摂食障害の完治・寛解・卒業の違いとは?

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です

今回のブログ記事は、

・摂食障害が治るってどういうこと?とギモンの方
・自分が治ったのか、治っていないのかよく分からない方
・「治るのがコワイ」というお嬢様への接し方に悩んでいるお母様
・摂食障害の回復が、なかなか進まない方
・「摂食障害は付き合っていく病気」と聞いて不安になっている方

などに向けて役立つ情報をお届けします。

まず、完治・寛解・卒業の違いをハッキリさせましょう!

完治:完全に治ること

寛解:症状が落ち着いて安定した状態。

【寛解の補足】病気が完全に治った状態だと誤解されやすい。一時的に症状が軽くなったり消えたりしているのであって,治ったわけではないことを,伝える必要がある(参照ページ

卒業:以下の2つが半年以上続いた時、摂食障害の卒業とします。

・摂食障害の症状ゼロ
・学校・仕事などを安定して継続できること

*この卒業基準は、当オフィス独自の基準です。

それぞれ意味が異なりますよね。
完治・寛解・卒業の3つを、混乱していませんでしたか?

そして、あなたが、今何を目指しているかハッキリしていますか?
目指しているものと、今受けている治療法が一致しているでしょうか?

当オフィスが、摂食障害の「卒業」という基準を設けている理由

摂食障害は心の病気です。
このブログを長期間読んでくださっている方なら、この言葉はイヤというほど読んでいることと思います(笑)。

心の病気だからこそ、目に見えません。
心の病気だからこそ、検査しても数値に表れないことが多いです。

だから、ハッキリとして基準が必要なのです。

卒業という基準がハッキリしているからこそ、

・あと、どれ位なのか?
・あと、何が必要なのか?
・ホントに卒業を目指したいのか?

を常に振り返ることが出来ます。
これは、学校の卒業と同じです。

そして、拒食・過食・過食嘔吐という症状が無くなることだけが、本当のゴールではないからです。

カウンセリングとは、「あなたという人」とお会いしています。
「摂食障害の人」と接しているのではなく、「●●さん」というお名前をもった「人」と接しています。

摂食障害という病気の症状は、生き方の問題なのです。

ずっと苦しかったこと
ずっと上手くいかなかったこと
ずっと言えなかったこと
ずっと出来なかったこと
ずっと悲しかったこと

心の回復がなかなか進んでいない場合は、「別に自分は、そんな悩んでないし。症状だけが無くなれば、それでいい」と思ってしまいがちです。

多くの場合、まだ気づいていないだけです。

気づくことが出来ないほど、深く、激しく、ツライ「何か」が潜んでいることがほとんどです。
そうした「何か」がなければ、摂食障害という難しい病気を発症することなんて無いからです。

これは、経験者としても、カウンセラーとしても、断言できます。

すべての摂食障害の方に、「卒業」を目指してほしい理由

自活できるようになること。
これは、休学・休職など、一旦「ふつうのレール」から離れた方にとっては、とてもハードルが高いことです。

ハードルが高い、という意味は決して不可能という意味ではありません。
相談先を見つけることが難しい、という意味です。

私が、摂食障害から回復しつつある時、「今の状態に合わせた働き方を提案してくれる場所がほしい」とホントに思っていました。

けれど・・・

病気は、病院。
仕事は、ハローワーク。

という2つに分離されているようで、いつ・どこで・誰に相談したらいいのか、どこにも答が見つかりませんでした。

だからこそ、
カウンセリングでは、摂食障害の症状だけではなく、生き方・働き方こそ、1番チカラをいれる課題だと思っています。

当オフィスの卒業に、学校・仕事という「安定した社会生活」を症状ゼロと同等に基準に設けているのは、これが理由です。

ずーっと摂食障害で居続けるのは、ホントにもったいないです。
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