摂食障害経験者だから分かること。体重が増えていく「気持ちの悪さ」は、表現しがたい苦しさではないでしょうか。
こんにちは。
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
拒食症と診断されると…
・体重を増やすために、もっと食べましょう
・●kgを下回ったら、入院
・食事で増やせないなら、栄養剤を…
とスグ言われます。
命がキケンな体重まで陥っている場合は、「体重だけをとにかく増やす」ことは大切です。
しかし…
体重を増やす最中の「心のつらさ」は、誰も分かってくれないようで、ますます追い詰められていきませんか?
拒食症から体重を増やす心の辛さ
体重が増えると、、、
・これまで履いていたジーンズがきつくなる
・二の腕がムチっとする
・顔が丸くなる
という「見た目」の変化に自分でも悩みやすいです。
同時に周りの人から
・元気になったね
・ふっくらしたね
・ぽっちゃりしたね
といわれがちです。
言っているほうは、悪気がない場合がほとんどですが…
元気 ⇒ 元気ハツラツ ⇒太った!?
ふっくら ⇒ やっぱり自分は太っているんだ…
ぽっちゃり ⇒ 家族は太っていないというけれど、やっぱり他人から見たら、自分は太っているんだ…
という解釈をしがちです( ̄▽ ̄;)
こうした「心の辛さ」があるからこそ、拒食症から体重を増やすことは大変なのです。
摂食障害:体重を減らすほうがカンタンな理由
もちろん、過食症で極端に体重が増えてしまった時、
痩せたいのに、過食が辞められない
痩せようとすればするほど反動で食べてしまう
という悪循環にハマる場合もツライと思います。
しかし…極端に体重が増えてしまった状態から少しでも痩せてくると、周りから
・●●ちゃん、やせたねー
・きれいになったね!
と言われることが増えてモチベーションが上がりやすいです。
さらに、「極端に体重が増えてしまった状態」から痩せてくると、外出やおしゃれも楽しくなって、活動量が自然に増える傾向があります。
特に中学生・高校生の過食症の方の場合は、短期間で「極端に体重が増えてしまった状態」からふつう体型になるようです。
拒食症と家族:「体重が増える恐怖」に寄り添うよりも、ただしい知識を
よくあるアドバイスとして
・子どもの心に寄り添いましょう
・なんでも聴いてあげましょう
・心地よい環境をつくりましょう
という言葉がありますが…、摂食障害専門カウンセラーとしては真逆の考えです。
摂食障害(特に拒食症)の心のつらさは、やはり経験者でしか分からないのではないでしょうか。
太る恐怖
食べる不安
自分がかわっていく恐ろしさ
もちろん、ご家族が拒食症のお嬢様のつらさを想像し感じようとするのは大切です。
しかし、「寄り添わなければ…」という気持ちから、いつの間にかお嬢様の言いなりになっているご家族が少なくありません。
摂食障害のお嬢様の言いなりになった結果…
摂食障害の慢性化につながっているのかもしれません。
⇒【摂食障害のご家族向け】家の中を「楽しくしない」から回復につながる
摂食障害のお嬢様を持つご家族が必要なのは、摂食障害のただしい知識ではないでしょうか。
ただしい知識を身に着けた上で、
拒食症のキケンを理解する
拒食症の治り方を把握する
拒食症のお嬢様の「未来」をサポートする
ことにつながると考えます。
拒食症とひとことで言っても、病状も回復段階も異なりますので、個別に相談してみてくださいね。
⇒摂食障害:お母様のためのご相談