摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
少し前のメルマガ「体重を『知って』いますか?」には、様々な意見が寄せられました。
時には、勘違いだったり
拡大解釈していたり
いろいろな誤解もあったようです。
今回は、体重に関してのご質問とともに、あらためて、真意を書いていきたいと思います。
私はしばらく体重計にのっておらず、自分の体重を把握していませんでした。
やっと、意を決してはかってみました。しかし、ショックが大きく、また痩せないと!!…という気持ちになってしまいました。
綾子さんも自分の体重が増えていたら痩せようとしますか?それも0.1キロ0.2キロではなく、2キロ3キロだったらどうですか?
*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。
ご質問をありがとうございます。
いただいたご質問だけでは、現在がどんな状況かまったく分からないです。
そのため、どこに当てはまるか、ご自身で判断してくださいね。
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1.体重を「知る」意味とは
2.急激を予防するための体重測定
3.治療バランスを確認!
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1.体重を「知る」意味とは
本文の、こちらの言葉を読み飛ばしている方が、とても多い印象です。
「今の体重がそのままでOKであれば、体重測定は不要かもしれません」
この意味は、医学的に見て、増減が不要の場合です。
そして、ガリガリに痩せた拒食であっても、自分を変えようとしない方や、ぽっちゃりだけど、「別にいいかな」と思っている方も、「測定不要な人」にです。
体重を減らしたい
増やす必要がある場合は、
現在の体重を知ることは、スタート地点を知ることです。
そして、ゴールをどこに設定するかを、考えます。
拒食状態から、
ゴールを40kgとした場合、
現状を知らないかぎり、
あと5kg増やすのか
あと10kg増やすのか・・・
それさえも分からないことになってしまいます。
スタートとゴールが分かった上で、
あなた自身のために対策を立てること
体重を「知る」ことを避け続けるのであれば、
スタート地点が分からないままではないでしょうか?
2.急激を予防するための体重測定
私は、長年、ほぼ毎日、体重計に乗っています。
摂食障害と診断される数年前からです。
もちろん、摂食障害のひどい頃は、毎日何が何でも朝晩はかって、ビクビクしていました。
現在は、「一応、毎日」というだけなので、なんとなく面倒と思う時や生理中の日は、乗らないこともあります。
ご質問の「2~3キロ増えていたら、どうするか?」ですが・・・
こんな感じで、ほぼ毎日体重計に乗っているので、1日で2キロも増えた経験がありません。
私にとっては、「毎日測定=急激増加の予防」だと思っています。
ちょっと増え気味
ちょっと減り気味
大きな変化の前に、自分で「知る」ことが出来るのです。
急に増やすのも
急に減らすのも
とても大変なことではないでしょうか?
だからこそ、毎日「知る」こと。
でも、「知る」からといって、ビクビクしたり一喜一憂したりするわけじゃないんです^^
毎日の体重測定が問題なのではなく
体重に一喜一憂する心が問題なのです。
この違い、気づいているでしょうか?
3.治療バランスを確認!
身体の治療
心の治療
栄養のサポート
摂食障害の回復には、この3つが不可欠だと考えます。
治そう!
治さなきゃ!
そう思った時、治療が偏っていませんか?
心が元気なら、生理がなくてもいい!と思ってしまったり
体重だけを戻すことを目標にしてしまったり
食事を完ぺきなバランス定食にすることが、ゴールだと勘違いしてしまったり
そして、回復に行き詰まりを感じたり
逆に、ドーンと悪化したり
私は、身体・心・食の3つの治療バランスをとても大切にしています。
拒食の人に、無理やり食べさせても、入退院を繰り返すリスクがあります。
過食の人に、過食を禁止しても、他で爆発するだけです。
料理を作ることに熱中しても、それだけで社会復帰はできません。
完ぺき過ぎる食生活を求めると、臨機応変な対応が難しくなります。
だからこそ、バランスなのです。
心がゆったりとして
体型もまぁまぁ許せる
生理もフツーにあって
メリハリのある身体つきになる
3食バランスは考えるけれど、
イレギュラーな食になっても、パニックにならない・・・etc.
快適に生きていくということは、
こうしたバランスの取れた状態になる、ということではないでしょうか?