摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害だとイロイロな症状がありますよね。
食べれなくなったり
食べ始めると止まらなくなったり
胃の中に食べ物があることがイヤでたまらなかったり
食べると気持ち悪くなったり
吐くために食べたり
食べても吐くことばかり考えていたり・・・
これらは、決してバラバラなものではなく、
1つだけが治ることもなく、
すべての症状には、1つの「根っこ」があるんです。
今回のご質問をご紹介させていただきます。
拒食症・嘔吐を経験してから克服センターにかかり、心から治療していくセンターで、
ちゃんと食べたいものを美味しく食べられるようになったし、こだわりも少なくなったんです。
今は、嘔吐恐怖症、脅迫性障害になっている状態です。
でも、少し食べすぎると、胃が虚弱ですぐに気持ち悪くなって、
気持ち悪すぎて手を使って吐いちゃうことがあるんです。
吐けそうになかったら、
少しお腹にものを入れてから吐くんです。
体重増やさないといけなくても、量を増やすことが怖いのです。
拒食症を治療している最中で、
食事量を増やすと戻して(吐いて)しまう患者さんは、よくいるのでしょうか。
過食嘔吐などには絶対に絶対に絶対になりたくないです。
*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。
ご質問をありがとうございます。
摂食障害なので、
心が治っていかない限り、
摂食障害という病気は
バラエティーに富んだ症状を
あの手この手で出してきます^^;;
今回のご質問も、「バラエティーに富んだ症状」の1つかなぁと
いう印象を受けます。
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1.「2つの心」、気づいていますか?
2.「過食嘔吐になりたくない!心」が引き起こすもの
3.食事量を増やす時、心の器は成長していますか?
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1.「2つの心」、気づいていますか?
「嘔吐恐怖症」と「手を使って吐いちゃう」
吐きたくないのに
自分で吐いてしまうんですよね。
胃が虚弱だけれど、
吐くことで、ますます胃にダメージを与えてしまっているんですよね。。。。
こうした、「2つの心」があることに
気づいているでしょうか?
「2つの心」があること自体、
決して悪いことではありません。
でも、
気づくか・気づかないか
受け入れるか・受け入れられないか
認めるか・認められないか
こうした違いは、回復を大きく左右するものではないでしょうか?
摂食障害とは、心の病気です。
胃だけ
腸だけを
取り出して考えることは出来ないのです。
胃が悪いのなら、
胃腸科で胃カメラで検査して、胃薬飲んで治す。
これが、最善・最良の回復法ではないでしょうか?
でも、胃の状態も
食べた後、気持ち悪くなるのも、
やっぱり心が関係している場合がほとんどです。
私自身も、食後にすごく胃が重くなりました。
普段、食べ慣れていないものを食べると、
胃がムカムカしたり、
身体がどうかなってしまう不安に襲われました。
摂食障害カウンセリングにお越しになっている方からも、
こんな声がよくあります。
「胃の中にあるっていうのが、苦痛なんです」
「吐いたほうがスッキリする」
「消化されて、吸収される・・・と考えるだけでゾッとする」
食べた事実以上に
その後のそわそわ感。
これには、多くの方が悩んでいるようです。
悩んでしまうからこそ、
不快な気持ちが沸いてしまうのかもしれません。
不快だからこそ、
胃にとどめておくことや
消化するまで待っていることが
難しくなっているのではないでしょうか?
2.「過食嘔吐になりたくない!心」が引き起こすもの
拒食時代の私も嫌でした。
吐きたくない心
絶対吐かない
拒食だけの時期には、自分で、吐くことを想像しただけで恐ろしかったです。
初めての入院時、主治医から聞かれました。
「自分で吐いちゃうとか、ある?」
「ないです!自分で吐くなんて絶対しないし、
これからも、したくないです!」
かなりキッパリと答えていたことを覚えています。
ですが・・・
たった数ヶ月後、突然始まった過食に動揺し、「吐く生活」になりました。
私の中では、いろんな気持ちが葛藤していました。
・自分でも吐けるんだと周りに知らしめたい気持ち
・吐いてしまう自分の恐ろしさ
・吐いて太らない安心感
・摂食障害が悪化する恐怖
今から振り返って思うことは、
「絶対吐かない!」という気持ちこそ、
「吐く」を引き起こしていたんだろうなぁと思います。
吐かない、吐かない、吐かない・・・
そう思い続ける時、
ほぼ確実に「吐くイメージ」が沸いているんですよね^^;;
だから、「吐くイメージ」が記憶に染みついて
それが現実になってしまう。。。
なので、今後、過食嘔吐になりたくない場合は、
逆に考えるといいかもしれません。
「吐くことがあっても、大丈夫!」
「過食嘔吐になっても、治るのだから、別にいいじゃない」
気楽に
ラク~に
考えること。
もちろん、治療を受け続けていくことは必須です。
でも、「絶対、やらない!」と気を張り詰めていかないほうが、
きっとうまくいくと思うんです^^
3.食事量を増やす時、心の器は成長していますか?
拒食症で入院すると、
大抵は「食べる」ことが「治療」とされています。
なので、入院前の少量の食事から、
普通食になったり、それ以上の食事を食べることが「治療」だと考えられていますが・・・
多くの場合、それらは苦痛以外の何物でもありません。
なぜなら、心が成長していないからです。
心が成長していないから、
「受け入れる」「消化する」ということに、心が許せていないのです。
結果、気持ち悪い・吐きたい、という「受け入れられない」現象が
起こることは、とてもよくあると思います。
よくある声は、
■精神的に安定しているのに、食事は変わらない
■生きていて楽しいのに、嘔吐は減っていない
■ゆったり過ごせているのに、食べられない・・・etc.
ホントに心が改善しているなら、
ある程度自然に、食べるということが自分に許せるようになるのです。
でも、「心は元気!」と言い切ってしまっている方々は、
とても多く見受けられます。
今回のご質問は、家で自分で食べた時にも起こっているようですが・・・
心の成長は、追いついていますか?
心が回復しているなら、
拒食が治って
嘔吐だけが残る、ということは私には考えにくいです。
心と体は、信じられないほど密接に繋がっています。
心の状態は身体に表れるし
身体の状態は、心にも影響しているのです。