていました(記憶によれば)。
たぶん、一理あると思います。
でも、上記の通り、当時の私は「食べてみる」という段階から、進むことができませんでした。
当然「異常な食欲」がおさまることも、過食が治ることもありませんでした。
回復した後だから言えること:過食が止まる方法も、心の変化があってこそ
このブログも含め、
過食を止めるための「方法論」は、数多く見つかると思います。
けれど・・・
それらを実践し、過食が止まる・治るという【結果】まで手に入れるには、事前に心が変化している必要があるのです。
上記の通り、過食の頃の私も失敗に終わったように
・食べようと思っても、食べられない
・やれば変わると期待できても、一人では出来ない
・ヘルシーな食べ物と分かっていても、制限してしまう・制限を外せない・・・etc.
という、心のブレーキによる「出来ない理由」をたくさん抱えています。
食べてはいけない
太ってはいけない
許してはいけない
楽しんではいけない
遊んではいけない
ラクをしてはいけない・・・etc.
いろんな「●●してはいけない」に縛られて、苦しいのに、もっともっと自分を縛り付けて、自分にひたすら厳しくあり続けてしまう・・・。
ホントは気づいているのだから、
緩めても大丈夫なのだけれど、
「苦しめていたことに気付く」ことも、
やっぱり治った後でしか、言葉で言えないのかもしれません。
過食から回復された方も、語っています。
「人に対しては優しく接してきたけれど、自分に対しては相当厳しかった」から変化していった道のり。