摂食障害の娘を持つご家族なら、「見守る」だけはNGです。拒食・過食が悪化につながる恐れがあります。
摂食障害専門カウンセリング中村綾子です。
「親に出来ることはないですよね」
「見守るしかないですよね」
「親は、本人がやる気になるまで《待つ》でいいんですよね?」
摂食障害のお嬢様を持つご家族は、こうした気持ちを抱きがちです。
でも、ほんとうは「待つだけ」で、お嬢様の摂食障害が治ることはありません。
お母様のココロ:「終わったこと」が終わっていないから、発症しているのかもしれません
・ご家族の病気
・ご夫婦間のゴタゴタ
・ご親戚間での揉め事
・お母様自身の心の悩み・・・etc.
「もう終わったことですから」
「解決していますから」
「過去のこと言っても仕方ないし」
という言葉とは裏腹に、お母様方のお顔は、涙でグシャグシャになっていることがよくあります。
ホントは、「終わった」と思いたいだけです。
「終わった」から、もう関係ない。
「終わった」から、もう気持ちを切り替えないと!
「終わった」から、それとは別に摂食障害の娘のことだけが心配。。。
本当にきちんと向きあって、心がズタズタになるまで対峙した上で、乗り越えてきたのなら・・・
お嬢様の摂食障害は発症しなかったかもしれません。
もちろん、発症する・しないは、断言できるものではありません。
さらに、いつ発症するかは、だれにも予測できるものでもありません。
けれど、「終わったと思っていたことが、実は心の中にフタをしていただけだった」ということは、とてもよくあります。
これが、お母様自身が「向き合うこと」です。
そのサポートが、母親カウンセリングなのです。
立場は異なりますが、私自身が「終わったと思って終わっていなかったこと」を取り上げます。
解決済みと思っていた、私の不登校時代の話。
私がはじめて拒食症と診断されたのは、カナダ留学を終えて帰国した約・半年後です。
拒食症の診断から
大学病院に転院して
その後入院。
退院後、しばらく通院していた時期でした。
主治医と長めの面接を受けていた時です。
これは、カウンセリングに入る前の聴き取りが目的でした。
生い立ちを話す私。
事細かにメモを取る主治医。
そして、主治医の手がとまりました。
「小4、不登校」
私はすぐに言いました。
「あ、でもこれは解決していますので。」
でも、主治医の表情が一転した様子から、私の中に何かが響き、何かが取れたのです。。。
それから、心は大波乱。
過去の両親への怒りが大爆発。
両親を責め続けたり
大泣きしながら不登校時代の話をしたり。
こうした状態が何日も続きました。
一旦納まっても、ふとした時に、心が大波乱・・・という状態は、その後何年も続きました。
これが、私にとって、「終わったと思っていたけど、終わっていなかったこと」です。
そして、摂食障害の回復には、ホントに向き合う必要があった出来事でした。
何年も経過し、摂食障害も終盤に近づいた頃、ようやく「心のシコリ」がとれました。
【摂食障害の原因と向き合う】23年間かかえてきた心のシコリが溶けた日
我が家の場合、私からのアプローチではありました。
でも、母もちゃんと向き合ってくれました。
付き合い続けてくれました。
お互いのチカラで、「心のシコリ」が溶けて、ほんとうに「終わった」のでした。
「見守る」のは、摂食障害から卒業した後です。
冒頭にも記載しましたが・・・
ご家族が《待つだけ》で摂食障害が治ることはありません。
摂食障害に自然治癒もありません。
摂食障害のお嬢様が、治りたいという気持ちになり、行動することは大事ですが・・・
お嬢様が行動を起こす前に、ご家族から変わっていくことは、とてもとても大切なのです!
さらに、
「見守っていればいいですよね?」
という言葉も、ちょっと慎重になる必要があります。
つまり、条件付きです。
以下の3つ全てが必要だと考えます。
(1)お嬢様が、定期的に摂食障害の治療を受けて回復に向かっていること
(2)お嬢様が、「ほぼ卒業」の状態まで回復していること
(3)お母様も、お嬢様同様に、定期的なサポートを受けていること。
きっと、これら3つ全てに該当する場合、「見守っていればいい」という発想は沸かないと思いますが^^;;
(1)では、「定期的」「回復に向かっている」という2点がとても大切です。
治療者(医師・カウンセラー)の中には、放任主義といいますか、「話したい時に来て」という姿勢の方も、時々いらっしゃいます。
これは、私は賛成できません。
心を回復させるには、やっぱり定期的にカウンセリングなどを受講しないと、すぐに元通りになってしまうと考えます。
そして、「とりあえず、行くだけ行っている」のはNGです。
なので、病院・カウンセリングに行って、「回復に向かっている」ことがハッキリ分かることが大事です。
さらに、(2)では、当然ですが、急性期の時に「見守るだけ」ではNGです。
卒業とは・・・
・症状ゼロ
・安定した社会生活(学校・仕事)
この2つです。
症状で見落としがちなのが、
・標準的な体重になっていること
・生理が自然回復した後も、周期的に来ていること
です。
学校・仕事に行くことが出来ているだけでは、「ほぼ卒業」とは言えません。
身体も心も回復するって、そういうことです^^
さらに、見過ごされがちなのが(3)です。
当オフィスの場合なら、母親カウンセリングがこれに該当します。
摂食障害の回復には、
お嬢様の回復・成長
お母様の変化・成長
というそれぞれが必要だと考えています。
特に、中学生・高校生など、お嬢様の年齢が幼ければ幼いほど、お母様が変化していくことで、摂食障害の回復は早まります。
「待つ」だけで大切な時間を失うのではなく、ただしい方法で摂食障害からの卒業を目指していきましょう!
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